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ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

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きっかけ

一時期ハッカーというやつに興味をもったので

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"HACKER"で検索するとだいたいこんなかんじの画像が出てくる

だいたいのパソコンが好きな奴はハッカーに興味を持つと思っている。
世の中にはブラッディ・マンデイを見てプログラマーになる人もいるぐらいだし。
ハッカーに興味を持って適当にググった結果、紹介されていたのがこの本だった。
そして目次の中に、以前ネットで読んだことがあるものを見つけた。
「どうしてオタクはもてないか」というやつ。
これはなかなか面白かった記憶があるのでポチった。


内容とか

この本は各章が独立している。
どの章も面白いが、特に気に入ったやつを紹介する。
もちろんここで紹介するやつ以外も面白い。

どうしてオタクはもてないか

この本を読むきっかけとなったこの話。
ちなみにこの本では、オタク=nerdと定義されている。

知性を求めるオタクは人気を得る方にリソースを割り当てないからもてない。
ドラえもんの、「顔か力かIQか」に出てくるいいとこ選択しボードみたいなものだ。
そして厄介なことに学校には会社と違って目的が無い。
少なくともこの本によればアメリカの中学校に目的は無い。
その結果、生徒たちは人気でカーストを形成することとなる。
また、学校は閉鎖環境であり、閉鎖環境では少数派の下位カーストはいじめられる。
こうして知性を求めたオタクは迫害されていくと言っている。

コレを読んで結構納得した。
ただし、高専ではオタクがマジョリティなのでこの限りでない。
もてないことに変わりないが。
ところで、もてもせず、馬鹿な奴はどうすればいいのだろう。

スパムへの対策

一番気に入ったのがこの話。
ざっくりと説明すると、統計的手法を用いてスパムフィルターを作成するというもの。
流れを説明すると以下のようになる。

  1. スパムとスパムでないメールを分ける。
  2. それぞれのメールを全部スキャンする。
  3. 各トークン(単語やコードなど)の出現回数を調べる。
  4. 特徴的なトークンからメールがスパムかどうかの判断が行われる。

この話が気に入った理由、それは自動化することで全部うまく行ってしまうところだ。
判断するのを自動化にしても、判断基準を人間が考えるとうまくいかない。
正確に言うと大体はうまくいくが、時々うまくいかない。
その「時々」が致命的な結果をもたらすことがある。
ソースは俺のgmailのフィルタ。
そんな問題も判断基準を自動化し、常に学習させ続けていることで回避している。
このフィルタはスパムを分けるだけではなく、新たなスパムの特徴を学習するわけだ。

この話を読んで統計的手法すごいと思ったが、今日も俺のケータイにはスパムが来た。
KDDIはこの話を知っているのだろうか。

ものつくりのセンス

まずセンスといったものは絶対的なのか、相対的なのかというところから始まる。
何か好ましいと思った時、それは主観的なものであり、個人の好みの問題なのか。
一方で偉大な芸術家という存在は一般化されている。
「偉大な芸術家」は他の人より良い仕事をしているからそうなのか、それとも皆が偉大だと言っているから自分にとっても偉大なのか。

ここで著者はものをデザインし始めると絶対的なセンスを感じると言っている。
センスがあると良いデザインができるのだ。
逆に言えば、良いデザインができる人間にはセンスがあるということだ。
この本では良いデザインについて次のように述べている。

  • 良いデザインは単純である。
  • 良いデザインは永遠である。
  • 良いデザインは正しい問題を解決する。
  • 良いデザインは想像力を喚起する。
  • 良いデザインはしばしばちょっと滑稽だ。
  • 良いデザインをするのは難しい。
  • 良いデザインは簡単に見える。
  • 良いデザインは対称性を使う。
  • 良いデザインは自然に似る。
  • 良いデザインは再デザインだ。
  • 良いデザインは模倣する。
  • 良いデザインはしばしば奇妙だ。
  • 良いデザインは集団で生起する。
  • 良いデザインはしばしば大胆だ。

これがポール・グレアムの良いデザイン14ヶ条だ。
ディーター・ラムスのより4つも多い。
言っていることは割りと似ているので、真理に近いのだろう。
コレを踏まえてデザインすれば俺もセンスのいい人間になれるはずだ。
そのためには十分に習熟する必要があるが、問題はそれだけだ。
著者は偉大な仕事の発端は、醜いものを見たときにこう考えることだと言っている。

「俺ならもっとうまくできる」


こんな人におすすめ

  • ハッカーに興味がある人
  • 金持ちになりたい人
  • このレビューよりもっといいのを書ける人

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