俺の英語力の上昇よりも、テクノロジーの発達の方が速い。
一人で海外へ行くハードルは年々下がっている。

前回から時が経ち
以前こんな記事を書いた。
これから1年以上が経ち、さらに2回海外へ行く機会があった。相変わらず俺の英語力は上がっていない。しかし、以前に比べて難易度は下がっているように感じる。それは慣れというものもあるだろうが、世の中がどんどん便利になってきているというのも大きい。サービスによって足りない英語力は補えるのだ。
そんなわけで今回は以前の続きという形で、英語のできない人向けの海外旅行のポイントについて書く。なのでまだ読んでいない人は先に前回の記事を読んでおくのを薦める。
この記事の対象
この記事が対象とする読者は前回と同様、以下の通りだ。
- 海外一人旅をしてみたい
- でも海外に行ったことは無い
- 行ったことのない理由は英語ができないから
この「英語ができない」というのは記事タイトルにあるように、TOEIC300点程度を想定している。つまり機内食が配られる時に"chicken"ぐらいは聞き取れる必要がある。もう一つの選択肢が何だったのか分かるレベルまでは求めない。
スマートフォン
前回の記事に一番欠けていたのはスマホに関することではないかと思う。英語のできない人間は、スマホによって問題を解決するのだから。なのでスマホ関係の情報、主に入れておきたいアプリを書いておく。紹介するアプリはどれも有名なものばかりだが、その程度で済んでしまうのだ。
SIMカード
現在はSIMフリーのスマホを使っている人が多いので話が早い。現地では旅行者向けのSIMカードに入れ替えよう。そうすればホテルやカフェに行かなくてもネットを使うことができる。何か不明なことがあった時、その場で調べることができるというのは強い。
旅行者向けのSIMについては「国名 SIMカード」とかで検索すれば、優しい人が金額から導入の仕方まで書いてくれているのを見つけられるはずだ。例えば俺が2016年にスペインへ行った時は以下を参考にした。
スペインOrange.esのSIMレビュー Go Europe! | IYH系財政干ばつ地帯
スペイン、バルセロナでモバイルSIMを使うには?
これでOrangeの「Mundo」が便利らしいということが分かったので、現地についたらGoogleマップで付近のケータイショップを検索。Orangeの店へ行き "I want to Mund." と言っていたら無事にゲットできた。設定は店の人にやってもらえるのだが、いくつかやっておくべきことがある。
- SIM PINを設定しておく
- スマホの言語を英語に設定しておく
- 日本で使っているSIMのプロファイルを削除しておく
- 削除するプロファイルの入手方法を調べておく
俺は初めて海外SIMを使おうとした時、3つ目と4つ目で引っかかった。店員に設定してもらったのにネットが繋がらない。店員も原因がわからない。ホテルで色々とググってようやく原因に気がついた。そして帰国した時に空港でググるはめになった。
Evernote
SIMカードの次に書くのも何だが、旅行先でネットに繋がらなくなる状況も想定しておくべきだ。
ホテルに着いて夜 PCを立ち上げるとネットが繋がらない
— 骨しゃぶり (@honeshabri) 2017年5月6日
アラサーの子供にとって それは どんな恐怖と絶望なのだろう……
…骨しゃぶりは暗闇の中で 泣いても無駄なので ただひたすら ふるえていただけだった
だから必要となりうる情報はオフラインでもアクセスできるようにしておきたい。そういった意味でEvernoteは便利だ。
ある程度ネットに強い人だと「えっ 今さらEvernote」と思うかもしれない。だが何だかんだ言っても、様々な形式の情報をまとめて管理・閲覧するのにEvernoteは便利だ。
俺の場合は旅行する度にノートブックを作り、そこに書類のコピー、参考にしたサイト、持ち物リストなどを入れている。そしてノートブックをダウンロードしておくことで、ネットが繋がらなくてもスマホやタブレットで見ることができるようにしておいている。
俺がEvernoteを使っているのは使い慣れているという点が大きいので、似たようなことができるのなら他のサービスでも問題ない。むしろネットが繋がらない状況を想定してのことなので、旅先で使い方をググらなくてもいいサービスを使うべきだ。
Google Maps
旅行には地図が必要だ。わざわざ俺が言うまでもなくGoogle Mapsは入れてあるだろう。
使い方については特に日本で使う場合と変わりはない。目的地への経路を調べる、現在位置を確認する、そして乗り換え案内。これらの機能があるおかげで電車を乗り継いで行くことができるし、停留所のアナウンスが分からなくても目的地で降りることができる。
まだ着かないのかと思っていたらここが終点だと言われて到着
— 骨しゃぶり (@honeshabri) 2017年5月2日
運転手に言われて気がつくこともあるが。
他にあまり使われてなさそうな機能としてはマイマップだろう。
地図を作成する、開く、削除する - パソコン - マイマップ ヘルプ
この機能を使えば行き先をあらかじめメモしておくことができる。俺は聖地巡礼するためにこれを利用している。
【ユーリ!!! on ICE】バルセロナ聖地巡礼マップ - 本しゃぶり
あらかじめ場所を登録しておけばルートを検索するのも楽だ。現地での作業は最低限にしておきたい。
Google翻訳
英語が出来ないのだから当たり前。みんな大好きGoogle翻訳。
今ではカメラをかざすだけで翻訳されるのがよい。これについては説明をする必要はまずないだろう。強いてアドバイスするならば、日本にいるうちに使い方を確認しておくということ、使う言語はオフラインでもいいようにダウンロードしておくということ。以上だ。
Booking.com
ツアー以外で海外へ行ったことが無い人に海外一人旅について話すと、ホテルの手配も自分でやっていることに驚かれることが多い。しかし俺がホテルの手配をする上で英語を使うことはほとんどない。これを使っているからだ。
これで予約は日本語のメニューで行うことができるし、評判も見ることができる。さすがに日本語のクチコミは限られているが、英語でもGoogle翻訳を使えば言いたいことは分かる。一見立地が良さそうに思えても、近くに薬物をやっている人が多くて治安が悪い、なんてこともあるので、ある程度は確認しておきたい。
予約さえしてしまえば、後は現地についたところで予約画面とパスポートを見せればよい。俺が英語で話すことと言ったら "Halo." と "OK." それに "Checkout." ぐらいだ。
似たようなサービスは他にもある。俺がBooking.comを使っているのは規模が大きいという点と、使っていて特に不満が無いというだけだ。なので特別これがいいと言いたいのではなく、この手のサービスを使えば予約も簡単だ、程度の話である。
ツアー
個人では行きにくいところでも、ツアーなら簡単なこともある。英語のツアーに参加する場合はどうすればいいか書いておこう。
行く前
英語が出来ない人間の交渉は Yes か No の二択だ。なので行く前に情報をしっかり集めておくべきだ。プランや相場はもちろんのこと、信頼できる旅行会社もあらかじめリストアップしておき、そこ以外で頼むのは止めておくつもりでいよう。間違っても現地で声をかけてきた相手に付いて行くのはダメだ。何しろトラブルにあっても状況を訴えられる程の英語力が無いのだから。
場合によっては日本の代理店を通して現地ツアーを申し込むのも手だ。多少の金がかかっても保険と思えばいい。それに日本の代理店を通すと、現地の情報を入手できる上、いざという時に日本語が通じる連絡先を確保できるというのもいい。ストで電車が止まったというような、大使館に助けを求める程では無いが困った、という時に相談することができる。
ツアー中
ガイドはだいたい英語しか話さないので、きっと何を言っているかわからないだろう。
ガイドが何を言っているのか分からないのでミステリーツアーとなっている
— 骨しゃぶり (@honeshabri) 2017年5月7日
バスの中にいる場合はいいが、問題となるのは自由行動の時である。見学するのはいいが、集合場所も集合時間もよくわからない。万が一迷子になると非常に面倒だ。そうならないためには同じツアー参加者のオバさんに付いていくのが一番いい。
ガイドが何を言っているのか分からないので、自由行動では一番目立つオバさんについて行く。なぜオバさんかというと、一番目立つ格好をしているのは常にオバさんだからである。
— 骨しゃぶり (@honeshabri) 2017年5月6日
バスから降りたところで一番目立つオバさんに目を付け、その服装をしっかり覚えておこう。できればあちこち見て回るために好奇心の強そうな人がいい。決まったらそれとなくついて行く。
俺がついて行くと決めたオバさんが、事もあろうに「みんなはどこ?」と訊いてきた。
— 骨しゃぶり (@honeshabri) 2017年5月6日
ツアー中の食事はだいたい決まったレストランでとることになる。他のツアー客は英語ができるため、相席になった場合は人間強度が試される。もし相席が確定しているならば、オバさんグループと一緒になることを薦める。
オバさんグループと飯を食べるとサラダとか色々分けてもらえて良い
— 骨しゃぶり (@honeshabri) 2017年5月8日
こんな感じである程度仲良くなっておけば、ガイドの説明を聞き漏らしたとしても、後で気軽に質問することができる。場合によっては紙に書いてもらえば良い。前回ボールペンを持っておけと書いたが、こんな時にも役に立つ。
持っておきたいもの
前回に引き続き、お待ちかねのアフィリエイトのコーナー。今回はスマホ関係なので海外関係なしで既に持っている人も多いだろう。また、ここで紹介する商品はあくまでも例なので、この機種でなくてはダメという話ではない。
9種類対応の変換プラグ
一度海外に一人で行けると自信が付き、また行きたくなる。一つのタイプしか変換できないやつだとその度に買う必要がある。多少高くても最初から全パターン対応のやつを買おう。俺は紹介したのと同じ分離・合体型のを使っているが、それ以外でも対応さえしていれば問題ないだろう。
モバイルバッテリー
英語ができない人間にとって、スマホのバッテリーが切れることは五感を失うことに等しい。必ずモバイルバッテリーを携帯しよう。
スマホを何に使うかにもよるが、地図とカメラ、それにSNSへ投稿するために酷使していると、一日の中で複数回は充電の必要が出てくる。なのでバッテリー容量はスマホを3~5回くらい充電できるのが良い。容量は多いに越したことはないが、あまり重いものを運びたくもないだろう。
複数口のUSB急速充電器
旅行先では日中ずっと観光しっぱなしで、充電できるのは夜ホテルに戻ってきた時だけということが多い。そして充電すべきものはそれなりにある。俺の場合だとスマホ、モバイルバッテリー、タブレット、ウェアラブルデバイス、自撮り棒など。それを5Wしかない充電器でちまちまやるのは面倒にも程がある。
日本での旅行ならば、複数の充電器を使う、という方法をとることも出来ただろう。しかし海外ではプラグが違うため、複数の充電器を使おうとしたら変換プラグを複数用意するか、電源タップが必要となる。そんなものを用意するぐらいなら、一つの変換プラグと複数口の充電器を使ったほうが賢い。
これは珍しい例だが、インドで寝台列車に乗った時、ベッド4台に対してプラグは2つしかなかった。俺の充電器が使われたのは言うまでもない。自分が充電したいものが一つしかない場合でも役に立つことがあるのだ。
終わりに
技術の進歩によって、かつては困難な事であったとしても今では容易くなっていることは多い。海外旅行もその一つである。海外でやりたいことにもよるが、ちょっとばかし聖地巡礼する程度なら必要な英語力はTOEICで300点も取れれば十分なのだ。

世界は狭くなってきている。
前回から行った場所
スペイン
ギリシャ