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『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』なぜ26話でドッピオはオルビアの街でタクシーを拾ったのか

なぜドッピオはオルビアでタクシーを拾ったのか。
そこにはリゾート地特有の問題があった。

実際にサルディニア島へ行った経験から、ドッピオの行動を考察した。

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ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』26話

ドッピオ、オルビアでタクシーを拾う

26話において、オルビアでドッピオがタクシーを拾った場所は「ローマ通り」である。

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ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』26話

俺がオルビアに滞在中、ティッシュを買いにスーパーへ向かう時に通った道のすぐそばだった。アニメに登場すると分かっていたのなら写真を撮っていたのだが。

この場所はオルビアの街中と言える位置である。以下に地図を示す。分かりやすくするため、道の脇にあるピザ屋にピンを立てた。

ここで一つ疑問が湧く。なぜドッピオは「この場所」でタクシーを拾ったのか。空港から直接エメラルド海岸へ行くのではなく、わざわざオルビア市内から行ったのはなぜなのか。

空港から直接行けばいいのでは

ドッピオ = ボスはサルディニア島に来る前はヴェネツィアに滞在していた。ジョルノ達がサルディニア島へ向かったと確信し、ボス自身も追いかけるようにやってきたのである。

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ジョジョの奇妙な冒険 カラー版 第5部 12巻』

ヴェネツィアから急いでサルディニア島へ行くのであれば、移動手段は飛行機である。到着する空港はオルビアの南東にある「オルビア・コスタ・スメラルダ空港」だ。空港から市内へは3〜4km程度の距離で、バスでも10〜20分程度で到着する。

対してエメラルド海岸はオルビア市内から離れた位置にある。「エメラルド海岸」と一口に言っても、その対象範囲は広いため、ここではポルト・チェルボにある教会「Stella Maris Church」を目的地とする。作中の教会と雰囲気が似ているためだ。

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ジョジョの奇妙な冒険 カラー版 第5部 12巻』

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Heinz-Josef Lücking CC BY-SA 3.0 de,Link

この教会へ行くのは少し面倒だ。サルディニア島内は鉄道網が貧弱で、バスの本数もそれほどあるわけではない。一番いいのはレンタカーを借りることである。オルビアの中心駅から教会までは約30kmあるため、レンタカーあるいはタクシーで行くと30分ぐらいだ。

つまり「空港からオルビア市内」より、「オルビア市内からエメラルド海岸」の方が圧倒的に距離があるのだ。

もしオルビア市内からエメラルド海岸へ公共交通機関を使って行くのであれば、オルビア市内で一旦降りるのは理にかなっている。しかしドッピオはタクシーでエメラルド海岸へ向かった。ならば空港から直接エメラルド海岸までタクシーで行く方が合理的ではないか。空港にはタクシー乗り場がある。どう考えてもこっちの方が楽だ。変な占い師にも会わなくて済む。

これには理由があったと俺は考える。そのヒントになったのは時間経過だ。

飛行機墜落から3日後の話

サルディニア島沖でジョルノ達の乗った飛行機が墜落してから、ドッピオとリゾットが戦うまでには数日経過している。具体的な日付を言うと、飛行機墜落が4月2日で、サルディニア島の話が4月5日だ。3日経過していることは、この後に登場するセッコのセリフではっきりと分かる。

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ジョジョの奇妙な冒険 カラー版 第5部 14巻』

この辺の日数については以下のサイトが詳しい。

「黄金の風」の日数経過[ジョジョ5部]

したがって、ジョルノ達は墜落してからエメラルド海岸にたどり着くまでに3日かかった。これは分かる。サルディニア島から50kmも離れた海上に投げ出されたのだから、たどり着くのは簡単な話ではない。

だがボスについてはどうだろうか。ボスはジョルノ達の目的地がエメラルド海岸だと直感的に理解していた。そしてすぐに飛行機でサルディニア島へ向かったはずだ。おそらく墜落当日かその翌日にはサルディニア島に到着していたはずだろう。

ところが3日経過していても、ドッピオは目的地から30kmも離れたオルビアをフラフラ歩いていた。エメラルド海岸のあるポルト・チェルボではなく。

それはポルト・チェルボが超高級リゾート地だからではないだろうか。

できるだけ安く済ませたい

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trolvag CC BY-SA 3.0,Link

ポルト・チェルボは超高級リゾート地である。この辺りの高級ホテルは1泊30万円も珍しくない。もちろん1泊1万円程度の宿もあるが、全体的に高いのは確かである。ここでボスの置かれた状況を考えてみよう。

  • 今日の夜から泊まる宿を確保する必要がある
  • ジョルノ達がいつ現れるか分からない = 何泊することになるか不明
  • 目立ちたくない

前もって予約するのなら、ポルト・チェルボでもお手軽な宿を何泊も確保することができただろう。しかし今回は急な話である。当日になって連泊できる宿が、リゾート地にそれほどあるだろうか。あったとしても、べらぼうに高いかもしれない。目立ちたくないので、ギャングの威光は使わない方が望ましい。なにせ部下に任せず、自ら動いたくらいなのだから。

一方、オルビアならば俺ですら気軽に宿泊できる安価な宿が豊富にある。急に今夜から数日泊まりたいと言っても、きっと確保できるだろう。毎日寝るためにオルビアへ戻らなくてはいけないが、オルビアからエメラルド海岸までのタクシー代は4,840円である*1往復しても1万円以下だ。普通の街ならばその金があれば余裕で宿泊できるが、ポルト・チェルボならばこの倍でも不足することもありえる。

したがって、「ドッピオはオルビアに滞在し、毎日エメラルド海岸までやって来ていた」というのが俺の説である。ここでドッピオが占われる回『サルディニア島嵐警報!』の扉絵を見てもらいたい。

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ジョジョの奇妙な冒険 カラー版 第5部 12巻』

これから行くはずのエメラルド海岸に、ボスっぽい人物が訪れている。これこそ、すでにドッピオ = ボスがエメラルド海岸に行っている証拠ではないか。

そしてエメラルド海岸に通いつめて3日目、リゾットに襲撃されたのである。

終わりに

原作を読んでいる時は、ドッピオがオルビア市内にいることに何の疑問も持たなかった。今回このことに気がついたのは、俺がエメラルド海岸へ行こうと計画し、実際にオルビアまで行ったからである*2。そうしたことで、作品の内容が「他人事」ではなく、「自分事」になったから気がつけたのだろう。

聖地巡礼をすると作品をより深く読み込むことができる。これからも積極的に行いたい。

イタリア聖地巡礼記事

*1:『ぼくの名はドッピオ その①』より。

*2:エメラルド海岸へは残念ながら体調不良と天候の問題から行けなかったが。