本しゃぶり

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テプラ対ゴジラ / 本当に欲しいグッズとは

2016/11/06 公式の巨災対グッズについて追記

『シン・ゴジラ』の3回目を見た。

同じように何度も繰り返し見て、自分も巨災対の一員になりたい人に向けて書く。

そのテプラを貼ったら、君も巨災対だ!

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先に訂正しておく。俺はまだ2回しか見ていなかった。

最初、本気で『シン・ゴジラ』を3回見たと思っていた。しかし、どう数え直しても俺は2回しか見ていない。おそらく連日『シン・ゴジラ』記事を読むことによるゴジラの過剰摂取により、脳がもう一回余計に見たと誤認識したのだろう。きっと俺以外にも、自分が何回見たのか分からなくなっている人がいるはずだ。

さて、このようにゴジラ ゴジラ言っていると、やはりゴジラ関係のグッズというものが欲しくなってくる。あまりグッズを買うことのない俺でさえ、しまむらのゴジラ対エヴァンゲリオンTシャツを買い、さらには『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』を注文してしまった。

しかしながら、何かが足りない。そしてそれは公式グッズでは満たされない。

本当に欲しいグッズ

本当に欲しいグッズは公式に無い。こう思っていたのは俺だけではないようだ。

分かる。実によく分かる。『シン・ゴジラ』の世界に浸るために、あの世界にあるものを欲するのだ。身も蓋もない言い方をすれば、これは「ごっこ」にすぎない。しかし、それで日々のモチベーションが上がるのであれば、良しとすべきである。特にこの作品は「仕事」に向かえる気にさせてくれるのだから、なおさらだ。

では、どのようなグッズが望ましいのだろう。俺は以下の3点を満たすものであると考える。

  • 実用性が高い
  • 隠密性がある
  • 手頃な値段

まず日常的に使いたいので実用性の高さは必須である。次にある程度の隠密性が欲しい。仕事とかで使おうと考えたら、あまりにもデカデカと「巨災対」とか書かれていては困る。やはり知らない人には普通のものだが、知る人が見れば分かる、というものがいい。そして最後に当然のごとく値段である。

とはいえ、こういったグッズを公式に期待するというのは、酷というものだ。なぜなら人によって何が実用的かは異なる。さらに実用性を重視するほどに、それは既存の製品と比較されることになる。そうなると版権料がゼロであったとしても、ロットの関係からコストは上がり、割高な製品となってしまうからだ。

だが、諦めるのはまだ早い。そんな人のためにあるのがプロダクト・プレイスメントである。


ここから追記

公式から登場

なんてことを書いていたら、いつの間にか公式からこのようなグッズが販売されるようになった。

シン・ゴジラ 巨災対 ツールボックス

シン・ゴジラ 巨災対 ツールボックス

  • グルーヴガレージ(Groove Garage)
Amazon

ツールボックスにコンテナである。やはりこれだけの需要を公式も無視できなかったのだろう。しかもこの商品、俺の挙げた3要素を満たしている。価格についてはそうも言えないように思うかもしれないが、そんなことはない。

例えばコンテナだが、これはサンコー製である。この巨災対コンテナに一番近いのは「サンクレットオリコンP41B」である。

[asin:B01CXGY1SA:detail]

これはamazonで現在6,215円で売られている。一方、巨災対コンテナは定価で7,020円。今ならamazonで6,396円となっている。ほとんど変わらない値段なのだ。

さらに感心してしまったのはその設定である。劇中での巨災対は急遽作られた組織であり、このような備品を用意する余裕は無かった。そこでこれら製品は「ゴジラ凍結後の巨災対の備品」という設定になっている。ちゃんと物語の流れに沿っているのが素晴らしい。

公式でこのようなものを出されてしまったら、この記事の意味は無くなってしまう。それでも気にしないという人は続きを読むといい。

ここまで追記


プロダクト・プレイスメント

プロダクト・プレイスメント(Product Placement)とは、広告手法の一つで映画やテレビドラマの劇中において、役者の小道具として、または背景として実在する企業名・商品名(商標)を表示させる手法のことを指す。略してP.P.(もしくはPP)ともいう。
プロダクトプレイスメント - Wikipedia: フリー百科事典(2016/08/21 15:34 JSTの最新版)

以前このブログで取り上げた、アイアンマンのリュックがまさにこれである。

これならば実用性、隠密性、そして値段と、全ての要求を満たしている。なぜならば作品と関係なく作られ、販売しているからだ。

ちなみにプロダクト・プレイスメントはメーカーと契約を結んで行われるが、アニメの場合だと実物ではないため勝手に登場させることも多い。岡田斗司夫によると、無許可で実在の製品を積極的にアニメで登場させるのは、庵野秀明の初監督作品である『トップをねらえ!』が最初であるらしい。

あと『トップ』がやったちょっとヘンテコな実験っていうのは、実在のメーカーの製品を積極的に描いていくってことです。それまでアニメ業界がなぜか避けてたことで、僕らはそれが割とイヤだったんです。


で、『トップ』以後はアニメ業界でも、ごく普通に実在の商品名やブランドとか画面に出せるようになったんですね。
アニメの教科書 上巻: 岡田斗司夫の『遺言』より

例の秋山殿リュック*1の凄いところは、実在の製品をモデルとしたものを作中に登場させながら、その後に公式グッズとしてリュックを販売したところにある*2

話を『シン・ゴジラ』に戻そう。この映画でも多数のプロダクトプレイスメントが行われている。だからといってデュポンのタイベック防護服や3Mの防毒マスクを買うというのはハードルが高い。

そこでお勧めなのがキングジムの製品である。

[asin:B001P9JAJ2:detail]

これならば実用的で隠密性もあり、安価である。もちろん仕事場で使うのも簡単だ。すでに仕事で使っている人も多いだろう。

ただしこれらには一つ難点がある。それはあまりにも日常的すぎるということだ。劇中同様の格好をしても、仕事中の人にしか見えない。

これでテンションを上げるには、かなりの想像力を必要としてしまう。

この問題を解決するのがテプラである。

テプラ対ゴジラ

《テプラ/TEPRA》とはキングジムが製造・販売しているラベルプリンターである。

「テプラ」PRO | 商品情報 | ファイルとテプラのキングジム

つまり、このようなことが出来るのだ。

https://twitter.com/TOMO_NYAN/status/766815158433820672

このTweetを見た時、先に言われてしまった、と思うと同時に、自分の考えの正しさが証明された、とも思った。ゴジラを倒したのはテプラである、と。

テプラの何が素晴らしいかというと、そのリアリティにある。巨災対ではどのような備品が使われているだろうか。巨災対は急遽立ち上げられた組織であるため、そこにあるものは全て他のところからかき集めてきたものである。したがってそれらには最初から「巨大不明生物災害対策本部」と印字されているはずがない。間違いなくテプラを貼ることで、巨災対の備品としたはずだ。つまり、テプラでラベリングすれば、それは巨災対の備品となるのである。

この「ラベリング」という行為は、ある意味『シン・ゴジラ』を象徴するものであろう。それもゴジラに立ち向かっていった人間たちを。この作品の主要人物は必ずラベリングされている。最初に登場する時はもちろんのこと、肩書きが変われば、その都度字幕が表示される。しかし、彼らの外見が変わるわけではない。あくまでもラベルが変更されるのだ。

一方でゴジラは逆である。その外見は複数回にわたって大きく変化するにも関わらず、ゴジラがラベリングされることは一切無い。なぜならばその姿形が全てであり、説明の必要が無いからなのである。そして何より今回のゴジラは巨大“不明”生物なのだから。

従ってこの作品は、ラベリング「された者」と「されない者」の戦いであると言える。だからこそラベリングされず姿形が変化するゴジラに対し切り札として投入されたのが、見かけはそのままにラベリングされた無人在来線爆弾であったのだ。まさしく「現実 対 虚構」とは「テプラ 対 ゴジラ」という訳である。