登りゆく朝日には『スゴ味』がある。
アニメスタッフの覚悟が伝わってきたので解説しよう。
この拘りに敬意を払え。
ヴェネツィアでの聖地巡礼にて
俺は2018年11月に聖地巡礼でイタリアへ行った。
当然ヴェネツィアにも訪れ、サンタルチア駅で朝日を見た。このことについては上の記事で以下のように書いた。
ミスタ…
あなたの『覚悟』は…
この登りゆく朝日よりも明るい輝きで…… ちょっと待て
朝日の上がる『位置』が違う。これは時期の違いによるものじゃあない。4月ならもっと北寄り (写真左寄り) になるはずだからだ。なので作中の朝日は完全にフィクションだと言える。
「それくらい別にいいじゃあないか」と言われそうだが、このために俺は朝日を撮りそこねるところだった。俺は上記コマのギアッチョの位置で朝日を待ち構えていた。そうするとサン・シメオン・ピッコロの影になるため朝日が見えないのだ。
影の中にいて「朝日がなかなか出ないけど、なんか隣が妙に明るいな」と思って移動したら「既に朝日は登っていたッ!」というわけである。危ないところだった。マンガを信じるのは程々にしたほうが良い。
現地へ行ったことで、原作の朝日は現実と異なることが分かった。それをアニメではどうするのか。俺はこれが気になっていたのだ。
アニメの朝日の方角
ついに19話で答えが出た。再び朝日のシーンを貼っておこう。
朝日の「方角」が原作と違う!
原作ではギアッチョから見てサン・シメオン・ピッコロの「右側」から朝日が登っていたが、アニメでは「左側」となる『スカルツィ橋』の方角となっている。
分かりやすいように『原作』『アニメ』『俺の写真』そして『現実』について、朝日の方角をまとめた。
ジョルノとミスタがギアッチョを倒したのは4/2の出来事*1なので、朝日は真東よりわずかに北よりの方角から登る。アニメの方角は現実に近いのだ。
アニメなのだから必ずしも現実通りである必要はない*2。だから原作と同じ方向から朝日を登らせても良かったはずだ。だがアニメスタッフはそうしなかった。あえて現実と同じ方向に変更したのである。
終わりに
『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』製作にあたってロケハンが行われている。そして聖地巡礼をしやすいように、風景は現代のものになっており、聖地を特定しやすい作りとなっている。このことについては以前に別の記事で述べた。
だが、まさか原作にあるシーンすらも、現実に合わせてくるとは感心するしかない。すでにジョルノの母親の結婚式の場所を『サンタンジェロ橋』から『卵城』に変更したという前例があるとはいえ、朝日の方向という細かい点まで見直し、変更してくるとは。この拘りに敬意を表すると共に、以降の展開にも期待するしかない。
イタリア聖地巡礼記事
最初にも貼ったがもう一度。
行った場所はヴェネツィアだけではない。他にナポリ、カプリ島、ポンペイ、そしてまだアニメに登場していない場所にも行っている。もしイタリアへ聖地巡礼に行こうと考えているのであれば、参考になるはずだ。