本しゃぶり

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俺が2016年に読んだ本の中から、このブログの読者が読むべき5選

このブログを読んでいるということは、どこか俺と波長が合うということだろう。
ならばこれから紹介する本を読むべきだ。

2016年に読んだ本の中から

12月も半ばを過ぎたので、例年通り俺が今年読んだ中からお薦めの本を紹介する。

ギリシア人の物語I 民主政のはじまり

「テミストクレス? ああ『300』の続編の主人公ね」なんて認識しかない人はこれを読め。スパルタのレオニダスが戦闘に長けた人物ならば、こちらは戦略の人である。なにしろマラトンの戦いで勝利したアテナイが歓喜に沸く中、ただ一人テミストクレスはペルシアが再び攻めてくることを予期し、そのための準備を始めたのだから。

『ローマ人の物語』の塩野七生が書いているだけあって、聞き慣れない名前が多くてもスムーズに読めるのはさすがと言うべきか。『ヒストリエ』をきっかけにヘロドトスの『歴史』に手を伸ばしてみたけれど挫折した、なんて人は先にこっちを読むといい。

よいこの君主論

「ここ、『君主論』でやったとこだ!」この本を一言で説明するならばこうなる。『君主論』をまだ読んでいないなら、まず先にこっちを読もう。それから『君主論』を読む。進研ゼミだって、まず進研ゼミをやることで得られる成功をイメージさせることから始めるではないか。この本は『君主論』の可能性を物語形式で教えてくれるのだ。

賢明なあなたはこの後『よいこの君主論』を読み、その後『君主論』を読むだろう。そうするとその冷徹な内容からマキアヴェッリのことを酷い人だと思うかもしれない。なので先んじて言っておこう。彼は愉快な人である、と。さらに言えばブロガーならば見習うべきである。そのことについては以前この記事に書いておいた。

科学vs.キリスト教 世界史の転換

キリスト教の信者達がいかに現実を直視するようになったかという本。科学の発達により次々と聖書と異なる事実が見つかっていく。なんとか聖書には真実が書かれているのだと、解釈の問題に持ち込もうとするが、ダーウィンによってとどめを刺されるという流れ。

この本を読むと、何かを信じている人を説得するのがいかに難しいかということがよく分かる。どんなに反証を挙げたところで、答ありきなのだから自分の都合のいいように解釈するだけだ。Twitterなんかで論争をするのは時間のムダと言わざるを得ない。

人体六〇〇万年史 ──科学が明かす進化・健康・疾病

この本の著者は持久狩猟の提唱者である。『GO WILD』や『BORN TO RUN』で有名となったあの狩猟がどんなものであったかが分かる。そして、この狩猟にしろミスマッチ病(人体の進化の結果と環境がミスマッチしたことにで患う病気)にしろ、実態はそう単純なものではないと言える。そのため『GO WILD』を読んだ人には必読であると伝えたい。

上巻では人類の進化がメインとなり、それぞれの形質がどのような情況で何のために獲得したのか、という説明が続く。ホモ・サピエンス以前のことを知るのにはいい本だろう。一方で下巻は現代病についての解説がひたすら続き、読んでいて気が滅入る。だがどちらが役に立つのかと問われたら、下巻と答えるしかない。

自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れを取る技術

togetterでちょっと話題になった本。

togetter.com

togetterでは「弱音を吐く人のほうが吐かない人よりも長続きする」という話であったが、それはこの本のごく一部を切り取ったにすぎない。「弱音を吐いてくれた方が、リーダーは状況把握ができるのだから望ましいと思え」程度のことでしか書かれていない。

それよりも重要なのは、忙しさへの対処は「まだ頑張れる」と思えるうちにやるべきということ。もう頑張れなくなり、周囲が異常に気がついた時は手遅れだ。よく「自殺するくらいなら◯◯しろ」という意見があるが、その時はエネルギー切れして自己嫌悪の中にあるため、行動を起こすことはできないのである。ルビコン川を越えるのは、まだ戦力が手元にある時だ。

終わりに

以上が2016年に俺が読んだ中からのお薦め本である。お薦めするだけあって、以前にも紹介したのも当然ある。このブログの読者なら当然すでに買って読んでいるだろうが、まあいいとしよう。

今年は例年に比べて読書量が少ないため数を抑えることにした。読書量が減った理由は以下の記事に書いたとおりである。

ちなみに俺が読んだ本はブクログに全て記録してある。やはりお薦めをする時は母集団をはっきりさせておくべきだ。

honeshabriの本棚 (骨しゃぶり) - ブクログ

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