本しゃぶり

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ギルガメシュ叙事詩

きっかけ

この金ピカについて知りたかったから

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Fate/Zero 第11話 より

Fate/stay nightおよびFate/Zeroでやたらと存在感を放っていたアーチャーことギルガメッシュ(本書ではギルガメシュ)という金ピカ。英雄王とか最強とか言われていたが、正直なところ元ネタになったのがどんな奴がだが全く知らない。Fateの世界では自身を最古の王と言い放ち、やたらと偉そうな態度をとっている。そして強い。だが、作品を見ていると、アーサー王とかイスカンダルなんかが登場すれば、あの人物がこうなるのかって思えるが、知らない奴が登場して更にそいつについて作品内の連中が驚いてもこっちは誰だよってなるのでさびしい。俺に教養が無いと言われたらそれまでだが。

そこでどんな奴か調べてやろうとググってみた。しかし、大した情報は出てこない。Wikipediaを見ても、歴史上の人物としての情報を見るにはスクロールの必要すらない程度しか書いてない。そこで原作に近いこの本を読むことに決めた。さすがに真の原作である楔形文字は無理なので。

内容とか

本文を最初に見て驚いた。これは国語の問題文かよと。例えば最初の文は以下のようになっている。

すべてのものを国の〔果てまで〕見たという人
〔すべてを〕味わい〔すべてを〕知っ〔たという人〕
〔 〕とともに〔
知恵を〔 〕、すべてを〔 〕した人

カッコの中が空欄なのは俺のミスではない。これは仕方がないことなのである。最古の写本が紀元前二千年期初頭に作られたもの。当然写本といっても粘土板。それだけ古いものであるため全体で3600行あったと推定されるうち、約半分程度しか残っていない。従ってギルガメシュ叙事詩は残っているいくつかの粘土板から楔形文字を解読し、文法体系を明らかにして少しずつ確定していくしかないのだ。

この本では必要に応じて注釈があり、そこで語られている概要が書いてある。更にメインで参照している書板が断片的すぎる場合は、同じ箇所を示している別の書板も掲載することで、可能な限り話が分かるようにしてある。だがそれでも虫食いになった文章は全体像が把握しにくい。そこで著者は「はじめに」で物語の全体の筋を略述している。これはわかりやすくてすごく助かる。だが「はじめに」でほとんど全てがわかるというのは妙な気分だ。

ストーリーはそんなに長いものではない。俺みたいにFateに登場するアイツって何者っていう疑問を解消するためだけならググれば十分かもしれない。だが、ギルガメッシュ唯一無二の朋友エルキドゥ(本書ではエンキドゥ)がどんな存在なのかはやはり概要だけではわからない。こういったことは物語として読んでこそである。

一通り読んで知った事がある。ギルガメッシュの三分の二は神であり、三分の一は人間であるということ。エルキドゥが親友であったということ。ギルガメッシュとエルキドゥで天の牛を倒したということ。これらは原作である粘土板に書いてあった。だが、粘土板のギルガメッシュはインド製の飛行機を持っていなかった。Fateという作品を作るには想像力というか連想力が必要だとよくわかった。僅かな設定からあれだけのキャラを生み出せるとは。まあ、アーサー王が女性になる作品だしどうにでもできるか。

こんな人におすすめ

  • ギルガメッシュが好きな人
  • シュメール文化に興味がある人
  • ハニトラの効果について知りたい人

アニメ始まった