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【書評】ヒーローならSNSはやめておけ / “パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ”

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きっかけ

正体をバラしていたので。

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正体バラすどころか生放送まで / ガッチャマンクラウズ 9話より

ガッチャマンブログとなりつつあるけどネタにしやすいから仕方ない。最初は都市伝説扱いだったのに人前で正体をバラし、幼稚園でインタビューを受け、最新話で生放送までやってしまったこのヒーロー。存在を明かして情報を開示するというのは確かにメリットのある行為だ。これはヒーローにかかわらず、通常の組織や個人にも言える。しかし、デメリットも当然ある上に一度開示した情報を無かったことにはできない。はたしてガッチャマンの正体をバラすのは正しい選択だったのだろうか。

現実の世界でもこの夏はあちらこちらで燃え上がっていた。冷凍庫に入ったのを皮切りに、バイト達が果敢に燃料を頭から被るかのごとく炎上し、それから飛び火して次の炎上が起きるという始末。そして揃いも揃って個人情報を公開していたばっかりに特定され、リンチされる。やっぱり個人情報は可能な限り隠した方がいいのだろうか。

そんなわけでこのパブリック。2年前に出版され、当時はTwitterが3・11で注目されて利用者が日本でどんどん増加していた。その頃でもすでに炎上はあったが、同時多発的に炎上が起きた今あらためて読むと面白いと思った。


内容とか

この本の基本的な主張としては「どんどん情報は公開していったほうがいいよ。そのほうが得だし、技術の進歩とともに情報が広がるのは自然の摂理だよ。」って感じ。そもそも公の場=他人の目に触れる場所での行動はそもそも公開しているのだからネットに上げられても問題ないよねという主張だ。俺としては素直にハイとは言えない。何かあってからは遅いし。すでに相当個人情報を垂れ流しているけど。

とりあえず今回の記事では個人が情報を公開することについて考える。組織となると俺には知識も経験も無いので。

公開するメリット

まずこの本で個人情報を公開するメリットをまとめる。

  • 出会い・繋がりが生まれる
  • 理解・信頼される
  • 守ってもらえる

概ねこの3つに集約される。あとは有名になれるくらいか。これらをどこまで重要視するかが問題だ。偏見を言わせてもらうと冷凍庫に入るような奴にとっては大したメリットにならないんじゃないだろうか。

まず「出会い・繋がりが 生まれる」だが、これはそのまんまの意味であることに加え、アイデアやコラボレーションが生まれることも含まれる。新しいアイデアは人と人、アイデアとアイデアがつながるところから生まれる。この本でも紹介されていたが、この辺のことは 「繁栄」を読むと分かる。
[asin:4152091649:detail] [asin:4152091657:detail] つまりこういうことだ。

アイデアはこれまでないほどお互いにセックスしている

様々な情報が流れ、交流し、集合知が発達する。そうすれば新しいものが生まれると。だからお前の持つ情報をどんどん流せ。コレについては俺は全面的に賛成だ。やっぱり情報は共有しないとな。だからブログやっているわけだし。

次の「理解・信頼される」だが、これは自分にとって不利になること、自分は完全ではないということを知ってもらうのだ。ようするに隠すからみんな偏見を抱き攻撃してくる。隠さず自ら公開すれば恥は恥でなくなるということだ。そして相手のことをよく知っていると人は身近に感じられるようになる。さらに他人に見られていれば嘘を付けないし、馬鹿な真似もしない。その結果信用に足る人物となれると。コレについては簡単に賛成とは言えない。やはり自分にとって不利になることを言えばそれについて攻撃してくる奴は存在する。ここで言う不利とはマイノリティな要素を持っているとかも含まれる。内容によっては攻撃してくる奴が悪いとも言える。しかし、盗む奴が悪いからといってカギをかけない人間はいないだろう。それと同じで信頼されるために弱点を見せる必要はない。

最後の「守ってもらえる」というのは飛行機搭乗前の荷物検査を想像してもらえばいい。もしくは普通に監視カメラ。しかしこれはこの本にも書いてあるようにこの手の話には(公開すること全てに言えそうだが)トレード・オフがつきものだ。犯罪を防ぐためにならどこまで監視することが許されるのか。実際、米国:圧力釜はテロリズムの疑いなんてこともあったし。行き着く果てはPSYCHO-PASSの世界だ。 [asin:4800001021:detail]

炎上しないためには

「炎上」という単語は出ないものの、当然のことだが炎上しないための注意点についてもページを割いている。一度炎上したら人生おわる可能性高いし。中にはしょっちゅう炎上していてキャンプファイヤーまでし始めた人もいるけど。さてその書かれているなかで全てに優先するのはこれだ。

「バカな真似はやめろ」の法則

コレを守るだけでこの夏の炎上は全て無かったはずだ。他のはまとめるとこんな感じ。

  • 公開した情報は残り続ける
  • 誰に知られてもいいことだけを公開しろ
  • 間違いは認めろ

わかりきったことばかりだが、公開するときは意識しておきたい。

ヒーローは公開すべきか

さて、この本では個人と組織はどんどん情報を公開すべきと言っているが、ヒーローは公開すべきなのか。一般的なヒーローは昔からのお約束で正体を隠すことが多い。きちんと調べたわけではないが、隠す理由も力を与えた側が秘密にしろと命じたからというパターンが多い印象を受ける。最初っから秘密裏に活動をしているからとか。ガッチャマンクラウズもこのパターンだ。今は違うけど。この秘密にするというのは果たして理にかなっているのか。俺は理にかなっていると思う。少人数で構成されるヒーローは公的かどうかにかかわらず、絶対に正体を隠すべきだ。

プリキュアは間違っている

魔法少女プリティ☆ベルにこんなシーンがある。

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魔法少女プリティ☆ベル 10 (BLADE COMICS): KAKERU より

すごく最もだと思う。ライダーも敵の目の前で堂々と変身しているが、常に顔を隠さず戦うプリキュアはかなり危ない。いくら髪が変わるといっても顔はそのままだ。エースみたいにBBA化するならまだマシだが。実際に正体がバレた結果、まずいことになったのもいるし。

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家族が捕まって / スマイルプリキュア! 42話より

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この結果 / スマイルプリキュア! 42話より

プリキュア本人が狙われるならともかく、本気になった敵は家族を狙ってくる。家族を24時間守るなんて警察でも不可能なのに少人数のプリキュアはどうしようもない。プリキュアの妖精連中は一刻も早くこの情報を共有して正体を隠すことに全力を尽くすべきだ。

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今年は監視カメラに映るし / ドキドキ!プリキュア 4話より

ガッチャマンは詰んでる

で、きっかけとなったガッチャマンはどうか。カッツェに対抗するため素顔を晒し、情報を次々公開している。これはクラウズの能力を考えると完全に失策だ。クラウズはどこにでも現れる事ができる。つまりカッツェがその気に成れば別にはじめ達を殺す必要もない。梅田あたりがガッチャマンをうざく感じてきたところで、「梅田さん、NOTEをクラウズで取ってきてください。これで彼らは変身できません。」ハイ、ガッチャマンオワター。NOTEはそこら辺の棚に置いているだけだしな。もうカッツェがどこまで舐めプしてくれるかにかかっている。やはり正体は隠しておくに限るな。

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なにもないところからも現れるクラウズ / ガッチャマンクラウズ 9話より

まとめ

何がバレたらまずいかよく考えて公開するしか無いよね。


こんな人におすすめ

  • Twitterやっている人
  • Facebookやっている人
  • LINEやっている人

流してる

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