コメントがついていた。
青木
いつも楽しく拝読しています。私も権利があると考える必要が無いという点で同様の考えですが、人間以外の種の存続については、人間には義務があると考えますか？とくに人間がその原因になっていることが割と明らかな場合に、です。 人間には他の種を絶滅させる権利があるのかどうか、ということですが。 もしお考えがあれば教えてください。
というわけで答える。義務も権利もない。なぜなら人間とその他の生物との間には一切の契約がないからだ。
ルールは人間が決めている
やってはいけないとされていることは世の中に色々とある。大きい範囲では「人を殺してはならない」というのがあり、狭い範囲では「点差が開らくと盗塁しない」*1などがある。そして全ての「やってはいけないこと」というのは言うまでもなく人間が決めたことであって、自然界に元々存在していたものではないし、ましてや神が決めたことでもない。
この「人間が決めている」ということについて忘れている(もしくは気がついていない)人は結構多いように思える。最初に書いた「人を殺してはいけない」というのもそうだし、日本人の好きな「食べ物を粗末にしてはいけない」というのもそう。ほぼ全ての文化で禁忌とされている「近親交配(近親婚)」*2ですら人間が禁止としているに過ぎない。この近親交配は人間以外の生物も避けようとするが、これは倫理的に禁じられているからではなく、交配のメリットが得られないからやらないだけだ。
というわけでまずルールというものは人間界に存在しているが、自然界には存在していない*3ということをはっきりさせておこう。
まだ交渉していない
というわけで「人間は自然を守らなくてはならない」とか「動物たちにも生きる権利がある」というのも人間が勝手にそう言っているだけで、そのようなルールが自然界に存在しているわけではない*4。もし他の生物の権利というモノについて考える情況があるとすれば、人間と交渉できる生物が現れた時だろう*5。
例え見た目がエビみたいな相手だとしても / 第9地区 (字幕版) より
さらに言っておけば既存の他の生物は人間の権利について何も認めていない。少なくとも「権利を認めた」とメッセージを伝えたという話を俺は知らない*6。
得な方を選べ
さて、ここまで読んだところで頭に血が上りやすい人間は俺のことを動物虐待バンザイな人種と決めつけているだろう。残念ながらそんなことはない。たとえ地獄に落ちたとしても直径1cmの蜘蛛の糸*7が降りてくるくらい*8生き物には優しい。ついでに言っておけば他の生物を滅ぼすのは出来る限り避けたほうがいいと思っている。だがそれは倫理的にどうとかではない。人間にとってそのほうが都合がいいと考えているからだ。
俺が生物を滅ぼさないほうがいいと考えている理由をまとめると以下になる。
- 生態系は複雑系である。
- 滅んだ生物を復活させるのは非情に困難である。
- 人間は現在の生態系で成り立っている環境に適応している。
行うことでどうなるかも分からず、もとに戻すこともできない。そして今の状態に合わせて予定を立て、行動している。それなのに滅ぼすことを選択するなんてどうかしているとしか思えない。人間にとって有害な種ですら例外ではない。ニホンオオカミを滅ぼした結果がこれだ。
猛威を振るう害獣達 / さばげぶっ！7話より *9
したがってよくわからない倫理観による義務などではなく、純粋に損得な理由で生物を滅ぼすのは止めた方がいい。
*1:アホらしい / ＜高校野球＞健大高崎は“暗黙のルール” を破ったのか | THE PAGE（ザ・ページ）
*2:日本は“いとこ”ならOKだから緩い方ではある
*3:強いて自然界にルールが有るとすればそれは物理法則や数学といったものだろう。
*4:もちろん動物に意識があるとしたら生きたいと思っているだろうが、人間がそれを尊重しなくてはいけない理由などない。
*5:そして人間の存在を脅かすことができればなおいい。
*6:強いて言えばペットが飼い主に対して示す態度くらいか。なら俺のペットに対しては認めてやってもいいかもしれない。俺ペット飼っていないけど。
*7:ジャンボジェット機も吊るせる
*8:俺はクモが部屋の中で巣を作っていても基本的に放置している。以前コバエが発生したがすぐにいなくなった。ふと天井を見上げた時に理由を知る。そこには天然のトラップが張り巡らされていた。
*9:農作物を荒らす直接の原因は餌が無くなったためだが、仮に餌が豊富にあったとしても天敵の消失によりすぐに餌は足りなくなり、農作物に向かってくるだろう。
