トランスフォーマー見た。
活躍しないアメリカ軍、まるで成長していない人類側、あちらこちらに見えるパシフィック・リムネタと気になる点は色々あるが、俺はバンブルビーが一番気になった。バンブルビーはこの先生きのこれるのか。
ネタバレ注意。
オートボット在庫一掃セール
トランスフォーマーは玩具を売るための作品である。だが映画でシリーズ物をやるときこれが問題になる。前作と同じキャラを登場させるとそのキャラの玩具は既に販売されてしまっている。マニアならば出るたびに買うだろうが、多くの人はそう考えない。オプティマスが2体いてロクなことはない。
戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー 第22話 より
この問題を解くためにマイケル・ベイがとった戦略は実にシンプルだ。旧キャラを葬り去る。さすがは破壊大帝と呼ばれるだけはある。冒頭でいきなりラチェットが無残にもやられて衝撃を受けた。前3部作全てに出ていたというのにだ。これはオートボット達へのメッセージだ。
「売れない者は生き残れない」
とるべき生存戦略
ではどうすればオートボット達は生き残れるのか。今までの状況を見る限り、ソフト(ストーリー)とハード(見た目)の両方が必要となる。ソフトについてはストーリーにおいて重要であればいい。一方ハードとしては真逆の2つの戦略がある。変わらずにいるか、変わっていくかだ。
オプティマス・プライムの場合
我らがオートボットのリーダー、オプティマスの場合は変わらないことで生き残ってきている。トランスフォーマーの象徴として、その姿を見れば「これトランスフォーマーだっけ」と分かるようにしている。
オプティマスは1作目から3作目と一貫してピータービルト・379モデルのトラックだ。正確に言えば微妙にデザインが変わっているし、装備も増えたりしているが、基本的に同じだ。最新の4作目では心機一転モデルチェンジしてビークル、ロボットの両方で変化している。それでも初見で「これオプティマスだ」と分かる程度に留まっている。
オプティマスはソフトではストーリーの中心として、オートボットのリーダーとして必要とされる。そしてハードとしては赤と青のトラックであり続けることで変わらないことでアイコンの役割を果たし、それによって存在を許されている。
メガトロンの場合
ディセプティコンのリーダーとして君臨するメガトロンはオプティマスと真逆の存在だ。新しく映画が作られるたびにビークルモードのモデルが変わり、それにともなってロボットモードも変化する*1。そして今作では名前まで変わってしまった。
この戦略が素晴らしい点は毎回新しい玩具を出せる点にある。前のメガトロンを持っていても気にならないほど姿形が変わっている。あまりにも変わりすぎていて「コイツ誰?」と言いたくなるほどだ。全く別物なので前作のデキと比較されることもない。
さらにメガトロンはソフトにおいてはディセプティコンのリーダーとして重要な役割を担っている。まあ重要だったのは1作目だけで、それ以降は別にいなくても問題ない気がしてならない。それでもリーダーだからということでちゃんと毎回出るし、2度も復活する。そしてハードとしては毎回新しい姿を供給することで飽きさせない。こいつも何だかんだ言って生き残るだろう。
サイドスワイプの場合
逆に生存戦略として失敗のいい例がサイドスワイプだろう。実写版屈指のイケメンキャラとして2,3と登場したが、残念ながら4作目には登場できなかった。見た目が良ければ需要があるという考えは甘い。ストーリー的にも特に必要性が無かったのだから仕方ない。
逆に見た目がブサイクもとい特徴的なツインズやレッドフットも生き残ることはできなかった。結局ソフトとしての必要性がなく、ハードとしても1度見れば十分な奴は似たような奴にとって変わられるということだろう。
バンブルビーの採るべき戦略
さてバンブルビーはどうだろうか。彼の生存戦略はオプティマスと全く同じだ。ようするにオプティマスと共に実写版トランスフォーマーのアイコンとして、相変わらず黄色いボディとつぶらな瞳で愛嬌を振りまいている。変わらないことを選んだことで声までも失ったままだ。
サムがいない
一見安泰に思えるバンブルビーの地位だが、4作目にして怪しくなってきた。サムがクビになったからだ。
前の主人公サム・ウィトウィッキー / トランスフォーマー/リベンジ [Blu-ray]より
今までバンブルビーには主人公(サム)の友達という重要な役目があった。しかし4作目でサムは登場せず、主人公と仲を深めるポジションもオプティマスに取られてしまった。今となっては前シリーズと以降をつなげる役割でしか無い。そしてそれも今回までだ。
バンブルビーの特徴である子犬みたいな電子音とラジオで喋るというのも、結局は人と会話するときに使ってこそ意味がある。言葉を自由に使えなくても意思が通じるところがいいのだ。しかし今は会話する相手がいない。バンブルビーはボッチになってしまった。
この結果、バンブルビーはソフト、ハード共にピンチに追い込まれている。まずソフトとしてはサムがいなくなったことによる必要性の低下。そしてハードとしては、繰り返し玩具として多くのバリエーションが出ているために飽きられている。さらに今更デザインを大きく変更しても反発があるのは目に見えている。
マトリクスを奪え
ではバンブルビーは最後まで登場することはできないのだろうか?このままでは危ないが、逆転の一手を考えた。コイツに成り代わることだ。
新司令官ロディマスコンボイ(プライム)だ。実写版しか知らない人のために簡単に説明すると、こいつは初代トランスフォーマーにおいてオプティマスからマトリクスを継承し、新たなオートボットの司令官となったやつだ。元はオートボットの騎士ホットロディマスであり、スポーツカーに変形する。
バンブルビーが実写版のロディマス役になることで問題が全て解決される。まずソフトとしてだが、新たな司令官としての役割を手にできる。そしてハードとしては、プライム化することで見た目を変えることができる。それもストーリーに沿った形で。これでバンブルビーは新3部作でも必要不可欠な存在となれる。
可能性はあるのか
このストーリーは今のところ俺の妄想の域を出ないが、可能性は十分にあるだろう。根拠は3つある。
- ロディマスがまだ出ていない
- バンブルビーの必要性
- 新主人公とオプティマスの態度
まず1つ目だが、今回メガトロンがガルバトロンとして復活したのにロディマスの姿が無いということだ。アニメでガルバトロンが登場したのは『ザ・ムービー』だが、最終的にロディマスに敗れ去った。しかし実写版ではロディマスがいない。そうなるとガルバトロンを倒すポジションが空いている。
2つ目だが、バンブルビーは何だかんだ言って人気がある。しかしストーリー的にも玩具的にも役割は終えつつある。ならばバンブルビーを生かすためにも新たな役割を与えたほうが、制作側にもファン側にも得だ。
最後の3つ目として人間の主人公が子どもから親に代わったという点がある。新3部作では親としての成長が物語の核になるだろう。このとき人間側だけではなくオートボット側にも同じ構図が生じるはずだ。ここで今回のオプティマスのセリフが気になる。
「私もバンブルビーには手を焼いている」
これはオプティマスとバンブルビーの師弟フラグとみていいだろう。オプティマスの弟子ということは新しい指導者になるということだ。実際オプティマスがいない時はバンブルビーがオートボットをまとめていたらしい。これはもうそうだろう。
とりあえず次回作が楽しみ
長々と考察もとい妄想を垂れ流したが、これも全てトランスフォーマーの次回作が楽しみなため他ならない。ちゃんと制作されるって決まっているし。
CIA☆こちら映画中央情報局です: Transformers : シリーズ次回作「トランスフォーマー5」の全米公開が再来年2016年で正式に決定!!の発表と、「トランスフォーマー: エイジ・オブ・エクスティンクション」の約7分間のメイキング・ビデオ!! - 映画諜報部員のレアな映画情報・映画批評のブログです
ついでに4の感想も書いておこう。
なんかいろいろすごかった。
*1:1作目:エイリアンジェット/2作目:シオマネキ/3作目:世紀末覇者/4作目:ジプシー・デンジャー