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本しゃぶり

骨しゃぶりの本と何かを繋げるブログ

【書評】時間を掌握するために / “サボる時間術”

本の紹介

サボる時間術 (日経プレミアシリーズ)

サボる時間術 (日経プレミアシリーズ)

こういうタイトルは結構好き。怠惰な俺にあっている。
スリープマスター

以前自己啓発書についてはこんな事を書いた。

よく言われることだがほとんどの自己啓発本は同じことを書いている。だから話題になったやつを1冊だけ買えば十分だ。
【雑記】意識低めな自己啓発書とのつきあいかた - 本しゃぶり

明確な境がどこにあるか知らないが、ビジネス書に関しても同じことが言える。だからあまりビジネス書を取り上げる気はしないのだが、今の俺には合っている内容なのでこれにした。みんな大好き時間術*1の本である。そしてこれを読んであらためて思う。時間はコストだな。


まとまって

この本における目的は「まとまった時間を取ること」だ。よく時間術系の本ではスキマ時間の有効活用について書かれることが多い。確かにスキマ時間をバカにはできない。塵も積もれば山になる、だ。しかし細切れの時間ではできないこともある。それは「考える」ということだ。考えるということはいわば積み木を重ねていくようなものであり、中断したらまた最初からやり直しだ。スキマ時間でやろうとしたらせいぜい2~3段程度の思考にしかならないだろう。

そして考え中の人間にとって最も厄介なのが中断されることだ。この中断による損失は中断していた時間そのものだけでは済まない。プログラマーに関してこんな話がある。

  • プログラマが一旦作業を中断すると,再開後にコード編集を開始するまで10~15分を必要とする。
  • メソッド編集中に作業を中断した場合,1分未満で作業を再開することのできたプログラマはわずか10%だった。
  • プログラマが連続した作業時間を確保できるのは,2時間のセッションが1日に1回程度である
    作業中断のコスト

プログラマーに限らずとも中断による損失はバカに出来ない。他の職種でも考えなくてはいけない場面というものは多々ある。仕事には作業的なものと創造的なものがあるが、中断で被害をうけるのは後者だ。創造的な仕事をしなくてはいけないと言われ始めて久しいが、そのためには中断されてはならない。なんとしてもまとまった時間を確保しなくてはいけないのだ。

貯金のように

「まとまった時間をとれ」と言ってもそう簡単に出来るものでも無いだろう。そこでこの本が提案する方法は貯金と同じように時間を確保するというものだ。とは言っても細切れの時間を貯めようというわけではない。「時間貯金箱」なんて都合のいいものは存在しないのだ。

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これ欲しい / ドラえもん (第16巻) (てんとう虫コミックス)より

貯金と同じようにというのは順番を変えろということだ。よくある貯金のコツにこういう式がある。
収入 - 貯金 = 支出
支出が終わって余った分を貯金するのではなく、先に一定額貯金し、余った分だけ支出に回すというやつだ。これを時間管理に当てはめろというのが筆者の主張になる。つまり 先にまとまった時間を確保し、それから空いた時間に予定を入れろということだ。タイトルにもある「サボる時間」というのはこの最初に確保するまとまった時間のことを指す。

この本の価値はある意味この発想に集約される。これ以外はこの発想を補佐するためのものにすぎない。時間分析などの具体的なテクニックや仕事の考え方などに関しては、他の時間術系の本でも見られるような内容だ。まあ、時間管理の方法なんてどうしても集約されていくからこれは仕方ない。逆に言えばこの本を買えば他の時間術系の本は買わなくて済むということだ。

ここまで読んで気になるのは「サボる時間をどうやって守ればいいのか」ではないだろうか。「せっかく予定として確保しても上司から仕事をねじ込まれたらどうしようもないのではないか」といった感じに。それに対しても筆者はちゃんと答えてくれている。それは「昇進して裁量権を増やせ」だ。マジかよと言いたくなるが現実的ではある。一応もう一つアドバイスがあり、それは「締め切りを聞いて後に回せ」である。こっちのほうがすぐに使える。まあ今度は仕事量の問題が出てくるだろうが……

なんかケチを付けるような書き方になってしまったが、発想は悪く無いと思う。後は各々が自分の仕事環境に合わせた方法で「サボる時間」を確保していけばいいのではないだろうか。

作業時間=マナ・コスト

ここからは蛇足というか感想なのだが、つくづく予定を立てるというのは、プレイするカードを選択するのに似ているなと思ってしまう。というのも俺は長らくMagic: The Gatheringにハマっていたせいか、限られたリソースを分配しようと考える時に時間をマナ・コストのように捉えている。カードの右上に描かれている数字とシンボルのアレな。

大体30分を1マナとして捉えるのだが、そのとき俺の頭のなかでは使える時間がマナのようにフワフワ浮いている。そして各タスクはカード化されて所要時間がコストになっているといった感じだ。3時間以上かかるタスクはフィニッシャー級の扱いである。そして今日はどの仕事からしようかと考える時は完全にメインフェイズ時のそれと一緒だ。

カードに例えるあたりなんか手遅れな感じもするが、この考えも時間管理の考えからすれば悪くないなとこの本を読んで思い始めた。なにせ考えはまとまった時間が必要というのが、マナ・コストの扱いと似ているからだ。基本的に1ターン(1日)で生み出されるマナ(時間)は決まっているし、余った分を次に持ち越すことはできない。そして支払いは一括で行わなくてはいけない。うん、すごく似ている。

そうなると時間術にもMTGの考え方を応用できるのではないだろうか。つまり、今使える分以上に時間がかかる仕事を実行するにはどうすればいいかという時、MTGのコストを踏み倒す方法を適応するのだ。まあいろいろな手段があるけど黒好きな俺としてはまず思いつくのがスーサイド。自分のライフを支払うことで何とかする方法だ。

グラスストーン ブラック(黒) 20個 ライフカウンター

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*1:武術、忍術、時間術って書くとなんか凄そう