本しゃぶり

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有料定期購読マガジンに屈しました

noteで有料の定期購読マガジンを始めた。
この記事ではマガジンを始めた理由や運用方針について、本しゃぶりの内情を交えつつ説明していく。

定期購読マガジンはじめました

2週間前からnoteで有料の定期購読マガジンを始めた。

概要としては以下の通りだ。

  • 内容:主に最近読んだ本の感想、その他コンテンツの感想、ブログのこぼれ話
  • 分量:一記事あたり1,000文字前後
  • 頻度:目標は週に5回、最低でも週に2回、実績は毎日 → 2023年5月から週に5回
  • 料金:マガジン購読は500円/月で初月無料、単記事は100円で返金申請を受け付ける*1
  • 理由:金

始めた理由を端的に言えば「金」の一文字となるが、それは誰もが同じなので情報量は0に等しい。なのでこの記事では、なぜ今さら定期購読マガジンを始めるに至ったのか、この「本しゃぶり」の扱いはどうするのかなどについて書いていく。俺は多くの人に購読者となってほしいが、それは納得の上で決めてほしいと思っているので。

読者ファーストで考える

ネットでの活動でもっと金を稼ぎたいと思ったのは、今に始まったことではない。このブログを書いていてずっと思い続けたことである。しかし、金になるなら何でもするというのは、違うと考えていた。ブログを続けるほどに、読者ファーストで考えるべきであろう、と。

まず理念の観点から言えば、クソみたいな記事を書きたくないというのがある。そもそも俺が「本しゃぶり」を始めた理由の一つは、「クソみたいな記事がホッテントリにあるのが気に食わない」ためだ。単純に not for me なら許せるが、興味のあるジャンルで低品質は腹が立つ。「こんなのがブクマされるなら、俺が書いたほうがマシ」そう考えてブログを始めたのだ。ゆえに俺基準でクソみたいな記事を作ってしまうと、当初の理念に反してしまう*2

実利の観点から言っても読者を、特に既存の熱心な読者のことを第一に考えるべきだ。「本しゃぶり」のスタイルは、検索よりもSNSで読者を獲得するタイプである。この場合、「読者を一人失って、読者を一人得る」となるのは、プラマイゼロではない。「80対20の法則」は、おそらくブログにも言えるからだ*3

Lord Belbury, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons, Link

少数の優良読者が売上の多くを占める*4。このような状態で読者が一人離れたらどうなるか。運悪くそれが優良読者だった場合、売上はガクッと減るだろう。対して新しく獲得した読者は、最初から気前よく買ってくれる可能性は低い。優良読者というものは、信頼を積み重ねたことで生まれるからだ。そのため新規読者を獲得する以上に、既存の読者を失わないことを優先すべきである。

では読者ファーストで考えた場合、ブログの収益を上げるためには何ができるだろうか。

収益を増やす手段の検討

ブログから直接得る収益を上げる方法は大きく分けて2つある。PV単価を高めるか、PVを増やすかである。

PV単価と広告

まずPV単価を高めようと思った時にぶち当たるのが、役立つ広告が少ないということだ。例えばGoogle AdSenseは、俺にとって役立ったことは無い。長くネットに触れているが、意図的に踏んだことは一度も無いと断言できる。

なので長い間このブログにはGoogle AdSenseを貼っていなかったのだが、知り合いが「俺はそれなりに踏むことあるよ」と言っていたので、役に立つ人もいるのならと今は貼っている。ただし記事の途中に出てくるのは気に食わないのでスマホ版は上下だけだし、自分がよく見るPC版はサイドバーと下部のみにした上でセルフブロックしている*5

他に使えない広告といえば、クローズドASPがある。招待されたので登録してみたが、どの案件も俺が使ったことのないサービスであるし、使いたいとも思わない。そんなものを読者に紹介できるか。同様の理由で広告案件が来たことも何度かあるが、全部断っている*6

結果として、俺はAmazonアソシエイトをメインに使っている。Amazonのリンクは俺も日常的に踏んでいるし、実際に試して良かったものだけを紹介することができる。しかし、Amazonで商品を売るのがメインの記事ばかりになるのも避けたい。例えばこの2記事の結果で考えてみよう。

この2記事は本しゃぶりにおいてPV1位と収益1位なのだが、以下のような関係にある。

読まれた記事が儲かるとは限らない

PVで言えば「恋柱」は圧倒的なのだが、収益の観点ではカスである。もし収益のことだけを考えるのならば、こんなコスパの悪い記事を書くのはやめ、Kindleセール紹介記事を増やすべきだ。しかしそのような配分を読者は求めていないだろうし*7、俺も書いていて面白くない。

ゆえに今の方針を維持するのであれば、PV単価を増やす手段をあまりないように思える。なのでPV単価を上げるためにやってきたことは、本の魅力がより伝わるように書くことだけだ。

PVを伸ばすには

ブログのPVを増やす方法は主に2つある。検索エンジンからの流入を増やすか、SNSからの流入を増やすか、である。本しゃぶりは検索エンジンを捨て、SNS狙いに特化している。もともとブログを始めた動機の一つが「ホッテントリをマシにする」なのだから当然である。それに記事にもよるが、本しゃぶりのスタイルは検索向きではない。

本しゃぶりでは度々アニメをネタにした記事を書く。こういうやつだ。

人は何かを調べたくて検索する。『明日ちゃんのセーラー服』関係の調べ物をしている人が上の記事を開き「俺が探していたのはまさにこういう記事だ」となる可能性がどれくらいあるだろうか。サジェストを見たところ*8、皆無と言っていいだろう。

この検索キーワードなら1位なのだが

では本命のSNS狙いはどうか。SNSからの流入を増やす方法も、主に2つに分けられる。フォロワーを増やすか、シェアを増やすか、である。

フォロワーを増やすというのは、当然Twitterのフォロワーである*9。俺のフォロワー数は約4,000なので、伸びしろはいくらでもある。どうすればもっとフォロワーが増えるかも見当がついている*10記事の内容を要約し、4枚の画像にまとめたものを頻繁にツイートすればいいのだ。いわゆる「図解」である*11

だが適切に要約して図にまとめるのは時間がかかる。間違いなくブログを書く時間は減るだろう。これはよろしくない。読者ファーストに反してしまう。

フォロワーを増やす努力が読者ファーストではない理由を図解しました

対してシェアされることを増やすのは、読者ファーストに適う*12。肯定的なシェアをされやすい記事というのは、基本的に「面白い」「役に立つ」ものであるからだ。そのような記事を書けば読者は喜び、PVも増える。しかも新たな読者を獲得できる可能性もある。素晴らしい。

この方針を目指すなら、はてブは優秀である。よく「はてブのPVは大したこと無い」なんて言われるが*13はてブは分かりやすいという利点がある。

1年ほど前の記事で書いたが、「はてブ経由のPV」「ブクマ数」には強い相関がある。

はてなブックマーク経由PV黄金時代とFACTFULNESS - 本しゃぶり

また、これも同じ記事で書いたが、はてブ経由のPV/ブクマ比は安定している。少なくとも本しゃぶりを始めてからはそうだ。

本しゃぶりにおける、はてブ経由のPV/ブクマの平均値推移

この2つのデータから言えることは何か。PVを2倍にしたければ、2倍ブクマされればいいである。これは実に分かりやすい。

ということで、読者ファーストで収益を高めるべく、はてブで連載することを目指してきた。しかしこれにも限界が訪れる。

はてブの限界

本しゃぶりの「四半期ブクマ推移」が以下である。

本しゃぶり四半期ブクマ推移

そろそろ成長に限界が来ているように見える。これが「四半期はてブ経由PV」だともっと顕著だ。

本しゃぶり四半期はてブ経由PV推移

もっとPVを増やすためには「PV/ブクマ」「ブクマ/記事」「更新頻度」のいずれかを高める必要があるが、今のスタイルでこれ以上は無理だ。

まず「PV/ブクマ」は論外である。これは俺ではなく、はてな社の役割だ。

次に「ブクマ/記事」だが、ブクマ数は一定以上になると運の要素が大きく、俺の手でコントロールできるようなものではない。ミュージックラボの研究を踏まえると*14、はてブの仕組みで毎回大ヒットさせるのは厳しいのではないか*15

そして最後に「更新頻度」だが、こちらも今のスタイルを維持したまま増やすのは厳しい。本しゃぶりの場合、PCに向かって執筆している時間は1記事あたり7±1時間といったところ。これで休日が1日潰れている。さらにこれとは別に、ネタ出し、調査、記事の構成検討に時間が必要だ。とてもじゃないが、これ以上は無理だ。

ということで、収益を増やす方法をこれまでの延長線上で考えるのはやめにし、別の手を打つことにした。

読者にお金を投げ込んでもらおう

定期購読マガジンの役割

読者から直接お金をもらうとしても、本しゃぶりを有料化するわけにはいかない。もともと無料のものを有料にするのは読者ファーストではない。

それに俺の規範にも反する。俺はインターネットにおいては有用な情報ほど無料で自由に利用できるべきだと思っているので、それなりの労力をかけたブログにペイウォールを施したくない。施したら俺自身が「本しゃぶりに価値は無い」と主張しているようなものではないか。

とはいえ「見返り」も無しにお金をもらえるとも思っていない。そこで本しゃぶりとは別に「見返り」を用意することにした。これがnoteの有料定期購読マガジン「骨しゃぶり書簡」である。

このマガジンは有用な情報を発信するためのものではない*16。この俺を応援するためのマガジンだ。本しゃぶりを「今のスタイルのまま書き続けてほしい」と思っている人に購読してもらいたい。

マガジンを始めることは、読者ファーストにも適う。第一に俺の収入が増えることで、より様々なことを気軽に試すことができるようになる。俺は自分が試してみて良かったことはブログで共有する。知見が増えることは良いことだ。

次に読んでいる本の感想を、コンスタントに出す場となることだ。すると理解が深まり、記事の品質も高まる。ちなみに前回の記事で書いたとおり、俺はブクログの感想を溜め込んでしまっている*17。そしてその対処方法としてこう書いた。

やはり本のような重たいコンテンツを読み終えたタイミングだけで書こうとするのが間違いなのかもしれない。読んでいる最中にも書いていく方が記憶に残るし気が楽ではないだろうか。ちょっとやり方を検討してみたいと思う。
2021年下半期に読んで面白かった本5選 - 本しゃぶり

この記事を公開した時、既に検討は完了していた。これが答えだ。

そして最後に、本しゃぶりに書くネタをテストする場ともなる。ネタが本当に求められているものかどうかは、実際に試してみないと分からないところがある。しかしいきなり力を入れて書いて、ハズレとなるのはコスパが悪い。だからまずは小さく試すべきだ。マガジンを書くためにはネタが必要なのでちょうどいい。

以上がマガジンを始めた理由だ。「応援してもいいな」と思う人はぜひ購読して欲しい。500円玉がチャリンと入れば、あなたの魂は清められて天国へ登る。既に20人以上を天国に送った。そして集まったお金で俺は本しゃぶりを書く。

来そうな質問に対する答え

教会の門に論題が張り出される前に回答しておこう。


Q なんでnoteなの?

A ブログ形式にお金を払う人が一番多そうだったので。なるべく新たにアカウント作らせる手間をとらせたくなかった。


Q お試しはできる?

A 初月無料なので、今入れば4月分は全部無料で読める*18。金がかかるのは5月から。


Q 返金対応はできる?

A 定期購読料は無理。記事単品なら24時間以内に「返金申請」を行なった場合に可能。詳細はnoteのルールを見て欲しい。
返金ルールとよくあるご質問 – noteヘルプセンター


Q 分量と更新頻度はどれくらい?

A 最初に書いたとおりこんな感じ。

  • 分量:一記事あたり1,000文字前後
  • 頻度:ほぼ毎日 → 2023年5月から週に5回

Q マガジンを始めたらブログを書く時間が減っちゃわない?

A 今までダラダラとネットをしていた時間を充てるので大丈夫。


Q note以外のプラットフォームではやらないの?

A 希望が多ければ検討する。俺をサポートするだけならcodocをやっている。記事の下やサイドバーに貼ってあるやつから投げ銭できる。

こういうやつ


Q どうするのが一番お得?

A noteの場合、事務手数料は記事を単品で買っても定期購読しても同じなので変わらない*19。違うのはプラットフォーム手数料で、記事単品 (有料記事) は10%なのに対し、定期購読マガジンは20%になる。それに定期購読料は500円/月でしかないので、俺を応援するなら毎回記事を単品で買ったほうが効率的。ただそれだと面倒なので、定期購読した上でサポートするのが最強。サポートのプラットフォーム手数料は有料記事と同じく10%だし。

もしあなたの言う「お得」が「少ないコストで有用な情報を得る」という意味なら、そもそも俺のマガジンを選ぶのが間違い。倍の金を払ったとしてもKindle Unlimitedを選ぶほうがマシ。例えば今なら俺が「2021年上半期に読んで面白かった本」に入れた一冊である『失敗の科学』が対象になっている。どう考えてもこっちの方が得だろ。


Q さすがに月額500円は高くない?

A 友達料の相場は月額3万円*20なので格安。


Q なんでマガジンの名前が「骨しゃぶり書簡」なの?

A 役割分担を考えた時に、本しゃぶりを福音書と位置づけたから。


Q この記事、定期購読マガジンの説明に入るまでが長すぎない?

A 最後まで読むような人じゃないと購読しないから問題ない 。


Q 次は有料サロンに屈しそう

A は? 俺は互助会を否定し、馴れ合いを嫌い、他のブログとの交流などブクマをした時のみである孤高のブロガーだぞ。この俺が屈するものか。

購読してね

*1:返金ルールとよくあるご質問 – noteヘルプセンター

*2:理念に反した記事が0とは言っていない。執筆当時はアリだと思っていても、現在の価値観ではクソというパターンはある。というかある程度古い記事は、今の俺からしたら読むに耐えない。

*3:きれいに80対20とはならなくても、少数の顧客が売上の多くを占めるという分布は、様々な分野で見られる。少々古いデータとなるが、日本の事例ではこのマーケティング分析がよくまとまっている。メディアミックスにおけるPower Law : 三部作完結編~そして積極的消費者へ~

*4:ここでは「売上」と書いたが、他の指標でも同様だろう。例えばブクマもそうである可能性が高い。ブクマのユーザー比率を調べたら、おそらく少数のユーザーの割合が多いだろう。ちなみに最もブクマしているのは俺自身だ。

*5:なので本しゃぶりに対してアドブロックを使うのは当然だと思っている。不要な情報は無いほうがいい。

*6:俺が使ってみて良いと思えたサービスなら、喜んで広告を貼るが。

*7:Kindleのお得な情報を求めている人はきんどうを見た方がいいよ。

*8:「明日ちゃんのセーラー服」のGoogleサジェストキーワード | ラッコキーワード

*9:これ→ 骨しゃぶり(@honeshabri)

*10:ニチアサ実況をやめる以外で。

*11:一時期ビジネス書を図解するのが流行っていたな。ビジネス本を「図解」してフォロワーを稼ぐ『図解クリエイター』が一部で流行っているらしい - Togetter

*12:シェアされることを狙うにしても、炎上するのはNG。

*13:実際「恋柱の記事」だと、はてブ経由のPVに対して、Twitter経由のPVは20倍以上ある。

*14:曲の人気は社会的影響に左右され、初期の僅かな人気の偏りが最終的に大きな差を生むことを示した研究。詳しくは→の記事を参照。『鬼滅の刃』大ヒットの理由が見つかることは無い - 本しゃぶり

*15:「え! それでも毎回4桁ブクマされる人がいる? だ、誰ですそいつはぁーッ 何者なんだぁー」「藤本タツキ…」

*16:有用な情報を発信するならペイウォールを剥がさないといけないので。

*17:前回記事を書いた時は26冊だったのだが、今は30冊になっている。

*18:記事執筆時点。

*19:コンテンツを販売する際に引かれる手数料 – noteヘルプセンター

*20:友達料とは (トモダチリョウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科