本しゃぶり

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俺はプリキュアのどこで胸を高鳴らせているのか

「プリキュアのどこがいいの?」
この質問に答えるため、俺は3年分の心拍数データを集計した。

スイーツ同様、プリキュア視聴も科学。
全ては計測から始まる。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』2話より

俺のハートをキャッチ

俺は2014年11月から活動量計で心拍数を計測し続けている。そのデータから毎週日曜の8:30〜9:00のデータを抜き出し、縦に時間で、横に日付で配置する。そして心拍数が高い時をで表示し、低いときをで表示、その中間的な場合を中間色で表示させる*1。こうして俺の鼓動を編み込んでいくと、一つの図が完成する。

これが「プリキュア・ライフ・タペストリー」である。

2014/11/9〜2017/12/24のプリキュアを見ている時の心拍数が、20秒間隔で記されている。これを見ることで、俺が「どの回」の「どのタイミング」で胸を高鳴らせているのかが手に取るように分かるというわけだ。

2017年もプリキュア納めとなったので、今回はこの記録を分析する。

各時間で見る

まずは各時間ごとに平均をとってみる。プリキュアは1話完結が基本で、話の展開もだいたい決まっている。なので放送時間ごとに平均をとれば、一連の流れの中で俺が好むタイミングが見えてくるはずだ。

以下が時間ごとの平均心拍数である。

OPやCMなどの時間は2017/12/24のもの。各回によって少しずつ異なるが、参考程度には十分だろう。

グラフを見てみると、Aパートで一度盛り上がるが、Aパート内で下がり始め、開始時とそう変わらない値になる。そしてBパートの中でまた上昇に転じ、最高点を迎えるという流れになっている。これは話の展開と一致しているのではないかと考えた。

まず新しい話が始まる。しかし、何かしらの問題が発生して一度沈む。そこから解決の兆しが見え始めたところで変身して戦闘になる。そして、また一つ成長したプリキュアは敵に打ち勝つというわけだ。これについて『プリアラ』43話の場合がどうだったか確認してみよう。

Aパートで一番盛り上がる8:36頃はオーディション会場に入ったところだ。物語は動き出しているが、まだ問題は発生していない。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』43話

これがAパートで一番低くなる8:40頃になると、オーディションでやらかしたひまりんを見ることになる。問題発生だ。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』43話

そしてA・Bパートで最も低い8:46頃に至っては敵の精神攻撃によってレイプ目になる始末。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』43話

まさにドン底であるが、グラフはこの後急上昇している。実際43話においても、ひまりんはノートの燃えカスからこれまで積み上げてきたものを思い出し、1分後には復活していた。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』43話

そして全体の中で最高潮に達する8:50頃、キュアカスタードは敵のシステムをハックし、思い出上映会を開催していた。敵と過去の弱い自分に打ち勝ち、成長した姿を見せつけていたのである。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』43話

よって心拍数と話の展開は完全に一致していると言っていいだろう。

だが各話の心拍数を確認した場合、それほど一致しているわけではない。上の『プリアラ』43話においても、レイプ目のシーンにおける心拍数はそれほど低くなかった。平均化したことで各話の特徴が薄まり全話に共通する流れが見えたのではないかと思われる。

さてその後だが、必殺技を発動させている8:52頃の心拍数が低いのは単に見飽きているからだろう。敵の浄化が完了し、話がまとめに入るとまた心拍数が上昇している。

CMに入ると心拍数が低下するのは当然だろうが、中でもBパート後の低下は著しいものがある。おそらく本編が終わったので意識が散漫になっているのだろう。それでもEDに入るとまた上昇を始め、次回予告で一つの山となっている。次回も見てもらうため、予告には視聴者を一週間惹きつける力が必要だ。その効果は心拍数に表れるということだ。

各話で見る

今度は各話単位で平均値と最大値を算出してみる。

先ほど、各時間で平均した場合、話の展開と心拍数は一致する、と書いた。ストーリーが上がれば心拍数も上がるのである。そうなるとやりたくなるのがランキングだ。俺の心を躍らせるのはどの回なのか。

対象範囲は以下の計147話*2

  • 『ハピネスチャージプリキュア!』39話〜
  • 『Go!プリンセスプリキュア』
  • 『魔法つかいプリキュア』
  • 『キラキラ☆プリキュアアラモード』〜45話

平均値でランキング

まずは平均値でのランキング。

1位:平均100.5bpm『敵は…モテモテ転校生!?』

『キラキラ☆プリキュアアラモード』12話

1位は『キラキラ☆プリキュアアラモード』からスーパー転校生爆誕回。心拍数をグラフ化したものが以下である。

ざっくり二つ山があるような形となっている。最初の山はリオくんが学校で活躍していた時、次の山はジュリオとなってプリキュアと戦っていた時のものだ。まさかプリキュアよりもイケメンの活躍回でドキドキしているとは思わなかった。個人的には今のシエルに振り回されているリオくんの方が好き。

2位:平均92.1bpm『ふくらめ!ひまりのスイーツ大実験!』

『キラキラ☆プリキュアアラモード』28話

2位も『キラキラ☆プリキュアアラモード』からひまりん回。グラフはこれ。

1位のに比べると、起伏が少なく安定したものとなっている。内容の方はマッド・サイエンティスト的と言うべきか、なかなかぶっ飛んだことをしていると思うのだが。

3位:平均89.9bpm『狙われた学園祭! ショコラ・イン・ワンダーランド!』

『キラキラ☆プリキュアアラモード』30話

3位までも『キラキラ☆プリキュアアラモード』からミクちゃん回。

学園祭が始まって俺の心拍数もしばらく高くなっている。一方で気になるのは8:55頃の急降下。実況していたログがあるので、力尽きていたわけではない。計測ミスだろうか。

10位まで

全部載せるのはさすがに大変なので、10位までを以下に示す。

順位 平均心拍数 放映日 作品 話数 サブタイ
1 100.5 2017/04/23 キラキラ☆プリキュアアラモード 12 敵は…モテモテ転校生!?
2 92.1 2017/08/20 キラキラ☆プリキュアアラモード 28 ふくらめ!ひまりのスイーツ大実験!
3 89.9 2017/09/03 キラキラ☆プリキュアアラモード 30 狙われた学園祭! ショコラ・イン・ワンダーランド!
4 89.5 2017/01/15 魔法つかいプリキュア! 48 終わりなき混沌! デウスマストの世界!!
5 88.9 2015/08/02 Go!プリンセスプリキュア 26 トワ様を救え! 戦うロイヤルフェアリー!
6 88.0 2017/04/16 キラキラ☆プリキュアアラモード 11 決戦!プリキュアVSガミー集団!
7 86.6 2015/08/09 Go!プリンセスプリキュア 27 ガンバレゆうき! 応援ひびく夏祭り!
8 86.2 2017/04/09 キラキラ☆プリキュアアラモード 10 ゆかりVSあきら! 嵐を呼ぶおつかい!
9 85.5 2017/07/09 キラキラ☆プリキュアアラモード 22 やめてジュリオ! 憎しみのキラキラル!
10 85.4 2017/03/19 キラキラ☆プリキュアアラモード 7 ペコリン、ドーナツ作るペコ〜!

『プリアラ』がやたら多い。この作品は全体的に明るく楽しげな雰囲気なので、それが影響しているのだろうか。最初はスーパーヒーロータイムの時間が変わったのが影響しているのかと思ったが、放映日を確認すると時間変更前の回しかない*3。やはり作風に要因がある気がする。

最大値でランキング

今度は最大値*4で見てみる。瞬間的に盛り上がる回はどれなのか。

1位:最大116bpm『テニスで再会! いじわるな男の子!?』

『Go!プリンセスプリキュア』7話

『Go!プリンセスプリキュア』からテニス回。この回は平均値だと35位なので、瞬発力が凄いと言える。グラフはこれ。

残念ながら計測失敗が多く、途切れ途切れとなってしまっている。それでも見た感じでは8:50頃までは特に上下が激しいわけではなく、淡々とした印象を受ける。それが8:51にいきなり最大値を叩き出した。その時のシーンはこれだ。

『Go!プリンセスプリキュア』7話

キュアフローラが自らの力で捕縛を打ち破った時である。BGMからして最大に盛り上がったところで俺の興奮も頂点に達したようだ。

2位:最大115bpm『敵は…モテモテ転校生!?』

『キラキラ☆プリキュアアラモード』12話

またお前か。平均的に高いと最大も高くなる。グラフはすでに一度貼っているが、スクロールするのも面倒だろうから再度貼っておく。

頂点に達したの8:55付近であるこのシーン。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』12話

戦闘後にジュリオが「これがプリキュアの力……」と呟いているタイミングだ。さすがにこのシーンそのもので興奮しているとは考えにくい。グラフを見るとその前の8:51から上がっているので、ジュリオとの戦闘で興奮していたと考えるべきだろう。必殺技もまだ2回目なのでそれほど見飽きているわけではない。

3位:最大107bpn『伝えたい想い! みなみの夢よ大海原へ!』

『Go!プリンセスプリキュア』45話

3位はまた『Go!プリンセスプリキュア』からみなみん回。終盤の個人回はキャラの成長した姿を見られるので感動しやすい。グラフはこれ。

一番高いのは8:39頃。その時、画面にはこのような光景が展開されていた。

『Go!プリンセスプリキュア』45話

サンタコスのライブで盛り上がっていた。興奮は感動や戦闘だけで起きるものではない。

同3位:最大107bpn『キラパティ オープン…できません!』

『キラキラ☆プリキュアアラモード』8話

同じく107bpmで3位がもう一つ。『キラキラ☆プリキュアアラモード』から起業回。長老初変身回でもある。

一番盛り上がったのは戦闘よりも少し前だった。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』8話

ダメダメだった状態から、いちかのビジョンに当てられ、各自が動き出した時だ。やはりスタートアップの物語はいい。こういう時は戦闘が取ってつけたように感じる。心拍数もそう言っている。

10位まで

こちらも10位までを示す。

順位 最大心拍数 放映日 作品 話数 サブタイ
1 116 2015/03/15 Go!プリンセスプリキュア 7 テニスで再会! いじわるな男の子!?
2 115 2017/04/23 キラキラ☆プリキュアアラモード 12 敵は…モテモテ転校生!?
3 107 2015/12/20 Go!プリンセスプリキュア 45 伝えたい想い! みなみの夢よ大海原へ!
3 107 2017/03/26 キラキラ☆プリキュアアラモード 8 キラパティ オープン…できません!
5 106 2015/05/10 Go!プリンセスプリキュア 15 大変身ロマ! アロマの執事試験!
5 106 2015/11/22 Go!プリンセスプリキュア 41 ゆいの夢! 想いはキャンバスの中に…!
5 106 2016/11/20 魔法つかいプリキュア! 41 ジュエリーな毎日! 魔法学校へ放課後留学!
8 105 2015/08/02 Go!プリンセスプリキュア 26 トワ様を救え! 戦うロイヤルフェアリー!
9 104 2015/05/31 Go!プリンセスプリキュア 18 絵本のヒミツ! プリンセスってなぁに?
9 104 2017/03/05 キラキラ☆プリキュアアラモード 5 きまぐれお姉さまはキュアマカロン!
9 104 2017/10/01 キラキラ☆プリキュアアラモード 34 小さな大決闘! ねこゆかりVS妖精キラリン!

『プリアラ』も相変わらず多いが、それ以上に目立つのが『Goプリ』である。この作品はドラマチックな展開から世界名作劇場を思い浮かべる人も多い。盛り上げるところがはっきりとしている、そんな作風が結果に表れている。

終わりに

「プリキュアのどこがいいの?」
「8:50あたり」

こうしてまとめて見ると、自分がどこで興奮しているのかよく分かる。各話単体の場合だと予想外な結果になることもあるが、全体を通してだと傾向が見えてくる。やはり話が盛り上がるところで心拍数も上がるのだと。また、平均値のランキングと最大値のランキングの違いから、シリーズごとの特色も見えてきた。そして放映中の『キラキラ☆プリキュアアラモード』は俺好みということが数字として現われている。以前に記事を書いたのもうなずける話だ。

この記事では視聴時の心拍数が高いことを肯定的にとらえている。そうすると次のような疑問を持つ人もいるだろう。視聴時に心拍数が高まるのが良いプリキュアなのだろうか、と。良い作品だからといって必ずしも心拍数が高いとは限らないし、逆に心拍数が高くてもクソな作品もある。

しかし俺はあえて、プリキュアでは心拍数が高まるのが正義と言おう。

ドキドキだけがプリキュアなのだから。

この記事の作り方

別に論文にするわけではないので、信頼性とかを求められても困る。あくまでも個人ブログの一記事として認識してもらいたい。

計測器

まず計測に使ったのは前回の記事にも書いたようにこれ。

3年間通しで同じ計測器を使っているので、絶対的な値はともかく相対的な値はそれなりに信用できるはず。

元データ

www.dropbox.com

心拍数データのcsv化はこれで。

この記事を書くために作ってもらった。

実況

心拍数を計測し続けていても、その心拍数の時に何をしていたのか分からないと意味がない。そういった点でプリキュアは使い勝手が良かった。当時リアルタイムで見ていたかどうか確実に分かるからである。

実況することの価値はここにあった。

元ネタとなった本

最初の「プリキュア・ライフ・タペストリー」だが、アレは俺が考案したものではない。この本に書いてあったのを真似しただけだ。

この本では心拍数ではなく、腕が1分間に何回動いていたかで作成している。それによって24時間365日の行動を俯瞰するのだ。面白いことに、ここから「人間が一日に使えるエネルギーの総量と配分の仕方は、法則によって制限されている」ということが分かるのだが、興味がある人は本を読んでもらいたい。少しなら記事に書いたことがあるので、まずこっちを読むのも手だ。

また、心拍数で視聴時の心理を計測しようというのはまた別の本に書いてあった話にヒントを得た。

ここで紹介されている研究で、無意識な性的興奮度を調べるために性器の血流の変化を測定していた。この研究結果から、男女で意識的な興奮と無意識な興奮の関係が異なることが判明している。詳しくは本で。

とまあこんな感じで、別々の本のネタを合わせたのが今回の記事というわけだ。これもある種のメディチ・エフェクトと言えるだろう。

関連する記事

前回書いた心拍数を元にした映画ランキング記事。


『キラキラ☆プリキュアアラモード』の記事。


アニメにおけるメディチ・エフェクトの記事。

*1:白は計測失敗。

*2:リアルタイムで視聴していない回は除外している。

*3:放送時間が変わったのは2017/10/1から。

*4:本編以外が最大値だと面白くないので、8:35〜8:55の範囲で出した。