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TOEIC300点で行く海外一人旅

TOEICは就活で最低600点は必要とされ、まともに英語使えるとみなされるのは900点以上なんて聞く。
では300点なら何ができるか。

一人で海外に行って帰ってこれる。

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2014年 インドのニューデリーにて

経験者として語る

海外への一人旅というものをしてみたいが自分にはできない、と思っている人は多い。その理由は人によって異なるだろうが、俺が一番もったいないと思う理由は「英語ができないから」というのだ。目的や行動によって変わるとはいえ、ちょっと聖地巡礼するぐらいなら英語力はそれほど必要ない。俺がその証拠である。

あまり自分のできなさ具合を堂々と言うのは気が引けるが、俺は英語ができない。具体的に言えば最期に受けたTOEICが300点台だったぐらいだ。しかしそんな俺でも一人で海外に何度か行っている。なのでその方法を教えよう。

この記事の対象

方法を語る前に、この記事が対象とする読者について書いておこう。

  • 海外一人旅をしてみたい
  • でも海外に行ったことは無い
  • 行ったことのない理由は英語ができないから

この「英語ができない」というのは記事タイトルにあるように、TOEIC300点程度を想定している。つまり “How are you?” という質問に対して、どんなに疲れていても ”I'm fine, thank you. And you?” と即答できる程度の英語力は必要ということだ。

一応対象について書いたが、もちろんこの対象から外れていても読む価値はあると思う。ということで本題に入る。

意識を変える

まずは意識を変えるところ、思い込みを捨てるところから。いきなり精神論というのもどうかと思うが、これが重要なのである。正直これだけでいいくらいだ。

機会費用

もしあなたが英語を不得意とするのであれば、自分でも気が付かないうちに得をしている。その他の条件が同じであるならば、英語ができる人よりも英語ができない人の方が利益を得ているからだ。その利益を今こそ使うと考えよう。

「機会費用」という言葉がある。

機会費用は、希少性(使いたい量に対して使える量が少ないこと)によって迫られる選択に際して生じる。「そのことをすると、他のことどれだけ犠牲になるか」計算するものを機会費用(機会コストとも言い)と呼ぶ。つまり、一つのことをすると、もう一つのことするチャンスがなくなることである。
機会費用 - Wikipedia: フリー百科事典 2016/02/27 12:58 JSTの最新版)

英語を取得するためにはそれなりの時間をかける必要がある。さらに教材や英会話スクールを利用すれば、さらに金を費やすことになる。だが、英語ができないあなたは、その時も金も使わずに済んできたのだ。その金額がいくらになるのかは求める英語力によるだろう。ただ目安として、TOEICで100点上げるのに200~300時間の勉強がいるという話がある*1。時給1000円としても、時間だけで20万〜30万円の投資だ。英語ができると旅行中の費用を抑えられやすいが、これだけの金額を数回の旅行で取り戻せるとは考えにくい。多少の追加費用を気にするよりも、行けないまま人生が終わることを気にするべきだ。足りない英語力は金で補える。

低い閾値

英語ができないと分かっているなら、できないなりの目標にするべきだ。それでも行く価値はある。

どうもここ最近の風潮として、「海外へ行って観光地へ行くのはダサい。現地の人達と交流してそこでしかできない体験をすべき。」というのがある。アレを真に受けてはいけない。はっきり言ってアレは、普通の旅行に飽きた海外旅行強者向けの話である。海外へ行ったことの無い人ならば、マクドナルドで注文するだけで立派なクエストだ。俺が初めて一人旅をした時は、一人で道路を渡れただけで達成感を感じた。

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2013年 ベトナムのホーチミンにて

時計台へ行くにはここを渡るしかないが、信号は無いためクルマとバイクの濁流を突っ切って行く。最初はいくらなんでも無理だと思っていたが、現地人にくっついて行くうちに一人で渡れるようになった。

海外旅行強者はこの程度のことなど日常茶飯事なので、いちいち言及しないし気にすることもない。だからいろいろ難易度の高い話をしたがる。だが海外へ行ったことのないあなたなら違う。道路を渡れるとか水を買うといった、日常的なことを目的にするくらいの感覚で行こう。それでも非日常そのものである。そしてそれくらいなら求められる英語力も大したことはない。

道具に頼る

英語ができないのであれば、何かでそれを補う必要がある。金が万能であるのは間違いないが、適した道具を使って安く済ませられるならそのほうがいい。なので俺の経験から英語力を補ってくれる道具を紹介しよう。

ポケット電卓

電卓は最強の翻訳機である。完璧な数字の伝達が可能になるのだ。

旅行では買い物を始め、数字のやり取りをすることが多い。しかしTOEIC300点程度の英語力では、数字さえも聞き取ることが難しい。それどころか、よく聞いてみたら相手がそもそも英語を話していなかった、なんてこともある。また、お互いに認識していた数字が異なっていたら、会計時にトラブルになるかもしれない。

そこで電卓の出番である。電卓に表示される数字は万国共通なので、お互いが正しく認識できる。しかも使い方も相手に教える必要が無い。あと電卓には計算機能があるため、まとめ買いの時や両替時にも大活躍だ。

電卓機能はスマホにも搭載されているが、別に用意した方がいい。それも上に貼ったような「小型」「シンプル」「安価」であるものが望ましい。翻訳機として電卓を使うためには、見ず知らずの相手に電卓を渡す必要がある。スマホを渡してそのままパクられたら悲惨だ。また使い方がわからなくてまごつかれても面倒である。なので失っても痛手が少なく、使いやすい電卓にすべきだ。

紙のガイドブック

電卓にできないことをだいたい補ってくれる。そして紙である理由も電卓とほぼ同じだ。

さらに言えば、バッテリー切れの心配が無いことと書き込むことができるという点も大きい。旅行に不慣れであると、ガイドブックの情報は何度も旅先で参照することになる。外出しっぱなしになることも多い中、スマホだといざという時にバッテリー切れとなる危険性がある。写真をスマホで撮ろうと考えているならばなおさらだ。また、紙であるためにちょっとしたメモを書いておくこともできる。行きたいところの情報は、メモ帳よりも紹介ページに直接書き込んだ方が便利だ。

ガイドブックは自分が見るだけでなく、人に見せるのにも使える。行きたい場所がある時、口頭で説明するよりも紹介ページを指で指した方が確実だ。少なくとも『地球の歩き方』ならば、日本語とその国の言葉が併記されている上に写真もあるので相手も分かる。万が一、病院に行くことになった場合でも、ある程度は指差しで症状を伝えられるのもいい。

ガイドブックのデメリットとしては、自分が旅行者であると周囲に宣伝してしまうことである。しかも慣れている人になら、金を持っていそうな日本人であるな、とまで。インドで切符の買い方が分からなかった時、俺はこの方法で日本人を見つけ出して話しかけた。そいつとは3日後にベナレスで別れた。

ボールペン

ペンは海外旅行にもともと必須である。それでもあえて言おう。ペンを手放してはいけない。

百聞は一見にしかず、という言葉は互いの言語が通じない時に実感する。例えば道順を教わる時、TOEIC300点のリスニング力はこんなもんだ。“ゴー ストレイト”は分かったぞ、と。そして何となくサンキューと言ってまた彷徨うことになる。ここで取るべき行動は、ガイドブックの地図に行き方を描いてもらうことであった。地図が載っていなければメモ帳に描いてもらう。そうすれば何も問題は無かった。

相手から情報を受け取る時のみならず、こちらから情報を出す時にだって使える。日時なんかを伝えたい時は電卓の話と同様に、アラビア数字で書けば間違いなく伝わる。それ以外だと後は絵で頑張れ、と身も蓋もないアドバイスになってしまう。と言っても旅で行うコミュニケーションにおいて、数字でもなくガイドブックにも載っていない内容などそうそう無い。

ペンの種類は黒か青のボールペン。そして無くしても大丈夫なように、安いやつを複数持っていくようにするべきだ。ここでもまた、相手に渡すこともあることを前提に考える。

超実践的英会話

いろいろと道具を用意しても、ある程度は英語を話す必要が出てくる。そこで、TOEIC300点レベルでも使える、実践的な英会話を教えよう。これさえ覚えたらもう大丈夫。

お金を使う時

現地人との交流をしないのであれば、一番英語を使うのは買い物などのお金を使うときである。そこで覚えるべきはこの言葉だ。

How much?
(これはいくらですか?)

これは挨拶である。国によってはこの後に値段交渉となるが、そこで英語を使う必要は無い。あなたは持っている電卓を差し出すだけでいいのだ。そうすればこの翻訳機を使って交渉に移ればよい。納得できる値段になったら財布を取り出そう。気に入らない結果ならば、渋い顔をして立ち去る。これで終わりだ。

もう少し英語ができる人は

Oh, expensive!
(高すぎるので安くしてください)

値段が高いと思ったらこう言おう。そして電卓を叩く。ちなみに安いと思った時は交渉の必要は無いため、何と言うべきか覚える必要は無い。

宿に泊まりたい時

現地で宿を探すのは一人旅の醍醐味であるが、そのハードルが高いと感じる人は多い。しかし、これさえ覚えたらもう大丈夫だ。

One night OK?
(一晩泊まりたいのですが空いていますか?)

宿に入ったらまずこう言おう。この時、指を1本立てて語尾を上げるのがポイントだ。そうすれば宿の人は察しがいいので、泊まれるかどうか教えくれる。だいたい“OK”が発言に入っていたら泊まれると思っていい。そしたらすかさず“How much?”と聞くのだ。後はもう教えたとおりだ。

このフレーズは非常に応用性があり、最初を替えるだけで何泊にも対応できる。つまり、“Two night OK?”ならば2泊となり、“Three night OK?”ならば3泊となるのだ。

もう少し英語ができる人は

Single room one night OK?
(シングル・ルームに一晩泊まりたいのですが空いていますか?)

コミュニケーションに自信が無いならば、ドミトリーは避けておこう。ちなみに“single room”と“one night”はどっちが先でも伝わるので、ど忘れしても慌てる必要は無い。

目的地へ行きたい時

次に聞きたいことは、目的地への行き方だろう。これは少々高度な英会話となるが、万能なフレーズであるので頑張って覚えてもらいたい。

I want to go to this.
(私はここに行きたいです。)

これは単体で使ってはいけない。必ずガイドブックとセットで使うこと。言いながら行きたい場所を指し示すのだ。そうすれば相手に伝わる。このフレーズは主に2つの場合に使える。行き方を知りたい時と、代金を知りたい時だ。前者はセットで紙とペンを出す。そうすれば相手は行き方を教えてくれる。後者は切符を買う時やタクシーに乗る時である。その場合は続けて“How much?”と言って電卓を出そう。これでどこにでも行ける。

もう少し英語ができる人は

I want to go to this. This route OK?
(私はここに行きたいのですが、この行き方であっていますか?)

行き方を知っているが、確認をとりたい時はこう言おう。

終わりに

はてなブログを始め、ネットにはTOEICで高得点を取るための記事が多くある。しかし、TOEICで点を取れないまま何とかする、という記事は少ない。そのため英語ができないし、勉強をする気も起きない人は全てを諦めなくてはいけないようにすら思えてくる。しかし、それは間違っている。確かに英語ができたほうがいいに決まっているし、英語力がないと始まらないこともあるのは事実だ。だが、英語ができなくとも、やれることがあるのもまた事実である。それを伝えるためにこの記事を書いた。

かつて俺は英語ができるようになったら海外一人旅をしようと思っていた。しかし気がついたら英語ができないまま年をとっている。そこで俺は考えた。順番を逆にしよう、と。先に海外一人旅をしてから英語を学ぶことにしたのだ。こうして俺は世界へと旅立った。そこには日本では見られない光景が広がっていた。

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2013年 ヨルダンのペトラ遺跡にて

次はあなたの番である。

続き

これまでの海外聖地巡礼記事

ヨルダンへ初の海外聖地巡礼。

リアルタイム巡礼として酷暑のインドへ。

ヒストリエを再現するためにバスで走り回る。