本しゃぶり

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【書評】ガッチャマン見てノートを手に取る / “あなたを天才にするスマートノート”

きっかけ

うつうつしたから

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ガッチャマン クラウズOP より

ガッチャマン面白いよガッチャマン。1話から旧シリーズを置き去りにするような展開と演出を見せ、ブロガーにネタを供給してくれるこのアニメ。俺もこのアニメをネタに何か書きたいと思っていた。3話にて作品内SNSであるGALAXによって行動を起こす人々が描かれたらそれに合わせるがごとく現実世界でパーナ騒動が起きた。うっかり「ガッチャマンVSパーナ」とか書こうかと思ったが、グダっていたら脳髄にアイスピックが刺さって死んだ。紀元前の作品を今更レビューする人間に時事ネタは無理だった。

そんな感じで見ていたら連想が働く。「『NOTE』ってモレスキンっぽい」「モレスキンの例ってオシャレなのが多いよな」「それに対して俺のノートは書き殴られていて雑」「元々スマートノートを読んで始めたものだから仕方ない」そして気になって読み返すといろいろ気がつく。書き始めて2年以上経ったしこのノート術を評価するタイミングとしては悪くない。というのも世の中に仕事術的な本は腐るほどあふれている。それにともなってレビューも多々見受けられる。しかし、しかしだ。この手の本に関しては発売されて即レビューというのは間違っているのではないだろうか。その本がクソかどうかは読んですぐに分かるだろう。だが、その仕事術そのものが優れているかどうかは読んですぐに分かるだろうか。実際にやってみて、身についてから効果が出るまで暫くかかるのではないだろうか。途中で挫折する人も多いだろうし、そもそも実践すらしないということだってあるはずだ。少なくとも俺はよくある。ならばこのスマートノートに関しては発売されてから2年以上が経った今こそ価値が分かるはずだ。この本が出る前から岡田斗司夫の周辺の人間はやっていたかもしれないが、多数の人間はこの本を読んでからだろう。だから今この本について書くのだ。

以上がレビューするきっかけ。この本を買ったきっかけは天才になると書いてあったからだ。それだけ。


内容とか

目的

この手の本には目的がある。ノート術にかぎらず整理術とか仕事術とか人心掌握術などのちょっと意識高い系の本だ。この本の目的はシンプルだ。「天才」になることだ。タイトルにあるから馬鹿でもわかる。この本では天才を以下のように定義している。

「天才」とは、以下の3つの能力を兼ね備えた人です。
1)発想力
2)表現力
3)論理力

コレを一人の人間が持ち合わせていたら「天才」らしい。実にシンプルだ。割合は数万人~数十万人に1人ぐらいと書いてある。日本には1000人ぐらい存在しているらしい。そんな存在になることがこの本の目的でありノート術が手段なのだ。恥ずかしげもなくこんなことを書いちゃうのってどうかと思うが、買う奴はもっとどうかしている。

ノート術

さてこの本のメインコンテンツであるノート術について。自分の経験を踏まえた上で解説と評価してみる。

段階という概念

このノート術には特徴がある。それは段階(フェーズ)があるということだ。ここで言う段階とはその人のレベルに合わせてやることが違うということだ。ノート術とか手帳術の類にはあまりない手法だ。大抵は筆者が獲とくした完成形しか書いていない。で、読者=初心者が挑戦して挫折する。そんな人間のためにまずは簡単なことからやるようになっている。こんな流れだ。

1.5行日記(行動記録)……基礎
2.今日はどんな日?(行動採点)……基礎
3.毎日いち見開き(論理訓練)……論理力・表現力
4.見せてお話(表現訓練)……表現力
5.臨界突破(脳内リンク開始)……発想力
6.知識→教養→見識(統合)……統合的人格
7.世に出る(私によれば世界は)……自覚と覚悟

これは思った以上に効果的だった。飽きっぽい俺でも続けられる。上でも書いたが2年以上続いている。その結果がコレ。

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最低でも1日1見開きなので消費多い。とは言ってもたかが知れてる。同じ紙でもカードに比べれば1枚あたりめちゃくちゃ安いから負担にはならない。シングル買いとかないし。

見開きで使う

上でさらっと書いたがこのノート術では左右のページをセットで使う。左綴じのノートであえて右ページから書き始める。基本的にはなんでも右に書く。左の使い方は数種類載っているが具体的な使い方はあまり重要じゃない。重要なのは本来埋まっているべき場所が空いているということだ。人間はスペースが空いていると埋めたくなる。楽天とかを見れば実感する。この埋めたくなる心理が左に余計なことを書かせ、そこからアイデアが生まれるという理屈だ。そして使い方はどうあれ、左には「面白いこと」を書くことが大事だとしている。他のノート術系の本では見たことが無いが、これは大事。おもしれえってのは大事なことだとロアナプラでも聞いた。

で、実際のところ右から書けば左は埋まるのか。

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埋まらない。もちろん埋まる日もある。埋まらない日の方が多いけど。それでも挫折しないだけマシということにして次のページに進んでいる。左に書いた中から面白いことやアイデアが生まれたかというと…… それについては後述する。ちなみに左下に書いてある時間は起きていた時間。毎日メモってる。

失敗したところ

ノートを書くという行為自体は続いていたが、やっているうちに正しいやり方を結構忘れていた。その結果うまくいかなかったところが2点あるのでそれを紹介する。

1. 資料のノートを別に用意しなかった

このノート術は思考を広げるノートであるので資料があっても邪魔になるだけである。従ってプライベートや仕事で分ける必要は無いが、資料としてのノートは別に用意しろと書いてあった。しかし、そのことを忘れていた。スマートノートは毎日持ち歩いているので忘れたら困ることもどんどん書いていき、資料としての役割も果たすようになった。するとどうなったか。1日2ページ使うので少し前に書いたことがあっという間に過去のものとなってしまう。見返す必要が出た時に、そのことが書いたノートは2つ前ということもザラだった。そして結局ノートを分けることにした。このノート術は見返す前提の使い方には向いていない。

2. 左の役割を忘れた

左を空けておくことに慣れた結果、左の使い方を完全に忘れた。その結果が先ほどの写真である。そして左は右に書いた内容の続きを書くだけのものとなった。もしくは起きていた時間をメモる場所。

まとめ的な何か

何だかんだ書いてきたが、このノート術は続けられるという点だけでも優れていると思う。今では毎日ノートを書くというのが完全に習慣化しているし、何か思ったことや悩み事があったときはノートに書いて頭を整理させている。このノート術を始めて最初に出る効果が「気が楽になる」というものらしいが、これは本当。やはり自分の考えを文字で見ることで客観的になれるからだろう。

今回この本を読みなおして驚いたことがある。それはいろんなことが書けるようになるまで2年はかかると書いてあったことだ。そして段階の最後が「世に出る」つまり人に話したりブログを書いたりすることだ。ノートを書き始めて2年と4ヶ月。タイミングあってる。正直なところまだ5~6の段階にいる気もするが、やりたくなったのだからしょうがない。少なくとも進歩はしているだろう。 この本では、主体性とも言える「脳内世界」を持つことが重要だと書いてある。それが「現実世界(リアル)」と「電脳世界(ネット)」という2つの世界で自己を保つのに必要なのだと。特にネットが広まったことによって何者でもない個人の存在価値は昔より低くなっている。SNSが一般化した今はなおさらだ。その必要である「脳内世界」を形成するのにスマートノートが役立つというのが主張だ。自分の思考を形にしたノートを手にSNSが蔓延している世界に立つ。これってガッチャマンクラウズの構図じゃね。きれいにまとまった。


こんな人におすすめ

  • 天才になりたい人
  • 自分のノートが欲しい人
  • うつうつしている人

名前的にも見た目的にも紹介するならコレしかなかった