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【雑記】やらかせる人が選ばれる

読んだ。珍しく素直にすげえと思った。

帰ってきたバッタ博士[前篇] バッタ博士の「今週のひと工夫」番外編:PRESIDENT Online - プレジデント帰ってきたバッタ博士[前篇] バッタ博士の「今週のひと工夫」番外編:PRESIDENT Online - プレジデント

ちょっと白粉買ってくる。
三善 練白粉 1(白)

バッタ博士の連載記事は毎回楽しみにしていた。記事だけでは飽きたらず本も買った。

ついでに書評も書いた。

【書評】フォームチェンジの謎を解く / “孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生” - 本しゃぶり【書評】フォームチェンジの謎を解く / “孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生” - 本しゃぶり

孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)作者:前野ウルド浩太郎出版社/メーカー:東海大学出版会発売日:2012/11メ...

そして今回の記事読んであらためて思った。大事な局面でやらかせるこの人マジにぱねえ。

やらかして選ばれる

細かいことは元記事を読んでもらうとして、この度バッタ博士は白眉プロジェクトに合格した。おめでとうございます。しかし俺が驚いたの合格したことではない。面接に眉を白く染めて挑んだことだ。

――ううむ総長すごいですね。ところで博士、面接のときの格好は? まさか、モーリタニアの民族衣装?
【前野】いや、スーツです。ただ、人生を賭けてひとつ仕込んで行きまして。眉を、白く、塗っていきました。「白眉」ということで。

これは「白眉プロジェクト」の由来にちなんでのことらしい。

白眉とは何か。その意味は「優れている者の中で、さらに優れている者」。その由来は『三国志』の「馬良伝」として知られるエピソードだ。蜀の馬氏に五人兄弟がいた。いずれも優れていたが、中でも白毛混じりの眉を持つ馬良が最も優れていたという。馬良らは劉備玄徳にスカウトされ、活躍する。なお、五兄弟の末弟の名は馬謖という。優秀だが致命的ミスをして、諸葛孔明に泣いて斬られるあの馬謖である。

さすがは相変異の専門家。体色を変化させる擬態はお手のものということか。それにしてもよくもまあ大事な面接でやれるものだ。俺はこの職をかけた行動に敬意を表する。俺もそれなりにちゃんとした面接や発表において「こうしたら面白いかな」と考えることはよくある。大抵はちょっとふざけた内容だ。だがそれを実行するかというと話は別だ。やったからといって好印象になるとは限らないし、下手をすればそれで落ちるかもしれない。やらないで落ちてもやらなかったこと自体を後悔することはないが、やって落ちてしまったら相当後悔するだろう。そう考えると実行する気になれないのだ。

しかしこの人はそれをやってしまった。一度は葛藤したというのに。それでもきちんと実行してしまうところに俺は敬意を表するのだ。

尖るからこそ刺さる

俺の場合、実行するのは話が別だとは書いたが、やってしまうこともある。そして大抵の場合やってよかったと言える。これはなぜか。結局のところ「選ばれるかどうか」というのは、いかに「印象的な存在になれるか」ということだからだ。余計なことをしない奴はミスもないがインパクトもない。落とすのが目的の面接ならそれでもいいが、選ぶのが目的なら印象に残らないのが最大の失敗になる。

このことについては以前紹介したこの本にも書いてある。

【書評】インターネットでもクマムシは生き延びる / “クマムシ博士の「最強生物」学講座: 私が愛した生きものたち” - 本しゃぶり【書評】インターネットでもクマムシは生き延びる / “クマムシ博士の「最強生物」学講座: 私が愛した生きものたち” - 本しゃぶり

クマムシ博士の「最強生物」学講座: 私が愛した生きものたち作者:堀川大樹出版社/メーカー:新潮社発売日:2013/09/18メディア:単行本この商品を含むブログ...

バッタ博士も登場するこの本には「オタクと変態はモテる」という話が載っている。 幸いにもこの話はリンク先で読めるので詳しく知りたい人はそちらを見てもらうとして、この話を簡単にまとめると「尖っているからこそ、求める人には猛烈に効く」ということだ。 他と同じように振舞っていては埋もれて終わりという結果になる。だからこそ「ちょっとマズイかな」と思ってもやってしまったほうがいい。おそらく周りもそう思っているのでヤった人間が勝者となるのだ。ブログとかもそうだな。アンチも多いクソみたいな記事を書いているブログには大抵信者がいる。俺みたいにまともなのも考えものだな。

約束された勝利の顔

やらかした奴が勝者となるといいっても、やらかせばいいというわけでもない。面白いからといってバイトテロしたりデマ記事をバラ撒いたりするのは許されないのだ。その点バッタ博士は偉い。ちゃんと準備している。

実家の洗面所でいちど練習しました。鏡を見て「これはやっちゃいかんだろう」とも思ったんですが、ここは一世一代の勝負だろう、と。

本番前に確認をしている。さらに調査も怠らない。

ただ、ネットで調べたんですけど、白眉って「全部が真っ白い眉」じゃなくて「白い毛が混ざった眉」らしく、それに合わせてまだらに白く塗って、より「リアル白眉」を目指しました。

さすが研究者だ。ここまでやってからの「やらかし」である。ただの思いつきによる突発的行動ではないのだ。勝敗は戦う前に決まるというが、これは正に勝つパターンであるだろう。用意周到からの尖った行動。もはや「眉を白く染める」は新しいことわざになる。

しかし次の白眉応募者はハードルが上がったな。今さら染めても二番煎じだし。ここで俺からアイデアがある。使いたかったら自由に使ってくれて構わない。さて、白眉を選ぶ人達はこのように呼ぶらしい。

面接官、すなわち採用候補者選考委員会の名は「伯楽会議」という。

この「伯楽」とは元々「馬の目利き」であり、その意味は「優れているものを見いだす名人」とのことだ。そこでだ。これを被って挑もう。

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