『巡礼する』と心の中で思ったなら、スデに行動は終わっているのが望ましい。
しかし人は迷ってしまうのが現実である。
だからこの記事を書いた。
公式ツアー
ついに公式でジョジョのイタリア聖地巡礼ツアーが開催される。
【「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」黄金のイタリアツアー開催決定!!】
— TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』公式 (@anime_jojo) August 18, 2019
2019/11/14(木)~19(火)ナポリ、ポンペイ、ヴェネツィア、ローマ・コロッセオ観光と、2019/11/14(木)~20(水)ナポリ、ポンペイ、ヴェネツィア、ゆっくりローマ観光の2コース!詳細は8/19(月)昼頃発表予定!! #jojo_anime pic.twitter.com/Iz6bRv9vOO
このツアーに参加できるのは選ばれし者である。現時点では1回のみの開催で、「先着順」となっている。申し込み期間は「8/26 正午〜9/6 17:00」となっているが、おそらく速攻で埋まるだろう。ツアーを求める声はTwitterで何度も見てきた。
しかし申し込むには『覚悟』が必要だ。飛行機代込なら最安でも343,000円かかり*1、少なくとも平日に「4日」休みをとる必要がある。なかなかのハードルだ。
「迷ったら行くな」と言うのは簡単である。しかし人は簡単に割り切れるものではない。この記事はそんな迷える人のためのものである。
1年前に行った
「お前の意見は本当に参考になるの?」と言われそうなので、簡単な自己紹介。
俺は2018年11月中旬にジョジョの聖地巡礼としてイタリアに行ってきた。ちょうどツアーの1年前のことである。
訪れたのはナポリ、カプリ島、ポンペイ遺跡、ヴェネツィア、サルディニア島、ローマである。つまり5部のほとんどだ。
加えてアニメ放送中も聖地情報を収集し、まとめてきた。おそらくイタリアにあるジョジョ聖地に関しては、俺のマイマップが最も充実していると自負している。
したがって普通のイタリア旅行についてはド素人であるけれども、ジョジョの聖地巡礼ならば語れることは多い。
行き先について
ツアーはナポリ、ポンペイ遺跡、ローマ、ヴェネツィアへ行く。この日程だと妥当な選択であると思う。以降はツアーで行くor行きそうな場所について解説していく。
ナポリ
ナポリで行く場所として挙げられているのはネアポリス空港、ガルバルディ広場、ヴィットーリオ広場、ヌオーヴォ城である。ネアポリス空港は分かりやすいが、残りの3箇所のチョイスが面白い。おそらくジョジョの聖地というよりも一般的に知名度の高そうな場所を表記したのだと思う。「等」と書いてあることから、書かれていない場所へも行くはずだ。
ネアポリス空港 (カポディキーノ国際空港)
ご存じジョルノが白タクをやっていた場所である。
ある意味ツアーのメリットを一番享受できる行き先かもしれない。もともと到着場所がネアポリス空港ならばいいが、ローマから陸路でナポリに来る場合、わざわざネアポリス空港に行くのは躊躇してしまう。市内から空港までは片道5ユーロするのだから*2。 その点ツアーならば何も考えず専用車に乗っているだけでいい。
アニメだと涙目のルカと出会った場所も空港前になっているため、ネタ写真を撮りやすいのもベネ。スコップを用意しておこう。
ガルバルディ広場
ガルバルディ広場は中央駅前にある広場である。
ここは警官時代のアバッキオがパトカーの窓を割られた場所だ。普通にナポリへ観光に来たのならば高確率で通る場所であるが、ジョジョの聖地巡礼としてまず挙がるような場所ではない。ここでどのような写真を撮るかでセンスを問われるだろう。
ヴィットーリオ広場
ヴィットーリオ広場はジョルノがブチャラティにパッショーネへの入団を宣言した場所である。
ただしアニメには登場していない。アニメではポジリポの丘に変更されているからである。
なのでヴィットーリオ広場は一番意外だった。確かに原作では印象的な場所である。しかし今回のツアーに参加する人の多くはアニメを見ているはずで、サイトのデザインもアニメの方である。加えてポジリポの丘の方が明らかに写真撮影向きの場所だ。
ヴィットーリオ広場からポジリポの丘へは車移動ならすぐなので、俺は行くと予想する。もし行かないのであれば、企画者の頭脳がまぬけ。
ヌオーヴォ城
ヌオーヴォ城はポルポのいた刑務所のモデルである。
ナポリ市内には本物の刑務所があるが、デザインは作中のと異なる。
刑務所のモデルがヌオーヴォ城なのは、旅行会社にとってラッキーだった。観光スポットで刑務所のシーンを原作通り撮影できるのだから。さすがに本物の刑務所の前で観光客の団体が記念撮影できるとは思えない。
他に行きそうな場所
ローマから車移動で以上の場所を周るとなると、高速道路を使ってまずネアポリス空港へ行くはずだ。そして駅前を経由して海岸に出るのだと思う。順番としてはネアポリス空港→ガルバルディ広場→ヌオーヴォ城→ヴィットーリオ広場だろう。
この場合、ガルバルディ広場からヌオーヴォ城へ行くルートはPiazza Giovanni Bovioを経由する可能性が高い。アニメでブチャラティがジョルノにパッショーネの構成を説明していた場所だ。
その後はアニメでヨットをレンタルした店のモデルが見えるルートで行くかもしれない。
ただちょっと遠回りになるので飛ばす可能性は高い。
普通に考えたら次に行くスポットとして卵城がある。よく背景に登場したり、アニメでジョルノの母親が結婚写真を撮った場所だ。
しかし有名な建築物なのに行き先として表記されていないのが気になる。車内から見るだけなのかもしれない。
そしてヴィットーリオ広場に行った後、ポジリポの丘でナポリの風景をバックに記念撮影。
絶対行くだろ。
ポンペイ遺跡
ポンペイ遺跡は普通に観光したら丸1日余裕で潰れる。しかしこのツアーではナポリ観光と同じ日となっていることから、ジョジョの聖地に絞っての見学と思われる。ジョルノたちと同じく、『マリーナ門』から入場し、『フォルム』を経由して『犬のゆか絵』がある『悲劇詩人の家』へ行くのだろう。
フォルム
原作でもそれっぽいところが登場していたが、アニメではっきりと出た場所。
ポンペイ遺跡での記念撮影をするならここ。たぶん鏡を置くやつが出てくる。
悲劇詩人の家
『犬のゆか絵』の場所。
このツアーが何人になるのかは知らないが、最低催行人員が両コース合わせて35人。さらにジョジョと関係なく多くの人が訪れているのだから、写真を撮るのに時間がかかると思われる。とはいえポンペイ遺跡を訪れる最大の理由なのだから、満足のいく写真を撮影できるよう、うまいことやってほしい。
他に行きそうな場所
ポンペイ遺跡へは専用車で向かう。ならばぜひ寄ってもらいたい場所がある。213 SR18だ。
アニメでフーゴがジョルノのナビにブチ切れた道である。
この場所こそ個人旅行だと簡単には行けない場所である。絶対にツアーに組み込むべきだ。
ここはナポリからポンペイ遺跡へと向かう高速道路を降りてすぐの道である。ジョルノは「今のカドは左じゃなくて右でしたよ」と言っていたが、実際にポンペイ遺跡へ向かうならば左で合っている。アニメでは描写されていないが、あの後にフーゴはまたブチ切れていたはずだ。
ローマ
ローマは安い「G・Eプラン」だとコロッセオだけであり、他の場所を見たければ追加で4万円支払ってレクイエム化する必要がある。半日のローマ観光のためにプラス4万円は割高だと思う人は、「現地集合G・Eプラン」を選択し、ツアー前に個人でローマ観光してしまうのがいいと思う。
コロッセオ
今更説明するまでも無い。
コロッセオの入場チケットは『フォロ・ロマーノ』と『パラティーノの丘』と共通チケットになっているが、おそらくツアーはコロッセオだけだろう。ジョジョに登場しないので。もったいないが、そこは割り切るしかない。俺は割り切った。
ツアーサイトのコロッセオ説明文には「亀を見つけたらやさしくしてあげましょう。」と書いてある。亀は脚が遅いため、自力でコロッセオに向かうとなれば何年かかるか分からない。運んであげるのが一番だ。
スペイン広場
「G・E・Rプラン」のローマ市内観光としてスペイン広場が記載されているのだが、ここジョジョに登場したか? トリトーネの泉*3と間違えたりしていない? スペイン広場が登場したシーン知っている人いたら教えて欲しい。
ヴェネツィア広場
ブチャラティがセッコと戦っていた場所。
広場そのものはあまり写真映えしないので、広場に面しているヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂をバックに撮影するのがおすすめ。
これを背景に入れるには、チョコラータが死んだことをセッコが知った時のシーンを再現すればよい。
サンタンジェロ城
最後の場所。より正確に言えば、聖地なのは「城」ではなく「橋」や「交差点」の方である。
この橋は原作だとジョルノの母親が結婚式を行った場所でもある*4。
個人的に一番気になるのは、サンタンジェロ城へどのように行くか、ということである。ローマ市内観光について、サイトには移動方法が書かれていない。ボルゲーゼ公園へ徒歩で行くのは現実的ではないため、何かしらの移動手段を用意していると考えられる。
だがサンタンジェロ城へはコロッセオから歩いて行きたい人が大半だと思う。ここはぜひともコロッセオからサンタンジェロ城まで歩き、レクイエムのコースを確定してもらいたい。
ボルゲーゼ公園
チョコラータのヘリコプターを捕獲した場所である。
しかし行く価値はあまりない。作中ではボルゲーゼ公園と言っており、地図でもそう示しているのだが、実際の場所はぜんぜん違うのだ。作中でヘリコプターを捕獲したと示されている場所は、実際だとこうなっている。
なので行ってもGPS上の表示は作中通りなのだが、気分は全く盛り上がらない。本当に行くべき場所はミリツィエの塔である。
俺はこの事実を知らなかったので、ここには行かなかった。せっかくの公式ツアーなのだから、この辺はちゃんとサポートして欲しい。
テルミニ駅
ローマの中央駅。
テルミニ駅は行き先として書かれていないが、ヴェネツィアへは電車で向かうため、間違いなくここを訪れる。
細かいことを言うとジョルノたちはローマ〜ヴェネツィア間を電車で移動していない。プロシュートとペッシの攻撃を受けて、ローマの手前で降りたからである。
しかしメローネは電車でテルミニ駅まで来ているため、ジョジョの聖地であることには変わりない。
他に行きそうな場所
ローマで5部に登場する場所は一通り訪れる感じなので、他に行くとしたら2部の聖地である。
まずシーザーがハトに負けた場所であるトリトーネの泉がある。
ここは他のスポットからちょっと離れているので、メトロを使って行くのがいい。
続いてコロッセオの地下への入口である真実の口がある。
これはコロッセオからサンタンジェロ城へ行く途中にある。ただツアー中だとそれで行くのは無いだろう。自由行動で行くしかない。一人で記念撮影するのは難しいスポットなので、他のツアー参加者を誘って行くのが良い。
ヴェネツィア
ツアーのスケジュールに従うと「登りゆく朝日」を駅前で見ることができない。11月のヴェネツィアの日の出は7時頃だが、駅前で日の出を見られるのは8時頃である。日の出を見るためには朝食を諦めなければいけないのが辛い。
リベルタ橋
ギアッチョが追いかけてきた橋。
ツアーはヴェネツィアへ行くのに電車を使うため、この時点でリベルタ橋を見ることができる。ところが翌日に「リベルタ橋車窓見学」があるようだ。なんて手厚い。俺は上の写真を撮るためにわざわざ歩いて行ったというのに。
駅前広場
覚悟を決める場所。
ギアッチョが刺さった街灯もあるし、その脇にはゴミ箱も置いてある。なので再現しての写真撮影はしやすい。ただし『ライオン像』は駅前に無いので注意。
先に「登りゆく朝日」について言及したが、残念ながら時間ピッタリに行っても、あのシーンを再現することはできない。朝日の登る方角が違うからである。これについては以前記事に書いた。
なのでおとなしくホテルで朝食をとろう。
サンマルコ広場とライオン像
『ライオン像』という意味では5部の聖地だが、どちらかと言えば2部の聖地と言った方が適切。
実際のライオン像は見ての通りかなりの高さがあるため、DISCを隠すには向いていない。
このサンマルコ広場だが、実は2部の聖地であると同時に『岸辺露伴は動かない』の聖地でもある。サンマルコ広場が登場するのは、今度OVAとなる『懺悔室』である。
これでOVAを見て「行ったのは俺です」と言えるようになる。
サン・ジョルジョ・マジョーレ教会
5部のターニングポイントとなった場所。てんとう虫のブローチを持っていきたい。
ここへは水上バスなどの船で行く必要がある。また、同じ日にサンタルチア駅へ訪れることを考えると、水上バスに一定時間乗り放題となるVENEZIA UNICAを購入する可能性がある。もしそうなら24時間券となるはずなので、自由時間にうまく使ってもらいたい。
他に行きそうな場所
ツアーでサンタルチア駅からサンマルコ広場まで歩いていくとは考えにくいため、この間の移動は水上バスを使う可能性が高い。そうするとカナル・グランデを移動することになるから、アニメのようにリアルト橋をくぐることになるだろう。
この橋は2部の聖地でもあるし、ヴェネツィア屈指の観光スポットなので行かない理由が無い。もしツアーに含まれてないのなら自由行動で行こう。
ヴェネツィアでの昼食はツアーに含まれているので、もしかしたらRistorante da Raffaele Veneziaでの食事かもしれない。
ここはアニメでスクアーロとティッツァーノに襲撃されたレストランである。
アニオリといえば、ボスが泊まっていた宿の近くにあるため息橋は間違いなく見ることになるだろう。
この橋はサンマルコ広場からサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会へ行きの船乗り場へ行く途中で見れる。ガイドの意識がはっきりしていれば、間違いなく言及するはずだ。
他に自由時間で行くべき場所としては、ナランチャがティッツァーノ&スクアーロと戦ったサン・モイゼ教会の前とか、『懺悔室』の舞台であるサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂がある。
ちなみにサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂の内部は写真撮影禁止なことで有名なので、注意したほうがいい。中では撮影している人もいるが、だからといって内部の写真をネットに上げたら炎上してしまうだろう。
費用について
費用についても簡単に書いておく。当たり前の話だが「原価厨的視点」だと間違いなく高い。今回のツアー料金をまとめると以下となる。
プラン名 | 旅行期間 | 航空機 | 料金 |
---|---|---|---|
G・E | 4泊6日 | 利用 | ¥343,000 |
G・E・R | 5泊7日 | 利用 | ¥383,000 |
G・E | 4泊5日 | 自己手配 | ¥248,000 |
G・E・R | 5泊6日 | 自己手配 | ¥288,000 |
※「G・E」はローマ観光がコロッセオ見学のみで、「G・E・R」だとローマ市内観光が半日追加。
一方、俺のイタリア旅行にかかった費用は10泊13日で¥250,639だった*5。この費用の内訳については以前まとめている。
とはいえ別にツアーがぼったくりであると言いたいわけではない。要は何に付加価値を感じるかという話だ。ツアーには個人手配旅行には無いメリットがあり、俺も必要に応じてツアーを利用する。それに今回のツアーは普通のツアーではなく、ジョジョに特化したツアーだ。俺の旅行費用を比較として出したのは、自分が何にお金を払おうとしているのか分かりやすくするためである。
それにもう費用のことなんてほとんど気にしていないのではないかと思う。
終わりに
海外旅行は行ったことが無いと不安に感じるものである。しかしツアーでも一度行ってしまえば、「想像してたよりなんて事ない」と思うものだ。
書いていたら俺も再び行きたくなってきた。リベンジしたい。