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本しゃぶり

骨しゃぶりの本と何かを繋げるブログ

葬式は、要らない

本の紹介

葬式は、要らない (幻冬舎新書)

葬式は、要らない (幻冬舎新書)

きっかけ

最近なんで葬式をしないといけないのか的な2chまとめを見たので。

まず読む前の俺は葬式は必要ないと考えていた。なぜなら死んだ人間より生きている人間のために金を使うべきだからだ。それに俺は無宗教(たまに空飛ぶスパゲッティ・モンスター教もしくはグーグル教)なので死後の世界がどうとか無いし。

しかし、俺は葬式についての知識がほとんどない。従ってイザ葬式をするかどうかの選択を迫られた時、周囲を上手く説得できる自信がない。特に葬儀社の口車に乗せられた人なんかに対して真っ向から反対できるのだろうか。なので葬式をしないために知識を持っておこうとこの本を読むことにした。


内容とか

この本は日本の葬式に関して現状、歴史、そして選択と提案について書かれている。葬式をしたい人もしたくない人も読んでおくと、その時に後悔のない選択をとれるのではないかと思う。

日本は高い

葬式は贅沢である

これがこの本、つまり著者の基本的な考えである。日本の葬儀費用はバカ高い。この本による他の国との比較は以下のとおりである。

  • 日本:2,310,000円
  • アメリカ:444,000円
  • イギリス:123,000円
  • ドイツ:198,000円
  • 韓国:373,000円

びっくりするほど高い。しかし、このデータは鵜呑みには出来ない。このデータは日本と海外で年代と調査機関が異なっている。まず日本だが、日本消費者協会「第8回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」(平成19年)のものである。ここの最新(平成22年)のデータだと、1,998,861円となっていて少し下がっている。この費用は調査方法や計算方法によってもかなり異なるようで、「【レポート】一般的な「お葬式」にかかる費用はどれくらい? | ライフ | マイナビニュース」では1,658,716円としている。30万円違うというのは結構な差だが、高いことには変りない。
一方海外のデータは1990年代前半のもので、これを参考にしているらしい。よく見ると当時の日本ヤバイ。4,050,000円も使ってる。為替や物価を考慮すれば同じ年代のデータで比較すべきだろうが、これは参考にならない。そうなってくると海外の費用も当てになるか怪しい。
というわけで、この本のデータをそのまま信じるのは止めた方がいいが、日本の葬儀費用はたぶん高い。

どうしてこうなった

日本の葬式費用が高いのはわかった。じゃあなんで日本はこんな事になってしまったのか。まとめてしまえばこの本の目次そのままである。

  1. 仏教が死後の世界と葬式の形態を作る。
  2. 世間体が質素さを許さない。
  3. 見栄が贅沢さを加速させる。

更に葬式が主な収入である寺の存在、日本のお墓参り文化によって維持されている。この本を読んでいると日本はなるべくしてなったという感じだ。本来仏陀の教えでは死後のことなんて考えるだけ無駄だという非常にドライなものだったのだが、仏教を広めるための手段の一つに死後の世界が作られてしまったがためにこうなってしまったようだ。言ってしまえば現代の日本人は奈良時代から鎌倉時代にかけての仏教広めようキャンペーンに踊らされているわけだ。1000年前に行われたマーケティングで今なお効果がある(というか増している)のだから昔の人はすごい。

やっぱりやりたくない

さて、読んだ上で改めて葬式をすべきかどうか考えてみる。するべきではないな。まあ、こんなタイトルの本を読んで葬式をしたくなる人はいないと思うが。結局のところ現在の日本における葬式は、仏教を広めるために生まれ、仏教を維持するために残っているようなものだ。つまり仏教を将来に残しておきたいと考える人以外はする必要ないってことだ。
墓参りも含め葬式なんかを不必要だと論じると、人間として終わっていると言い始める人もいそうだが、それは視野が狭いと言いたい。日本という辺境の風習を絶対的なものとして考えちゃうのはよろしくない。さらに言ってしまえばお墓だってどこでも一緒だと言いたくなる。先祖代々と謳ったところで、たかが知れている。俺のご先祖様はエチオピアあたりにいたらしいが、その人達がお盆に思い出されることはない。今ではアウストラロピテクス・アファレンシスと呼ばれて結構有名なのに。そう考えるとお墓がどこにあっても、もしくはお墓自体が無くても何も問題無いだろう。地球上で死んだのならば、ご近所のアルファ・ケンタウリから見ても同一座標にあると言っていい。だから俺が死んだ後に香典を出そうかと考えている人は今の段階で俺にくれ。


こんな人におすすめ

  • 葬式に金を使いたくない人
  • 死者より生者を優先する人
  • 知人に寿命がある人

どこかの教団は葬式として花火をあげるとか

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