イエス・キリストはなぜ磔刑になったのか。
それは彼がQC活動を行っていたからである。
QCストーリーで聖書を読み解く。
カイゼンの効果に期待する
日本人はイエス・キリストの存在は知っている。しかし、彼がどのような人物であったかを理解している人は少ない。しかもネットで調べると、スピリチュアルな記事や、怪しげな記事が多く引っかかる。
死刑となったイエスの家族構成に迫る!事件の背後には生い立ちが関係か?
中には真面目な記事もあるが、やはり分かりにくいように思える。それはイエスを理解するのに聖書が必須であり、日本人はその聖書が身近な存在ではないからだろう。
では日本人にとって分かりやすいフォーマットは何か。それはカイゼン、すなわちQCサークルである。
QCサークル(キューシーサークル)は、同じ職場内で品質管理活動を自発的に小グループで行う活動である。全社的品質管理活動の一環として自己啓発、相互啓発を行い、QC手法を活用して職場の管理、改善を継続的に全員参加で行うものである(TQC用語辞典に基づく解説)。
QCサークル - Wikipedia 2019/02/11 21:04 閲覧
落ちぶれても物作り大国日本である。QCストーリーに沿って語れば、イエス・キリストの行動原理が分かる人は多いだろう。というわけで作ってみた。
QC資料
それでは、「律法の削減と人類救済」と題しまして、ナザレ・サークルの発表を始めたいと思います。
まずはサークル紹介です。
私達のナザレ・サークルは13人の小さなグループから始まりました。
メンバーは大工や漁師など、一般庶民で構成されています。
活動の中心は元々ガリラヤでしたが、最近はエルサレムを中心に活動しています。
新規メンバーを募集中です。
未亡人の生活支援など、相互扶助制度もありますので、気になった方はお気軽にお尋ねください。
テーマ選定です。
人々を救うため何をすればいいか、重要度や緊急性など、様々な観点からマトリックス図を使って分析しました。
その結果、「律法の見直し」をすることにしました。
現状の把握です。
現在、律法は全部で613あります。
パレート図で分析した結果、そのうちの70%はレビ記と申命記に記されていることが分かりました。
とはいえ、この2つを丸ごと無視したとしても、まだ律法は100以上あります。
そして数ある律法の内どれか1つでも破ってしまうと、裁きによって死ぬ危険性があります。
抜本的な対策が必要です。
目標の設定です。
目標は定量的であることが望ましいので、律法の数を10以下にすることにしました。
この数ならば覚えておけるので、うっかり破ってしまうことが減るはずです。
期限は「終末まで」と設定しました。
活動計画です。
できる限りメンバー全員が活躍するようにします。
「テーマ選定」と「現状の把握」に時間がかかってしまいましたが、最終的には予定通り行きました。
終末は近いので危なかったです。
原因分析です。
問題を解決するために、何が原因であるのか調べる時には「特性要因図」を使います。
この図は魚の骨みたいに見えることから、「フィッシュボーン」とも呼ばれます。
律法の数を減らすために、なぜ律法は増えたのかを分析しました。
その結果、次の3点がポイントであるという結論になりました。
1つ目は「あるべき姿」です。
律法は行為を禁ずるだけでなく、人はこうあるべきだという指針でもあります。
そのため、単純に律法を減らしてしまうと、人々はどのように行動すればいいか分からなくなってしまいます。
2つ目は「個別に作成」です。
律法は具体的なシチュエーションに対して、どう振る舞うべきかという内容になっています。
これだとシチュエーションの数だけ律法が増えてしまうのです。
また、本来取るべき行動は時と場合によって変わります。
具体的にしすぎると、柔軟な対応が取れなくなるというのも問題です。
3つ目は「原罪」です。
人には原罪があるため、神に対して負い目があります。
だから律法を破ることは許されないのです。
対策立案です。
「あるべき姿」と「個別に作成」という問題に対しては、「包括的な方針」を作成することで対処することにしました。
次に「原罪」ですが、これは「贖罪」によって解決します。
詳細は以降のスライドで説明します。
包括的な方針についてです。
律法を以下の2点に集約します。
- 心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。
- 隣人を自分のように愛しなさい。
以上の2点を意識して行動すれば、律法を守っていることにします。
これならばどのような行動をとり、何をすべきではないか、個別に規定する必要はありません。
新しい状況に置かれても対応することが可能です。
次は贖罪についてです。
これまで私達は罪を犯してしまった時、許しをもらうために生贄を捧げてきました。
羊で罪を1つ帳消しにできるということは、はるかに価値のあるものを生贄にすれば、罪を根本から許してもらえることになります。
そこで我々は「最も価値のある犠牲」を用意しました。
私達のリーダーです。
彼は『神の子』なので、最も価値ある存在と言えます。
さらに生贄の捧げ方も、十字架に磔にするという、最も苦痛を感じられる方法です。
これで原罪を全て償うことに成功しました。
ちなみにリーダーは生贄になってから3日後に復活しましたので安心してください。
『神の子』なので。
効果の確認です。
今回の改善で、律法を約99.7%削減することに成功しました。
しかもこれで罪の意識を感じることはありません。
目標達成です。
水平展開です。
教えを広めるために、使徒を各地へ派遣しています。
やはり現場で直接教えるのが一番です。
まずはローマの東側である小アジアとギリシアから広めていきます。
ゆくゆくはローマ全域に教えを広げるつもりです。
そうすることで全人類を救済することができます。
標準化です。
口頭による説明だけでは、伝えられていくうちに内容が変わってしまいます。
なので重要な教えは文章にして残します。
手紙を各地へ送る時は複製を用意し、エフェソ教会で保管しておきます。
将来的にはこれらをまとめ、編纂し、新しい聖典となる予定です。
ご清聴ありがとうございました
終わりに
最初に言っておくが、「ご清聴ありがとうございました」は「いかがでしたか?」と同等のクソな終わらせ方だと思っている。しかしこの手のネタはフォーマットを忠実に再現することが肝心なのだ。そこを理解してもらいたい。
さて、この記事に書かれたイエス・キリスト像について語る前に、QCサークルについて確認しておきたい。QCサークルについて最も本質的と言われているのはニコニコ大百科の記事である。QCサークルの経験が無い人はまず一読を勧める。
QCサークルの経験がある人は、自身の記憶を掘り起こしてもらいたい。はたして発表内容は、実際の活動そのものだっただろうか。おそらく違うと予想する。書かれていたのは嘘ではなかったとしても、真実でもなかったはずだ。
以上のことを踏まえた上で、この記事は読んでもらいたい。後から都合がいい形となるように、点と点を線で結んでいるだけなのだ。
というわけで、ここに書かれているイエス・キリストはパウロの考えをベースにしつつ、非常に単純化して書いている。読んだら分かった気になる感じに。