本しゃぶり

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はてブのユーザーインタビューを受けた

はてなブックマークからユーザーインタビューを受けた。
先手を打っておいて正解だった。

ということで感想を書いておく。


【前置き】
先に断っておくが、インタビューの内容について詳細に言及はしない。はてなから「質問内容によっては開発検討中の機能に触れるのでやめてほしい」と言われているためだ。そのため俺がインタビュー前の記事で書いた「ブコメ返信機能」に対する反応を筆頭に、機能に関する話題は一切触れない

インタビューを受けた

これに当選した。

インタビューを受けたのは6/1 (水) の夜。設定されていた1時間フルに使い、用意されていた約30個の質問に全て回答。さらにブコメ返信機能の補足や、他にもこんな機能が欲しいなどの要望も伝えることができた。普段なかなか経験することのできない、有意義な体験だったと言えよう。

まずやって思ったのは「先に記事を書いてよかった」である。この記事を読む人ならば知っているだろうが、俺はユーザーインタビューが行われると知った段階で、はてブへの要望を記事にした

当選通知が来る前に記事を書いた理由は3つ。1つめは熱意を見せた方が当選する確率が高まると考えたため。2つめは記事を読んでもらうことで、前提を共有できるためだ。インタビューは時間が限られているため、事前情報無しに俺の要望を口頭だけで理解してもらうのは難しい。だから予め文章にしておけば、インタビューの時間を有効に使えると考えた。

そして3つめは、フィードバックによって自分の要求を明確にできることである。俺は衆人環視のもとで返信する「可視化」を求めていたのだが、ブコメ見ていると「俺がブクマカとコミュニケーションを取りたがっている」と認識した人も多いようだ。俺はそんなことを望んでいない*1。ただ、そのように受け取る人もいることは理解した。なのでインタビューではそれを踏まえた上で伝えることができた*2

インタビュー前の話はこれくらいにしておこう。以降はインタビューの感想だ。

真剣勝負の一問一答

最初に雰囲気の話をしよう。インタビューする側とされる側、双方ともに気を張り詰めた、緊張感に満ちているインタビューとなった。質問の内容は普通のアンケートみたいなものなのに。なぜ緊張感があったのか、それぞれが置かれた状況を説明しよう。

俺の方は「訊かれたことだけに答えよう」と自分に言い聞かせていた。今回のインタビューは俺だけに行われるものではない*3。大勢の中の一人にすぎないのだ。だから全員に共通する質問のリストが準備してあるはずで、それをこなすのが最優先事項である。また、自ら望んで受けている俺とは違い、はてなの人は仕事でインタビューをしている。それも夜の19時スタートという遅い時間に。

そんな状況で、俺が訊かれてもいないことをペラペラ話し続けたらどうか。リストを全部消化できるか不安になる上、いつ仕事を切り上げられるかも分からない。俺は夜の会議が予定より長引くのが大嫌いなので*4、自分のせいでそうなることは避けたかった。はてなの人に「もう骨しゃぶりに関わるのはやめた方がいいな」と思われても困る。

ユーザーインタビュー回答者のあるべき姿

一方で、はてなの人はどうか。相手はユーザーインタビューを募集しただけで要望機能の記事を書き、ホッテントリ入りさせてプレッシャーをかけてくるユーザーである。しかもおかしなブコメは容赦なく晒すタイプだ。何かあったら、絶対に記事を書いてくる*5。なにせインタビュー当選メールに対する返信で「会議を録画してもいいか?」「内容をブログやSNSで書いてもいいか?」と質問してきたほどだ。何も書かれないと思う方がおかしい。

ゆえにインタビュー感想記事による炎上を回避するには、他のユーザーに対してよりも8倍は丁寧に言葉を選ぶくらいの意識が求められる。質問する際には、前置きに前置きを重ね、一言一句たりとも何かマズいことを言わないようにと気をつけたことだろう。

なんだこのクソゲー

言葉を選ぶ質問者と、訊かれたことだけ答えようとする回答者。ともに考え抜いた末に言葉を発するのだから、インタビューが一問一答の形式となるのは必然であった。この緊張感を文章で伝えるのは難しい。俺の表現力不足を痛感する。はてなで働いている人は、チャンスがあれば録音を聞いてみてほしい*6。俺の言いたいことが分かるはずだ。

はてブ依存の告白

緊張感が満ちていたとはいえ、インタビューは滞りなく進んだ。それに俺は「余計なこと」を言わないようにしていたが、質問には全て正直に包み隠さず答えたつもりだ。結果、一つの事実を突きつけられる。俺、はてブを使いすぎじゃね?

ユーザーインタビュー募集記事には以下のような文章が書かれていた。

はてなブックマークのアプリまたはWebサイトを継続的に(目安:1ヶ月に1回以上)ご利用いただいている方を対象とします。
【追記:応募期限5/20まで】はてなブックマークのユーザーインタビューにご協力いただける方を募集します - はてなブックマーク開発ブログ

率直な感想。

アプリの使用時間。

はてなブックマークのアプリの使用時間 (2022/05/29〜2022/06/04)

家にいる時はPCからがメインなので、上のスクリーンタイムには含まれていない。はてブおよび開いた記事を読んでいる時間は、平日でも1〜2時間は使っているだろう。そのため質問に回答していると、クレカ明細書を見ている気分になる。俺、こんなに使っていたのかと。

俺はあまり自分でブクマしない方なので、外から見るとそれほど使っているようには見えないかもしれない。しかし実際には朝起きたらまず見るサイトの一つだし、寝る前に見るサイトの一つである。開きっぱなしであるTwitterなどを除いたら、Webサービス使用時間トップではないか*7

おはようからおやすみまで

しかも俺の場合、ブクマカとしてだけでなく、ブロガーとしてもはてブに依存している。本しゃぶりがはてブでばかり読まれるというのは、これまでも何度か言ってきた。いい機会だから、それを示す一つのデータとしてユーザー層を示そう*8。完全にユーザー層が被っている。

はてなのユーザー層は『はてなメディアガイド2022年4-6月版』から、本しゃぶりのユーザー層は 2022/04/21~2022/05/20 のデータ。

インタビューに答えるたびに、はてブへの依存っぷりがあらわになる。別にはてな社員を喜ばせようとしているのではない。ただ俺は正直に答えただけだが。

とはいえ俺の回答で、はてブに取り組むモチベーションが上がるなら、それは俺にとって喜ばしい話だ。一番困るのは中の人が「やはりはてブは閉じるべきだと考える次第である」なんて言い出すことである。見ての通り俺ははてブに依存しているので、長く続いてくれた方がいい。

Podcastでやってほしい

しかし残念なのは、今回のインタビューが非公開であることだ。これはPodcastで配信したらおいしいコンテンツになる。質問に答えていて、他のユーザーの回答が気になって仕方がなかった。はてブに他人は何を求めているのか、普通に興味がある。特に馴染みのあるユーザーの回答はなおさらだ。自分の使い方との比較もしたい。

逆に俺の回答が気になる人もいるだろう。俺の回答は俺自身にとっては当たり前の内容で、面白みも何もない。でも他のユーザーからしたら興味があるのではないか。そうじゃなかったらこの記事を読んでいるはずがない

そのため次にこのようなインタビューの機会を設けるのなら、オープンにコンテンツ化してほしい。番組の形態としては、まずゲストであるユーザーにインタビューを20〜30分くらい行う。その後に感想戦として、はてな社員だけで好き勝手に10分くらい話す。そんな感じの番組を聞きたい。

こういうのを聞きたい

一方的に石を投げるのが好きなブクマカは、公開されるのは絶対に嫌だろう。だが俺の場合は好き勝手にコメントされるのが日常茶飯事なので、ぜんぜん気にならない。むしろコメントを積極的に探す方だ。なんなら今回のインタビューに対して行われたであろう社内の感想戦も聞きたいぐらいだ。

そうなるとターゲットはブクマカではなく、はてなブロガーにするべきではないだろうか。頼まれてもいないのに自ら情報発信する人たちである。機会があれば話したい人は多そうだ。Backyard Hatenaの番外編として検討してみてほしい。

終わりに

あらためて、今回のユーザーインタビューは有意義な時間だった。はてなの中の人と直接話せたことそのものが大きい。

普段サービスを使っていても、中の人を意識することは少ない。機能追加や仕様変更があったとしても、人の手で行われたという感覚ではない。どちらかと言えば、天候に対する意識に近い気がする。「出かけようと思っていたのに雨降りやがって」みたいな。だから仕様変更や不具合に対して、人は辛辣になるのだろう。

それが実際に話すと、サービスの背後で人が働いていることが、「言葉」でなく「心」で理解できる。加えて、本しゃぶりが中の人にも読まれていることも。これからは自分にとって不利益な変更があったとしても、もう少し言葉を選ぼうという気になった。

はてブに関する記事

*1:おかしい人を説得するのは無理なので。周囲に向かって「この人はおかしい」と言うことには意味がある。

*2:はてなの人も、記事のブコメまで読んでいたし。

*3:あくまでもインタビュー対象が多くいるという意味で、インタビュー事態は個別に行われる。

*4:昼の会議も長引くのは嫌いだが、夜だと帰るのが遅くなるのでなお嫌い。

*5:はてなブックマークのユーザーインタビューなので、何か無くても記事にするつもりだったが。

*6:なんだったらkarasuma.fmで流してくれてもいいけど。録音全部。

*7:はてブ経由で開いた記事を読む時間を含めた場合。

*8:以前から本しゃぶりは内容の割には女性読者が多いなと思っていた。なので『はてなメディアガイド』を見た時は驚くと同時に納得がいった。あれははてブのユーザー層そのままだったのか、と。