本しゃぶり

骨しゃぶりの本と何かを繋げるブログ

最近読んだ本6冊 (2017年秋)

直近約6週間に読んだ本の紹介。

最近読んだ本

俺は読み終えた本をブクログに記録している。

booklog.jp

いや「記録していた」というのが正しい。ここ6週間ほどは面倒なのでサボっていたのだ。

しかし読んだ本を記録しておくと後々役に立つので、この習慣をここで終わらせるのはもったいない。なのでブログ記事にするという理由をつけて、記録をまとめてやることにしたのだ。

というわけで淡々と紹介していく。

西洋美術史入門

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

西洋美術は使い勝手がいいので、このブログでは挿絵代わりに名画をちょくちょく貼っている。にも関わらず西洋美術の知識はほとんど無いため、入門書を読むことにした。

この本は「入門」と言っているだけあって、どのように美術、特に絵画と接していけばいいか書かれている。ポイントとしては絵画は「読む」べきものであるということ。どんなに素晴らしい小説でも、文字を読めなければその良さがわからないのと同じように、絵画においても読み方を知らなければ作品の価値を理解することはできない。この本はそういった視点を読者に与えるところから始まる。

絵画を読むためには「◯◯は△△を意味する」とだけ知っていればいいのではなく、それが描かれた時代背景まで把握している必要がある。これだけ聞くと西洋美術は難しいと思ってしまうが、よく考えてみたらアニメも同じようなものだ。「金髪ツインテールならツンデレ」というような「お約束」を知っているかどうかで理解の深さは大きく変わる。表現というものは何かの文脈の上に築かれるのだ。

ヨーロッパ覇権史

ヨーロッパ覇権史 (ちくま新書)

ヨーロッパ覇権史 (ちくま新書)

古代地中海世界はある程度知っていても、近代ヨーロッパについては全然知らないので読むことにした。

この本はヨーロッパが、というよりイギリスがいかにして世界を支配するに至ったかという本である。対象となる時代は大航海時代以降。つまり『銃・病原菌・鉄』の力でアメリカを制覇したその後どうなったか、という話となる。流れをざっくりと書くならば、まずは軍事革命によって国家の形が決まり、次に経済力によって差がつき、そして世界のルールを決めたことでゲームの勝者が確定したというところだろうか。

これを読むとヨーロッパが覇権をとったのは、タイミングが良かったせいではないかと思える。ちょうど軍事的に強くなったところでアメリカ大陸が発見され、それによって圧倒的な経済力を手に入れる。さらにその支配を維持するためのシステムも用意できた。地球の広さとテクノロジーが釣り合うタイミングに立っていた覇者がイギリスというわけだ。コロンブスが想定していた大きさであったなら、勝者は違っていたかもしれない。


性欲の科学

性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し女は「男同士」に萌えるのか

性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し女は「男同士」に萌えるのか

断面図の記事を書くきっかけとなった本。

honeshabri.hatenablog.com

人はどのようなもので性的興奮を得るのか、それはどのようなメカニズムなのか。こういった疑問について様々な視点から探っていく本である。これを読むと男性向けのポルノや、女性向けのロマンス小説についての理解が深まる。あの独特なフォーマットには全て意味があるのだと。

この本が俺好みである理由の一つとして、人間を生物の一種として捉えているところにある。例えば「ふたなり」などで、体が女の子みたいでも男性器だけが巨大に描かれることがある。この本ではその理由を男性のアイデンティティだとか暴力性がどうとかに求めたりしない。これは精子競争による興奮を増すためではないか、と論を展開する。徹底して話が進化論の延長線上にあるのが実に良い。

一つ難点を挙げるとしたら、これを読むとポルノなどを見る目線が変わってしまうことだろう。まるで職業病のように、そのシーンがどのような原理に基づいて作られているのか考えてしまう。作る側の人間にとっては必読の書と言えるが、良き消費者であり続けたいなら知らないほうがいいかもしれない。

人はなぜ不倫をするのか

人はなぜ不倫をするのか (SB新書)

人はなぜ不倫をするのか (SB新書)

今年は不倫が流行っているので読んだ。

様々な分野の人が「人はなぜ不倫をするのか」を解説する本。全体を通じて言えることは「人間の体と道徳観・倫理観が合っていない」ということになる。表紙に書かれている「学者が誰ひとり不倫を否定しなかった」というのはそれ故にだ。色んな分野の視点で不倫という行為を語るのはなかなか面白い。テーマの選択は良いと思う。

ただ、契約を破ることについての話がほとんど無いのがもったいない。子孫を残すという観点で考えるならば「不倫をするのは合理的」というのはいい。しかし今の人間社会は契約によって成り立っており、契約を破ること = 裏切りは悪とされている。ならば社会を運営する上で、不倫は否定すべき行為となる。不倫を否定しないと言うならば、例え反社会的行為だとしても子孫を残す事を優先すべき、と言い切って欲しい。


オール・ユー・ニード・イズ・吉良 ~死に戻りの忠臣蔵

あまりにもふざけたタイトルの割に評価が高かったので読んだ。Primeなら無料だし。結果、評価通りの面白さだった。

あらすじは『オール・ユー・ニード・イズ・キル』+「忠臣蔵」。主人公が赤穂浪士ではなく敵役の吉良義央なのがポイント。いかにして赤穂浪士の襲撃から生き延びるか、というストーリーになっている。吉良を主役にしたことで、赤穂浪士の計画がいかに練り込まれていたのかが分かる。一人チート臭いのがいることを除いても、この襲撃を防ぐのは難しい。あらゆる手を吉良に試させることで、襲撃が成功するのは必然であったと理解できる。

一見ふざけた設定でありながら、読んでいくうちに歴史がわかった気になれるこの感覚。何かどこかでと思ったら『仁義なきキリスト教史』である。

題材は違うが、これが好きな人には受ける本であると確信する。


恋するオスが進化する

セックスについてもう少し知りたくて読んだ。こう書くと思春期っぽい。

様々な生物の交尾ネタをまとめた本。特に「性的対立」の話が多い。オスもメスも自分の遺伝子を残そうとするという点では同じだが、オスにとって良いことがメスにとっても良いとは限らない。もちろんその逆もしかり。そのためお互いに利益を最大化しようと進化を重ねる。不倫をするのはまだカワイイ。栄養としてオスを食べるメスがいるかと思ったら、自分以外と交尾をさせないため性液に毒を含ませるオスもいる。セックス怖い。

オスとメスが対立するにしろしないにしろ、共進化の果てにたどり着く形態は、外から見て奇妙なものである。選り好みによる共進化のプロセスを「フィッシャーのランナウェイ」と呼ぶそうだが、このランナウェイ (暴走) は何も生物に限らないように思える。例えば缶バッジを大量につけるやつ。あれもランナウェイの一種ではないだろうか。やはり生物を知ることは人間を知ることなのである。

終わりに

まとめて登録しようとすると疲れる。こういうことはこまめにしよう。

本をまとめて紹介する系の記事

honeshabri.hatenablog.com

honeshabri.hatenablog.com

honeshabri.hatenablog.com