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俺に骨伝導イヤホンの質問するならこれ読んで

骨伝導イヤホンを常時着用は便利である。
しかし、勧めるには語るべきことが多い。

だからここに俺の知識をまとめることにした。

これを読めばいい

骨伝導イヤホンを使い始めて4年が経とうとしている。使い始めた当時はまだ珍しかったが、今ではかなり普及してきたと思う。実際、弊社でも着けている人をよく見るようになった。とはいえ、普通のワイヤレスイヤホンと比べると、使ったことのある人は少ない。

それゆえか、骨伝導イヤホンがどんなものかと質問されることがまだある。なので俺が知っていることをまとめることにした。とりあえずこれを読めばいいと言えるように。

骨伝導イヤホンの基本

そもそも骨伝導イヤホンとは何か。音を聞くのに鼓膜ではなく、骨を震わせることで直に聴覚神経へ音を伝える方式を採用したイヤホンである。

Msahid manik / CC BY-SA, Link

そのため耳を塞がず、外の音を常に聞くことができる。また耳が開放されているため長時間着けていても熱と湿気がこもらず、外耳炎のリスクが無い。この2つの特徴があるゆえに、俺は着けっぱなしで生活しているわけだ。

常時着用で運用

これでも何度か書いているが、俺は基本的に骨伝導イヤホンを着けっぱなしで生活している。

基本的にメガネと同じだと思えばよい。朝起きてメガネと同じタイミングで装着し、電源を入れる。外すのは「風呂に入る時」「寝る時」「他のヘッドホンを使う時」ぐらいだ。それ以外はだいたい着けている。

ただし、いつも何かを聞いているわけではない。無音の時間の方がはるかに長く、ほとんどの時間はただ着けているだけだ。何かを聞くシチュエーションは主に以下である。

  • 運動時: Kindle読み上げかPodcastを聞いている。家事や通勤時も同じく
  • 食事時: アニメを見ながら食事をする時に使う。耳が開放されているので咀嚼音が反響しなくて良い
  • 通話時: 電話の応対は骨伝導が基本。静かな場所なら会議でも使う

使用タイミングが限定されているなら、使う時だけ着ければいいのでは、と思う人もいるかもしれない。そんなことはない。常時着用できることが骨伝導の価値なのだ。

例えばちょっと家事をする際にPodcastを聞こうと思ったとする。普通のイヤホンだと、まず用意するところから始める必要がある。手元になければ、取りに行かないといけない。そして両耳に取り付け、ようやく再生ボタンを押す。実に面倒だ。これが骨伝導イヤホンを常時着用だと、ワンアクションで済む。ただ再生ボタンを押すだけでよい。このような使い方ができることが、骨伝導イヤホンの最大の利点である。

この運用は普通のイヤホンでは真似できない。着けっぱなしにしていると耳の中が高温多湿になり、外耳炎となるリスクがあるからだ。

骨伝導イヤホンならば前述の通り、このような心配は無い。加えて外の音が聞こえるから、誰かに話しかけられても気が付かないということはない。そのため俺は対面での会議でも、堂々と着けっぱなしでいる。というか、基本的に着けっぱなしが当たり前なので、着けていることを意識していないというのが正しい。たまに何かで外した時に着け直すのを忘れ、再生しようとこめかみを押したことが何度かある。

骨伝導が向かない状況

このように骨伝導イヤホンを常時着用しているわけだが、万能というわけでは決してない。俺も骨伝導イヤホンが向かないシーンでは外し、普通のイヤホンを使うこともある。

外がうるさい

骨伝導イヤホンは耳が開放されているので、外の音が入ってくる。そのため外がうるさいと、音量を上げても聞こえなくなってしまう。俺の場合、幹線道路沿いを歩く時は聞くのを諦めることが多い。また、骨伝導は音の伝わり方が異なるだけであって、蝸牛を使って音を認識することには変わりない。したがって大音量を聞き続ければ難聴のリスクはあるから注意が必要だ。

外がうるさい場合でも骨伝導イヤホンを使いたい場合は、耳栓を利用するのが一つの手だ。すると外部の音は遮断され、骨伝導イヤホンの音だけが頭の中で鳴り響く。これだと掃除機をかけていても普通に聞ける。俺は耳栓をつけてまで何かを聞くなら、ノイズキャンセリングイヤホンを使うが。

音漏れ禁止

骨伝導イヤホンもイヤホンが振動して音を伝えるのは同じである。そのため普通に音漏れがする。音漏れの程度は環境と音量によるとしか言えないが、電車とかで並んで座るような場面では使わない方がいいだろう。そもそも電車内は雑音が多くて骨伝導イヤホンは向かないし。

音質にこだわる

骨伝導イヤホンはやはり同価格帯のイヤホンに比べると、音質は落ちる。そのため音質を重視する場面には向かない。もちろん骨伝導イヤホンでも種類によって差はある。俺が使った感触だと以下の通りだ。

  • AfterShokz Air (2019年発売、約1.5万円): Podcastや通話は可。アニメ視聴には使いたくない
  • Shokz OpenRun Pro (2021年発売、約2万円): アニメのながら視聴には十分。映画を見るならヘッドホンを使いたい

フラグシップモデルのOpenRun Proは、食事しながらアニメを見る分には十分な音質だと俺は感じている。ただ、普通のヘッドホン・イヤホンと比べたら、明らかに劣る。普段は骨伝導イヤホンで不満は無いのに、いざヘッドホンで同じ曲を聞くと「こんなに音が豊かだったか」となるくらいだ。

痛みがする

これは完全に個人差で俺は問題ないのだが、試した人の中には痛みで使っていられないという声を聞く。それこそ骨伝導イヤホンを挙げる人が多かったこのブコメにもあった。

こういうのは合う合わないがあるので、こればかりは仕方ない。他に痛みで使えなかった事例だと、顎関節症で痛くて使えないというのも聞いた*1。骨伝導イヤホンが合わない人でイヤホン常時着用したい人は、後述するオープンイヤーな気導音のイヤホンを選ぶのがいいだろう。

選び方とおすすめ

骨伝導イヤホンの特徴についてだいたい説明したので、選び方とおすすめに移る。先に断っておくが、俺はイヤホン専門店の人間でなければ、骨伝導イヤホンを片っ端から試している人間でもない。ただ骨伝導イヤホンの使用時間がそこそこ長く、記事へのフィードバックで情報がちょっと集まっている程度の立場だ。その認識で読んでもらいたい。

そんな俺としては、だいたい以下のように勧めている。

  • 俺のように常時着用を重視: Shokz OpenRun Pro (mini)
  • 充電端子はUSB-Cしか認めない: Shokz OpenMove
  • 会議通話がメイン: Shokz OpenComm 2

Shokz OpenRun Pro

俺が使っているのはこれ。常時着用な運用をするならこいつが一番使いやすい。他機種と比べて特に優れている点は2つ。

  • 音質: アニメをながら見するには十分な音質
  • アプリ: アプリで接続先を自由に切り替えられる

まず何でもかんでもこいつで聞くわけだから、音質は重要である。音声だとそれほど違いを感じないが、音楽だと他機種とは全く別物である。実際、初めて聞いた時は衝撃を受けた。常時着用したいならこのレベルは欲しい。もっとも、前述の通り所詮は骨伝導での話である。聞けなくはないレベルであって、期待するようなものではない。

もう一つ重要なのはアプリで接続先の切り替えが簡単ということだ。他のShokz製品でもマルチポイント接続は可能である。しかし、対象が3つ以上になると、狙った端末との接続が難しくなる。俺の場合、常に私物のiPhoneと接続し、追加で私物PC or 社用携帯 or 社用PCと接続したい。なのでProじゃないとやっていられないわけだ。

専用アプリのマルチポイントペアリング

ちなみにProにはサイズが一回り小さいminiが存在する。

miniと言っても、成人男性でも普通に使えるサイズだ。少なくとも俺は問題なかった。俺が買った時は通常サイズしかなかったのでそっちにしたが、もし今買い直すことになったらminiにする。後頭部バンドが邪魔になりにくいので。

以上のようにProが一番おすすめであるのだが、一つ明確な欠点がある。それは充電に専用ケーブルが必要ということだ。マグネット式だからセットしやすいし、本体サイズを小さくできるというメリットもある。しかし充電端子はUSB-Cで統一したい人もいるだろう。そういう人はProではなく、OpenMoveを選ぶべきだ。

Shokz OpenMove

OpenMoveのメリットは明確だ。充電がUSB-Cで、Shokz製品の中で一番安い。当然、スペックは様々な点で劣っているが*2、充電端子が汎用的なUSB-CはShokz製品でこいつだけだ。それだけで決まる人もいるだろう。

Shokz OpenComm 2

会議通話に特化したモデル。他の機種にもマイクはあるが、こいつは口元まで届くブームマイクだ。加えて連続通話時間は16時間とやたら長い。ただし音質はOpenMoveと同等なので、本当に音声通話専用だと思った方がいいだろう。

Shokzで音声通話といえば、ビープ音に悩まされた人もいたと思う。Microsoft Teamsなどでマイクをミュートにすると、数秒間隔でビープ音が鳴って使っていられないやつだ。現在この問題はTeamsのアップデートで解決済みである。もしこれが原因で会議通話にShokzを使うのを止めた人がいるのなら、再挑戦してみるといい。

何でShokz製品しか紹介しないの?手先なの?

ここまで骨伝導イヤホン = Shokz製品みたいなノリで進んできた。Shokzは骨伝導イヤホンのパイオニアではあるが、現在は有名な他社からも骨伝導イヤホン製品は販売されている。例えばAVIOT WB-E1Mとか、オーム電機 HP-BCなど。あとは軟骨伝導のオーディオテクニカ ATH-CC500BTが有名か。

本記事のブコメによると、AVIOTは音質が良いらしい*3。少なくともOpenMoveよりは上だという*4。ただし耐久性に難があると言っている人もいる*5

オーム電機のを使っている人は本記事のブコメにいなかった。

オーディオテクニカはShokzに比べると締付けがゆるくて楽らしい*6*7。ただし音量の小ささがネックというコメントも*8

にも関わらずShokz製品を前提に書いてきたのは、俺の周囲にShokzユーザーしかいないためである。俺自身が骨伝導イヤホンはShokz製品しか使ったことがないので、他社製品はどのレベルか分からない。だからリアルで相談を受けた時もまずShokzを勧める。結果、周囲にはShokzユーザーのみとなり、他社製品の感想を聞く機会が無いわけだ。

さすがにネットのレビューだけで製品を勧めるわけにもいかないので、この記事でもShokz製品だけを勧めているわけである。Shokz以外も検討対象としたい人は、他のレビューを見るなり自分で試すなりしてほしい。ただ一つ言っておくと、Shokz製品と比較して大幅に安いやつはハズレの確率が高い

骨伝導以外の選択肢

俺は骨伝導イヤホンを推してきたわけだが、常時着用でも骨伝導にこだわる必要はない。大事なのは耳が開放されていることなのだ。最近は骨伝導以外にも開放型のイヤホンは選択肢が多くあるので、そちらを選ぶのも手だ。以下でいくつか紹介するが、俺は試したことがないので本当に使えるかは知らない。あくまで存在を教えるだけと思ってもらいたい。

まずShokzからはオープンイヤー完全ワイヤレスイヤホンとしてOpenFit Airが出ている。本記事のブコメでは音質が良いと評判*9*10


オープンイヤー完全ワイヤレスイヤホンだとソニーがいくつか出していて、中でもLinkBudsは評判が良かった印象がある。レビューを見るとバッテリーが弱いみたいだが。


あとは皆大好きAnkerからも、オープンイヤー完全ワイヤレスイヤホンが出ている。


他の形式だと、メガネ型イヤホンも選択肢の一つだ。よく聞くのはHUAWEI Eyewear 2だ。全国のOWNDAYS店舗でレンズ交換 (有料) することで*11、普通の度付きメガネとして使うこともできる。

他にも「オープンイヤー」で検索したら色々と出てくるだろう。俺は耳が完全に空くのと普通のメガネを使いたいので骨伝導を選んでいるが*12、他の人も骨伝導が最適とは限らない。音質を重視するならば、気導音式のオープンイヤーを選んだ方がいいだろう。

ブコメで人気なFreeClip

本記事のブコメでは様々な骨伝導・オープンイヤーイヤホンの感想が書かれているが、中でも人気なのがHUAWEI FreeClipである。

AfterShokz使い続けてたけど、FreeClipがあまりにも快適すぎてFreeClipに改宗してしまった。メガネに干渉しないのと痛くなる場所が無い、更に音質もそこそこ良いので、バッテリー持ち以外勝ってしまった。マイクも良いのよ。
tyhe のブックマーク / はてなブックマーク


すでにコメントにもあるけど、オープンイヤーのFreeClipがあまりに圧倒的だったので耳にマッチする人ならこれがベストなんじゃないかと思ってる。付けてることを忘れ、後頭部への干渉はなく、左右さえ自動判別される。
Rouble のブックマーク / はてなブックマーク


プライムデーで2万2千円台だったからFreeClip買ったけど、ほんと凄いわこれ。オープインイヤータイプってこんなに音質いいんだってびっくりした。バッテリーも自分困ってないからもう全部これでいいやってなる
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ここまで書かれるとさすがの俺も気になる。

終わりに

だいたい俺が骨伝導イヤホンについて相談を受けた場合に答えられる内容は書けた。今後、骨伝導イヤホンについて言及する時は、詳細はこちらとして本記事を貼ることにしよう。何か不足した要素があるなら追記も検討している。

最後に一つアドバイス。さんざんAmazonリンクを貼っておいてなんだが、可能なら購入前に実店舗で試着・視聴した方がいい。特に初めて骨伝導イヤホンを買う人は。俺は特に試さず買って困っていないが、前述の通り合わない人もそれなりにいるので。

*1:800 アドベントカレンダーと買ってよかったもの - YouTube

*2:充電速度やバッテリー容量など。あとイヤーフックにチタンが入っていない。

*3:AVIOTユーザーです。音質はめちゃよいです、難点は耳周りの形状がタイトで外耳が痛くなるのとバンドの締付け強くてそれも痛い(自分基準、頭はそんな大きくない方)のが玉に瑕、2hが自分には限界です - youchin のブックマーク / はてなブックマーク

*4:AVIOTはWB-P1でも十分常時着用に耐えるしShokzのOPENRUNにかなり近いです。OPENMOVEは超えてる。 - anmin7 のブックマーク / はてなブックマーク

*5:AVIOT WB-P1ユーザーです。1年未満で2回折れた(一時的にカバンに入れたりした時)。他を使ったことがないので比較はできませんが、もの壊しやすい人は耐久性と取扱には注意かも。 - whiteskunk のブックマーク / はてなブックマーク

*6:shokz使ってたけど頭痛くなったからオーディオテクニカの軟骨伝導に変えた。全体的にはshockzの方が良かったんだけどな...でも痛くは無くなったのでずっと使えている。 - myr のブックマーク / はてなブックマーク

*7:オフィスでオーディオテクニカの軟骨伝導使ってるけど、Shokz製品より締め付けが緩い感じで気に入ってる。ただやっぱり外に出るときは普通のイヤホンかヘッドホンになるよね。 - type-100 のブックマーク / はてなブックマーク

*8:オーテク持ってるけど、音質はともかく音漏れと音量の小ささはネックだった。低音も少なめだしね。在宅勤務中は会社支給のOpenComm1と防音にWF-1000XM5併用 - daishi_n のブックマーク / はてなブックマーク

*9:骨伝導を試聴してこれは合わないなと思った。なのでそれ以外を常用してる。音質的にはOpen Fit Airがながら聴きじゃ一番かな。次点でLinkBuds - adash1 のブックマーク / はてなブックマーク

*10:イベントでOpen Fit Air 視聴したけど割と音質も気にならないレベルでよかった。常時着用するならこれもイイと思う。 - sekkidot のブックマーク / はてなブックマーク

*11:OWNDAYS × HUAWEI Eyewear2 | メガネ通販のオンデーズオンラインストア (眼鏡・めがね)

*12:骨伝導ヘッドセットとメガネでスマートグラスな生活 - 本しゃぶり