新幹線の速さは一体どれほどなのか。
気になったのでゾイドと比較することにした。
ドクターイエローが遅い問題
この記事を読んだ。
700系が引退するのに、700系をベースとした923形ドクターイエローは2020年度も運行を続けるというものである。車体寿命に達していないなら別にいいのではと思ったのだが、それが記事になるのには当然わけがある。その一つは最高速度の問題だ。
N700A、N700Sは東海道新幹線を最高時速285kmで走る。700系をベースとしたドクターイエローの最高時速は270kmなので、両者の速度差は時速15kmにもなる。
結局「ドクターイエロー」はいつまで走るのか | 新幹線 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
速度差があるため、ダイヤへの影響を懸念したというわけだ。
これを読んで俺は思った。「高速ゾイドの説明っぽいな」と。この300km/h近い速度の比較は、ゾイドバトルストーリーにいかにもありそうだ。
そこで新幹線とゾイドの最高速度を比較することにした。そうすれば新幹線の速度がどれくらいのものなのか、実感できると考えたからである。
新幹線とゾイドの速度比較
というわけで新幹線とゾイドの最高速度を比較していく。対象とするゾイドは基本的に陸戦ゾイドから代表的なものをチョイスした。特に俺が最もハマっていた1999年〜2001年辺りのを優先的に採用。また、スペックが大異変前後で異なる場合は後者としている。
200km/h以上、250km未満
このクラスは新幹線もゾイドでも旧式が多い。
200km/h
- サーベルタイガー
- イグアン
- ゲーター
210km/h
- 0系 (登場時)
- コマンドウルフ
220km/h
- 0系 (1986年から)
- 100系
- スパイカー
- ロードスキッパー
230km/h
- 100N系
- バトルローバー
240km/h
- 400系
- E1系
- E4系
- セイバータイガー
- ダークスパイナー
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並べてみて面白いと思ったのは、100N系とバトルローバーが似ているということ。
By Spaceaero2 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
100N系は国鉄分割民営化後に、100系を持っていないJR西日本が独自に製作した100系である。別名「グランドひかり」。「グランド」と言うだけあって100系より10km/h速い。
バトルローバーは共和国のオルニトレステス型24ゾイド*1。レッドホーンを陽動する時に使われる*2。帝国のロードスキッパー*3の対抗機種であり、後発機なため10km/h速い。
このように立ち位置や速度関係がよく似ている。おそらく偶然だろうが。
250km/h以上、300km/h未満
それなりに速いクラス。問題の923形ドクターイエローはここに当てはまる。こうして見るとやはり遅い。
250km/h
- シールドライガー
260km/h
- 800系
- E7系・W7系
- ジェノザウラー
- ガルタイガー
270km/h
- 300系
- 923形ドクターイエロー
- ガンタイガー
275km/h
- 200系
- E2系
- E3系
280km/h
- キングライガー
- レイズタイガー
- ムゲンライガー
285km/h
- 700系
- ライガーゼロ パンツァー
- シールドライガー DCS-J
290km/h
- シャドーフォックス
- ケーニッヒウルフ
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意外だったのは、比較的新しい800系*4やE7系・W7系*5がジェノザウラーと同じ260km/hしかない*6ということ。
By i北陸 (i Hokuriku), CC BY 2.1 jp, Link
しかしこれは技術の問題と言うより、採算の問題らしい。スピードを上げると線路設備も車両も消耗が激しくなるし、騒音・振動対策もより力を入れる必要がある。そうすると費用がかさむ。なので採算が取れる範囲でのスピードとなると、260km/hが限界という理屈である。
50歳の東海道より遅い北陸新幹線 「260km/hの壁」は破れるのか | 乗りものニュース
逆に想像以上に速かったのは運用開始1982年の200系。0系や100系の2Pカラー程度の認識しかなかったが、実は300系や923形ドクターイエローよりも速く、275km/hを叩き出す。
By spaceaero2 - 自ら撮影, CC 表示-継承 3.0, Link
当初の200系は営業最高速度は210km/hであり*7、設計最高速度もシールドライガーと同じ250km/hしかなかった。そこから様々な改造を施すことにより*8、最高速度を275km/hにまで引き上げることに成功したのである。サーベルタイガーがセイバータイガーとなり、長い間第一線で戦い続けたことを思い起こさせる。
他に見るべきところとしては、923形のベースである700系だろうか。
By Sui-setz - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
こちらは923系よりも少し速い285km/hである。そこそこの速度と言ったところだが、隣に並ぶライガーゼロ パンツァーのせいで遅く見えてしまう。
これはアニメの影響が大きい。元々パンツァーは、高速で接近し、陣地ごと吹き飛ばす火力を叩き込むという設定だった。しかし「この装備で高速戦闘は無理でしょ」ということで、アニメでは砲台と化したのだ。なので「700系はパンツァーと同じ最高速度」と聞いた時にアニメのパンツァーを思い浮かべると、非常にのろまな新幹線に思えてしまうわけだ。よって700系の速度を正しくイメージさせたいのなら「700系の最高速度はシールドライガー
300km/h以上、350km/h未満
300km/hを超えると「速い」と言っていいだろう。実際、現状の新幹線の最高速度はこのクラスである。
300km/h
- 500系
- N700系
- N700A
- N700S
- ディロフォース
- ブラストルタイガー
305km/h
- ブレードライガー
- ワイツウルフ
307km/h
- ライガーゼロ タイプゼロ
310km/h
- ライガーゼロ シュナイダー
315km/h
- ライガーゼロ イクス
320km/h
- E5系・H5系
- E6系
- ライジャー
325km/h
- ライトニングサイクス
330km/h
- ブレードライガーAB
- ライガーゼロ イエーガー
340km/h
- バーサークフューラー
- ライガーゼロ フェニックス
345km/h
- ジェノブレイカー
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「速い新幹線」と聞くと、俺と同世代の人間なら500系を思い浮かべるのではないかと思う。
By Tennen-Gas - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
実際、300km/hという最高速度で、E5系・H5系が登場するまでは最も速い新幹線であった*9。さらに設計最高速度は320km/hに達する。まだ500系は余裕を残しているのだ。そしてブレードライガーはそんな500系よりも5km/h速い。間違いなく500系抜き調整が入っている*10。
現状の最も速い新幹線がE5系・H5系とE6系である。
By Nanashinodensyaku - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link
By Cheng-en Cheng - DSC_3796, CC 表示-継承 2.0, Link
当初は360km/hで運転することを構想していたようだが、コスト対効果を考慮した結果320km/hとなった。これによってライトニングサイクスは現状でも新幹線より速いゾイドであると言える。
なお、ライトニングサイクスの発売は2000年であり、E5系のスペックを決めるための試験は2005年からなので、こちらは新幹線抜き調整は入っていないことになる。
350km/h以上、500km/h未満
ここに登場する新幹線は全て高速試験車両である。ゾイドにおいては脚力のみで達成できる限界速度となっている。
350km/h
- ジーク・ドーベル
350.4km/h
- WIN350/500系900番台
370km/h
- ディマンティス
400km/h
- グラビティーウルフ
405km/h
- FASTECH 360 S/E954形 (設計値)
- FASTECH 360 Z/E955形 (設計値)
420km/h
- デス・キャット
- ハヤテライガー
425km/h
- STAR21/952・953形
443km/h
- 300X/955形
450km/h
- ドントレス (飛行時)
- シュトゥルムフューラー
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採算性や環境対策などを無視したら、新幹線は相当な速さを達成できる。現状の最速は300X/955形の443km/hであり、これは1996年の速度試験で実際に出した値である。
By Rsa - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
脚力のみで走るゾイドの最高速度はデス・キャットとハヤテライガーの420km/hなので、やはり車輪はすごい。とはいえグラビティーウルフのデザインはどうかと思うが。
500km/h以上、1000km/h未満
ここまで来ると浮くかタキオン粒子を使うしか無い。
500km/h
- マーダ
505km/h
- L0系 (予定営業最高速度)
560km/h
- ライガーゼロ ファルコン
603km/h
- L0系 (試験走行)
660km/h
- エナジーライガー
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L0系はリニアモーターカーである。
By Saruno Hirobano - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
計画としては最高速度505km/hで運用される。あのマーダですら追いつけない。これが磁力かと言いたいが、マーダもVTOLノズルによるホバリングとマグネッサーシステムを使っているので、これは空気抵抗の問題ではないだろうか。そしてL0系は試験走行で603km/hを叩き出している。これに勝てる陸上ゾイドはタキオン粒子を取り込むエナジーライガーしかいない*11。
1225km/h
- E5はやぶさ
別にE5だけではないのだが、シンカリオンはあまりにも速い。ゾイドですら陸上ゾイドだとタキオン粒子を使って660km/hなのに、シンカリオンは車輪で音速に到達している。他にも転送機能や光学迷彩があることを考えると、新幹線超進化研究所の科学技術は惑星Ziのそれを超えているとしか言いようがない*12。
さて、新幹線のアニメについて言及したのだから、ゾイドの方についても言及しなくてはいけない。もちろん現在放映中の『ゾイドワイルド』についてだ。
ゾイドワイルド
ゾイドは3つの世代に分かれている。1つ目は1983年から*13のメカ生体ゾイド、2つ目は1999年からの機獣新世紀ゾイド、そして2018年から全く新しいシリーズとして始まったのがこのゾイドワイルドなのである。
今回は舞台が惑星Ziから地球へと設定が変わっているのだが、それ以上にサイズの変化がある。上の画像を見て分かるように、人がコクピット内に入るのではなく、ゾイドに跨る形で搭乗するのだ。なのでキットは1/35スケールとなった。
また、本シリーズには必殺技体勢とでも言うべきギミック「
今回のゾイドはパーツが全て切り離された状態で梱包されているため、ニッパー不要で組み立てることができる*14。なので俺のように普段プラモと縁のない人間でも、気軽に買って組むことができた。子供に対してというより復帰者に優しい。
ゾイドに懐かしさを感じる人は買って組め。
なお、アニメの方は現在2話まで放映している。そして2話ともYouTubeで無料で見ることが可能だ*15。今ならまだ追いつけるので見よう。
終わりに
この記事はタカラトミーから提供を受けてはいない。
プラレールなら史上最速の923形ドクターイエロー。
列挙系の記事
*1:トミー版キットは72分の1が基本だが、24ゾイドはその名の通り24分の1でキット化される超小型ゾイドである。
*2:ゾイドバトルカードゲームで。
*3:シールドライガーを陽動するダチョウ型ゾイド。
*4:2004年運用開始。
*5:2014年運用開始。
*6:とはいえ登場時期を考慮するとジェノザウラーは十分に速い。1999年にゾイドが復活した時、最初に発売されていたのは旧シリーズの復刻品だったが、ついに新世代オリジナルのゾイドが登場した。ジェノザウラーはその初陣を飾ったゾイドである。260km/hという最高速度はシールドライガーを超えたという意味を持つ。しかもこれは設定上だけの話ではない。キットでもシールドライガーより速いのだ。旧世代のゾイドで単三電池を2本使う場合、それは「並列つなぎ = 1.5V電源」となっていた。対してジェノザウラーは単四電池2本を「直列つなぎ = 3.0V電源」となったからだ。
*7:1980〜1982年製造のE編成。
*8:ブレーキカム軸進段停止装置の追加やパンタグラフの終電容量向上、空気抵抗の低減など。
*9:N700系が出た時点で最も速い新幹線の1つとなったが。
*10:そしてライガーゼロ タイプゼロの307km/hはブレードライガー抜き調整だと認識している。
*11:ゲームオリジナルとかも含めたら他にもありそう。ゼネバスフューラーは600km/hなので勝てないけど。
*12:マグネッサーシステムも無しに巨体が飛び回るのもやばい。
*13:アメリカでは1982年から。
*14:電池を入れるためにはドライバーが必要だが。
*15:毎週土曜 昼12:00更新で1週間見れる。