本しゃぶり

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人生の壁が多すぎる問題

人生には多くの「壁」と「危機」が待ち構えている。
知っていれば覚悟することもできるし、対処することもできる。

人生に向かい合う時が来た。

Walls of Constantinople.JPG
By en:User:Bigdaddy1204 - Photograph taken in June 2006 in Istanbul by en:User:Bigdaddy1204. All credits go to him., CC BY-SA 3.0, Link

こんな記事を読んだ。

20代後半から30代前半は『クオーターライフ・クライシス』と言って人生最悪の時期であるらしい。人はこの時期に、自分がした選択によって閉塞感を感じ、そこから脱出しようともがき苦しむのだと。これを読むまで、今が人生最悪の時期であるとは思ってもみなかった。将来に希望が見えた気がする。

しかしふと思う。人生の危機とか壁はこれまでもあった気がするし、これ以降もあるだろう。ボーイスカウトで言われるように《備えよ、常に / Be Prepared》である。まずは知るところから始めよう。ということで人生の壁と危機をまとめることにした。

壁と危機

まずは「壁」とか「危機(クライシス)」の類を年齢に沿って見ていく。

幼児期

この頃は自分自身で「大変だ」と思うことはまず無いだろう。しかし親への負担は大きく、結果、自分へと跳ね返ってくる恐れがある。とはいえ幼児がこの記事を読むとは思えないので、子育ての参考にしてもらいたい。

1歳の壁

わずか1年で壁の出現である。これは保育園の前に立ちはだかる壁である。

当事者の1歳児はこの問題を認識していないだろうが、すでにこの時から競争は始まっているのである。

第一次反抗期

1歳半〜3歳頃、人は全てを否定したくなる。通称《魔の2歳児 / Terrible two》である*1

自我が芽生えたにも関わらず、己のできることは少なく、話すことすら難しい。そこで感じるのは己の無力さ。

産後クライシス

これは自分ではなく完全に両親の問題である。出産後から2 - 3年ほどの間に夫婦仲が悪化する。

ホルモンバランス、体調不良、子育てに対する不安、ライフスタイルの変化など、様々な要因によってこの危機は訪れる。これで両親が離婚してしまったら目も当てられない。幼児にとっても危機と言えるだろう。

3歳の壁

再び保育園の前に壁が出現する。

小規模保育・家庭的保育の対象は3歳未満児であるため、3歳になると4月以降は認可保育園、認定こども園などへ移らなくてはいけない。

3歳児神話

ここまで「1歳の壁」と「3歳の壁」で保育園の話をしたが、それを全て覆す考え方がある。それがこの「3歳児神話」である。

これは子供が3歳になるまでは母親が子育てに専念すべきであり、そうしないと成長に悪影響を及ぼすという考え方である。今の時代にそぐわないものであるが、祖父母も同意するとは限らない。もしこの神話を信じているようであれば、早い段階で説得したほうがいいだろう。ちなみに脳科学者の澤口俊之は「8歳児神話」を提唱したようである。

4歳の壁

認知能力を獲得した子どもは、その力を上手く扱えず戸惑うことになる。言わばプリキュアが1話で大ジャンプしてしまうようなものだ。

これにより外から見ているとまるで成長が逆戻りしたように見える。3歳児神話をクリアしたと油断している親へのトラップとしても中々優秀だ。

通学期

親から離れ始め、学業に専念すべきこの時期。将来の方向性を決める重要な期間であるにも関わらず、壁の出現は止まらない。

小1の壁

共働き・ひとり親世帯に立ちはだかる3枚目の壁。それが小1の壁である。

保育園在園中の頃とは違い、小学生となった子どもの帰る時間は早い。頼みの公的な学童保育施設が閉まる時間は18時であることが多く、子どもは一人で過ごすことを余儀なくされる。さらには学校行事の増加、職場の育児短時間勤務制度が適用されなくなるなど、解決すべき課題は多い。

小1プロブレム

いよいよ本人へ直に襲い来る問題の登場。学校という新たな環境に適応できるか。

集団行動がとれない、授業中に座っていられない、先生の話を聞かない、といった特徴が挙げられるが、この問題が厄介な点は本人のみならずクラス全体へ影響する恐れがあることだ。下手すると授業が成り立たなくなる。そうならないためにも入学前に自己コントロール出来るようになっておきたい。目の前のマシュマロをすぐに食べるようなやつはダメだ。

10歳の壁

9歳の壁、小4の壁とも。科目に理科・社会が追加され、抽象的な思考力が求められるこの時、人は自信を失いがちになる。

変化が起きるのは学習内容だけではない。運動能力や人格形成においても重要な時期となっている。つまずくこと無く、先へと進みたいところだ。そんなところに降りかかる「親への感謝」の強要。

中1ギャップ

壁を越えたら堀があった。不登校やいじめが激増する時期である。

ここでのギャップは2つある。1つは問題行動の増加するといった現象としてのギャップ。もう1つは学校の制度や指導法などの環境のギャップ。この二段構えに捕らわれる子どもは少なくない。

高1クライシス

こいつ環境が変化するたびにピンチに陥っているな、と思う人も出てきた頃だろう。それは仕方ない。環境の変化は時として種の絶滅すら引き起こす。

高校はそれ以前の人的繋がりが途切れることが多く、新たに人間関係を築き上げる必要が出てくる。そこで失敗して通えなくなってしまうのだ。また、学力で選別された結果、自分が井の中の蛙であることに気がついてしまい自信を喪失してしまうケースもある。

大1の壁

諸君らの予想通り、大学に入ったところにも壁がある。

大学はあらゆる状況で主体的に動くことが求められる。これまで言われたことだけをこなしてきた人にとっては試練となるだろう。さらに一人暮らしする場合は親の目が届かず、気がついたときには手遅れということもあり得る。

成人後

そろそろ飽きて来た頃合いかと思う。俺もさすがに疲れてきた。しかし人生はこれからが本番だ。サクサク片付けて行こう。

25歳の壁 / クオーターライフ・クライシス

ようやくきっかけの年齢にたどり着いた。

25歳と点で捉えることもあれば、25歳〜34歳と長い期間を指すこともある。この壁を一度乗り越えたからと言って安心はできない。このフェーズは20代から30代にかけて何度か繰り返されることもある*2のだから。

婚活における年齢の壁

クオーターライフ・クライシスの最中は婚活が行われがちな期間とも重なる。当然そこには壁がある。男性は35歳と44歳、女性は30歳と34歳*3

どうやら男女ともに婚活の壁は2枚あるらしい。カルタゴにしろコンスタンティノープルにしろ、強固な都市は多重壁が基本である。婚活の年もその類なのだろう。

転職の壁

クオーターライフ・クライシスを抜けたら壁があった。転職の壁は35歳と50代であるらしい。

ならばその前に天職を見つければいいではないかと思うかもしれないが、それも難しい。35歳になると仕事に嫌気がさすからである。

では自由業ならと思ったら40歳で壁が来る。

もはや迷宮に迷い込んだ感がある。

美容の壁

女性は45歳で壁が来るらしい。

男性にも無くはないだろうが、話題に上がることは少ない。そもそも前に進もうとしていない人が多いので、壁にぶつかることも無いのだろう。

中年の危機 / ミッドライフ・クライシス

クオーターライフ・クライシスから10年後、新たなる危機が到来する。「第二の思春期」「思秋期(ししゅうき)」とも。

英語版Wikipediaによれば、45〜64歳で発症する恐れがあり、男性では約3〜10年、女性では2〜5年続くとのこと。

中高年男性クライシス

先のミッドライフ・クライシスは精神的な危機であるが、こちらは社会との繋がりが切れる危機である。

失業や定年退職などで会社から離れた時、他の繋がりを持っているか否かが明暗を分ける。

55歳の壁

妻が亡くなった時、夫が55歳未満であると遺族厚生年金をもらえない。これが55歳の壁である。

なお夫が亡くなった場合は妻の年齢に関わらず遺族厚生年金の支給対象となる。

老後クライシス

経済面と健康面の挟み撃ち。

このうち経済面だけを取り上げたのも多い。

健康の壁

60歳と80歳に壁がある。間の75歳では要介護者が増える。

増収増益の壁

帝国データバンク社の調査によると、経営者が70歳を過ぎると増収増益が難しくなる。後継者育成は早めにどうぞ。

運転技術の壁

コンビニに車が突っ込むたびに話題となるやつ。死亡事故は75歳で増え始め、85歳で破滅的となる。

寿命の壁

平均寿命として2030年には90歳の壁を超えると言われている。

ただしどこまでも伸びるというわけではない。オランダの研究チームによれば、男性は114.1歳、女性は115.7歳が上限である*4とのこと。

厄年

これまで人生における様々な壁と危機を取り上げていったが、日本古来からある特定の年齢で発生する危機が抜けている。そう、厄年である。厄年こそ人生におけるポッカリ開いた「落とし穴」だ。無視するわけにはいかない。

日本の厄年

厄年は本来「数え年」で表すものであるが、この記事では他の壁や危機との比較がしやすいように満年齢で表す。また、数え歳と満年齢では開始がずれているため1対1の対応がとれない。面倒なので満年齢+1を数え歳とする。正しく知りたい人はWikipediaでも神社のページにでも行ってもらいたい。

男性の厄年は満年齢で24歳、41歳、60歳となる。特に41歳は大厄となり最も危険な年である。また、厄年の前後1年間は前厄、後厄と言って本厄と同様に注意すべき年となる。女性の厄年は満年齢で18歳、32歳、36歳となり、32歳が大厄である。

世界の厄年

グローバル化が叫ばれて久しい現代、世界各国で使われている厄年も気にするのは当然である。やりすぎだろうか。そんなことはない。俺は真剣に人生と向き合っている。真剣に何かをする時はこのくらいやりすぎるものである。

なお、以下の国の厄年は満年齢によるものか数え年によるものかは分からなかった。ここではすべて満年齢と仮定して書いている。また、同じ国でも地域によって厄年は異なる。ここでは一般的とされるものを示す。

中国

自分の生まれた干支が厄年。12年に1度やってくる。

タイ

男女ともに年齢の一の位が9である年が厄年となる。
さらに25歳は「ベンヂャペート」と言って日本における本厄に当たる。

トルコ

男性は23歳、43歳、63歳。
女性は13歳、33歳、53歳。

ロシア

男女ともに9歳から79歳までの、一の位が9である年が厄年となる。タイと似ている。

エジプト

男女の区別なく4歳から56歳まで4年毎に厄年となる。今回調べた中で一番厄年の間隔が短い。

ドイツ

男性は4歳から64歳までの、一の位が4である年が厄年となる。
女性は9歳から59歳までの、一の位が9である年が厄年となる。

フランス

男性は8歳から78歳までの、一の位が8である年が厄年となる。

スペイン

男性は24歳と44歳。
女性は14歳と34歳。

イギリス

男性は4歳から一の位が4である年が厄年となる。
女性は7歳から一の位が7である年が厄年となる。

人生年表

人生には様々な困難が待ち受けていることが分かった。しかしこうも多くては全体像をつかみにくい。そこで0歳から116歳までの年表にまとめておいた。

年齢は満年齢で記してある。厄年は前厄・後厄含めて何かしら当てはまる場合に●がついている。

年齢 厄年(男) 厄年(女) 節目系 範囲系
0歳
1歳 1歳の壁 産後クライシス
2歳 魔の2歳児
3歳 3歳の壁
4歳 4歳の壁
5歳
6歳
7歳 小1プロブレム / 小1の壁
8歳
9歳
10歳 10歳の壁
11歳
12歳 中学受験
13歳 中1ギャップ
14歳 厨二病
15歳 高校受験
16歳 高1クライシス
17歳 高二病
18歳 大学受験
19歳 大1の壁
20歳 大二病
21歳 就活
22歳
23歳
24歳
25歳 25歳の壁 クオーターライフ・クライシス
26歳
27歳
28歳
29歳
30歳 年齢の壁 (女性)
31歳
32歳
33歳
34歳 年齢の壁 (女性)
35歳 転職35歳の壁 / 年齢の壁 (男性)
36歳
37歳
38歳
39歳
40歳 自由業の40歳の壁
41歳
42歳
43歳
44歳 年齢の壁 (男性)
45歳 45歳の壁 (女性) ミッドライフ・クライシス (中年の危機)
46歳
47歳
48歳
49歳
50歳 50代の壁(転職)
51歳
52歳
53歳
54歳
55歳 55歳の壁 (男性)
56歳
57歳
58歳
59歳
60歳 60歳の壁
61歳
62歳
63歳
64歳
65歳 定年退職 老後クライシス
66歳
67歳
68歳
69歳
70歳 70歳の壁
71歳
72歳
73歳
74歳
75歳 75歳の壁
76歳
77歳
78歳
79歳
80歳 80歳の壁
81歳
82歳
83歳
84歳
85歳 85歳の崖
86歳
87歳
88歳
89歳
90歳 90歳の壁
91歳
92歳
93歳
94歳
95歳
96歳
97歳
98歳
99歳
100歳
101歳
102歳
103歳
104歳
105歳
106歳
107歳
108歳 ||↑
109歳
110歳
111歳
112歳
113歳
114歳 寿命の上限 (男性)
115歳
116歳 寿命の上限 (女性)

終わりに

ここまで読んだ人の中には絶望的な気分になった人もいるかもしれない。人生にはあまりにも多くの壁と危機があるのだと。だがそれはである。苦難が待ち構えていると分かっているのならば「覚悟」することが出来る。明日「死ぬ」とわかっていても「覚悟」があるから幸福なのだ。「覚悟」「絶望」を吹き飛ばすからである。

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他の年表系記事

*1:他にも「イヤイヤ期」「怪獣期」など

*2:20代後半はツラいよ。誰にでも訪れるクオーターライフ・クライシスを乗り越える方法 | ライフハッカー[日本版]

*3:ここではこの年齢になると厳しくなるという年を書いている。

*4:記事中にもあるとおり例外は存在する。フランス人女性のジャンヌ・カルマンは122歳と164日生きた。