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ジョジョの地球の歩き方を聖地巡礼の観点からレビュー

ジョジョの「地球の歩き方」が発売された。
各部の聖地がこれでもかと紹介されている。

聖地巡礼にどれくらい使えるのかレビューした。

ジョジョの歩き方

ということで買った。

本書は単純にジョジョの聖地を紹介するだけに留まらず、荒木飛呂彦のロングインタビューがあり、美術や歴史の解説など様々なコラムも収録されている。普通の『地球の歩き方』は現地へ行くため買う人がほとんどだと思うが、本書はただ読むためだけに買うのも悪くない。

とはいえだ。やはり正統派の使い方は、聖地巡礼のガイドブックではないだろうか。実際、今年の8月に行われるプレゼントキャンペーンは、応募するためには仙台へ行き写真を撮ることを求めている。

では本書はジョジョの聖地巡礼ガイドブックとして、どれくらい「使える」のだろうか。この記事では、聖地巡礼の情報源として本書の有用性をレビューする。

ちなみに俺はこれまでジョジョの聖地巡礼として、インド、仙台、イタリアへ行った。

今回は俺に知識があり、最も需要があるであろう仙台イタリアの記述について分析する。

聖地巡礼の観点

本題に入る前に、俺のスタンスを簡単に説明しておこう。聖地巡礼と言っても、求めるものは人それぞれだからだ。

  • アニメオリジナルも扱う
  • 作中と同じ構図で写真を撮りたい
  • 作中と同じ行動をしたい

ジョジョはアニメでは、主に5部アニメでは原作以上に実際の風景を取り入れている。そのためアニメでのみ登場している場所も多い*1。俺は原作もアニメも好きなので、どちらかに登場すれば聖地として扱っている。

では実際に現地へ行って何をするかと言えば、同じ構図で写真を撮るとか、同じ行動に挑戦している。

アニメと現実の対比

ローマまで南東12kmの旧アッピア街道を歩く

こういうことをやりたい人にとって、本書が役立つかを見ていく。

仙台

仙台は間違いなくジョジョの聖地であるのだが、ちょっと特殊な事例である。直接的に仙台の場所や建物が背景として使われているのではなく、名前の元ネタとして使われている事例が多い。これは4部を執筆する際、殺人鬼のいる町として実在する場所を使うのはどうかと、荒木飛呂彦が気を使ったためである*2。そのため4部の杜王町は、仙台近郊にある架空の町としている。

8部ではジョジョが仙台市民に受け入れられたことで、杜王町は仙台市の一部に昇格。そのためか、より直接的に仙台がモデルとして使われているように見える。

とまあ、このような場所であるので、分かりやすい聖地は少ない。それでも本書では「連想スポット」「地名」「グルメ」の観点から、ガイドを行っている。

先に総評を言っておくと、ジョジョの仙台聖地巡礼としてはかなり優秀。この後でいろいろとイチャモンを書いているが、基本的には本書で紹介された場所を巡るだけで十分に満足できると思う。それに仙台なら海外と違って必要な情報も少ないし。ガイドブックは本書だけで、後はネットで軽く調べるだけでいいのではないか。

連想スポット

連想スポットは、作中に登場した建物や場所を連想させるようなスポットである。例えば「むかでや」「江陽グランドホテル」などが該当する。

仙台 下駄 草履 | 仙台市青葉区で下駄、草履、和装小物はむかでや

仙台|江陽グランドホテル

このカテゴリで紹介されている場所の選択は、概ね納得できる。ただ、もうちょっと情報が欲しいスポットもある。

例えば「むかでや」は、領収書について言及されていない。ジョジョの聖地巡礼でここに来て領収書をもらいそこねたら、後で知ってショックを受けるだろう。

領収書

個人的にこのサービスはよく考えられていると思う。ジョジョに登場したとはいえ、「むかでや」は普通の履物屋である。写真をパシャパシャ撮って、何も買わず去られるのでは迷惑だ。しかし領収書サービスがあることで、何かを買おうとする気にさせる。店とオタクの双方にプラスだ。しかも「むかでや」は履物だけでなく、小物なども取り扱っているし、オリジナルトートバッグもある。記念品には困らないだろう。

もう一箇所、追加の情報が欲しいスポットとして「仙台塩釜港」が挙げられる。ここは4部で音石明と戦った場所を連想させる。

仙台塩釜港

問題は仙台塩釜港と言っても、それなりに広いということだ。事前の下調べ無しで行くと、それっぽい場所を見つけるのに苦労する。少なくとも俺は苦労した。だから港のどこら辺に行けばいいか書いておいて欲しい。ちなみに上記の写真を撮った場所は「38°16'22.5"N 141°00'07.6"E」である。

本書で紹介されていない連想スポットを一つ挙げるとしたら、「瞑想の松」が挙げられる。8部でジョニィ・ジョースターが「聖なる遺体」を隠した場所であり、 広瀬康穂が東方邸を見張っていたら東方つるぎに拉致された場所である。

瞑想の松

作中では海岸に生えていたが、実際は海から遠い。ここは展望台にもなっており、仙台の町並みを見渡すことができる。

瞑想の松展望台からの景色

なお、瞑想の松への行き方は、俺も参考にした下記ブログを見ると良い。

地名

地名はキャラ名の元ネタを紹介するカテゴリである。「広瀬川」「花京院」などが有名だ。

広瀬川

花京院の郵便局

ただ元ネタというだけのだが本書ではそれなりにちゃんと書いており、「見どころ」「場所」「キャラ紹介」をセットで解説している。俺の聖地巡礼において一番興味の薄いカテゴリというのもあるのだけど、これに関してはあまり言うことがない。

強いて言えば、本書に登場するのはあくまでも『ジョジョ』の元ネタなので、『バオー来訪者』や『死刑執行中脱獄進行中』のキャラの元ネタは紹介されていないことだろう*3。これに当てはまる俺が知っているやつだと「霞目」(バオーを生み出した博士) や「愛子」(ドルチの飼い主) が挙げられる。

グルメ

人によっては一番魅力を感じるカテゴリかもしれない。本書では「牛タン」「イタリアン」「フルーツパーラー」「おみやげ」が紹介されている。各カテゴリで複数の店・商品が紹介されているので、予算や場所に応じて好きなのを選べる。紹介されている中で俺のおすすめは、「いたがき本店」だ。創業120年の歴史を持つ、由緒正しい果物屋である。

くだものはいたがき|産地と生産者にこだわったくだものとくだもの店ならではのフレッシュなデザートのご紹介

もちろんここで食べるのはメロンパフェだ。食べるときは対流を意識しよう。

1045円

本書で紹介されている店がどんな基準で選ばれているかは知らないが、ジョジョの聖地巡礼ということならば和喰和喰亭(わくわくてい)を牛タンの選択肢に入れたいところだ。

ホルモン | 和喰和喰亭 | 仙台市青葉区上杉

荒木飛呂彦の中学時代の同級生が経営しており、店内には荒木飛呂彦から毎年送られてくる年賀状や、ポスターグッズなどが所狭しと飾ってある。非売品のものも多い。

店内の様子 (2016年撮影)

俺が2016年に訪れた時はちょうどジョジョオタのオフ会「チーム杜王町の忘年会2016」が開催されており、混ざって4時間半もずっとジョジョの話をしていた。俺はリアルどころか、ネットですら交流は無かったというのに。

他に本書で惜しいなと思うのは、パン屋が取り上げられていないことだ。俺はサンドイッチを持って「まるでピクニックに来ているみたい」と言いたかったので、パン屋をリサーチして行ったので。オフ会でパン屋なら「石井屋」がおすすめと言われたが、その時はいい感じのサンドイッチが無く、代わりにクロワッサンを買って食べた。

仙台老舗のパンとケーキの店 石井屋(いしいや) [ ISHIIYA ]

結局サンドイッチはJohanで買った。決めては紙袋でもらえるので。

Johanのサンドイッチセット

おらのサンドイッチ

イタリア

イタリアは仙台とは違って、実在する場所がこれでもかと出てくる。しかも有名観光地も多いため、ガイドブックが本領発揮できる国と言えるだろう。

まず本書でイタリア聖地巡礼をしたいと考えている人が知っておくべきことがある。本書はマンガで登場した場所しか紹介しないことだ。上でも述べた通り、ジョジョ5部のアニメは、マンガでは登場していない場所も数多く使われている。それが有名所でも、マンガに出ていなければスルーされているのだ。

紙面には限りがあるためこのような制約を設けたのかもしれないが*4、俺はこの点に関しては反対である。俺の観測範囲だと、アニメをきっかけにジョジョ5部を知った人も多い。なのでアニメオリジナルだとしても、有用ならば紹介すべきではないか。

具体的な指摘は、本書の構成と同じく都市別に書いていく。

ネアポリス

ネアポリスの街並み

まず最初にネアポリス紹介の良い点を挙げよう。本書では「ネアポリス刑務所」について言及しているが、観光施設ではないため実際の刑務所の所在地は伏せてある。その代わりとして、外観が似ている「ヌオーヴォ城」「カプアーナ門」を紹介している。確かに刑務所に行ってトラブルが起きても困るし、実際の刑務所の外観は作中と大きく異る。この判断は正しい。

実際の刑務所

代案と作中の比較

これでちょっと感心したのは、代案として「ヌオーヴォ城」だけでなく「カプアーナ門」も含めていることである。「ヌオーヴォ城」は昔からネットでポルポの刑務所に似ていると言われていたが、「カプアーナ門」も似ているという話は見たことが無かった*5。ちゃんと拾ってくるあたり、さすがは『地球の歩き方』と言えるだろう。

もう一つの良い点としては「ここを紹介するか」と思ったスポットがあった。「王宮」である。

王宮

ここは2部でもなければ5部の聖地でもない。7部の聖地である。ジャイロ・ツェペリやウェカピポは「ネアポリス王国」の出身なので、その繋がりで紹介されたというわけだ。その程度の繋がりなら見てもしょうがないと思うかもしれないが、そんなことはない。ここは知識も教養も無くても楽しめる。

では以降はネアポリス紹介に対する問題点ないし意見を述べる。

まずネアポリス紹介の冒頭で街並みを見渡せる場所として「サンタントニオ教会のテラス」が紹介されているのだが、ここは「ポジリポの丘」にすべきだろ。アニメでジョルノがブチャラティと戦い、その後パッショーネに入団すると宣言した場所である*6

サンタントニオ教会のテラスから見たポジリポの丘

しれっとキャプションに書いたが、実は「サンタントニオ教会」は「ポジリポの丘」の背後にある。この2つはほとんど同じ場所にあるのだ。確かに教会の方がちょっとばかし高さは上だが、「ポジリポの丘」からの眺めも十分にいい。実際、上に貼った「ネアポリスの街並み」は「ポジリポの丘」からのものだ。どちらを取るかと言われたら、ジョジョに登場した「ポジリポの丘」を取るべきではないか。

次にフニコラーレについてである。本書ではサンタントニオ教会へ行けるということで、Mergellina線を紹介している。しかしこの路線は場所的にマンガ作中で乗っていたものとは考えにくい*7。それならアニメで明確に登場したCentrale線Augsteo駅から乗ることを勧めるべきではないか。「地球の歩き方」はCentrale線の写真をたくさん持っていることを俺は知っているぞ*8

Augsteo駅

それにCentrale線ならば、次のC.so Vittorio Emanuele駅で降りることによって、アニメでジョルノがジェラートをつけられた「コルソ・ヴィットリオ・エマヌエーレ通り」に出る。アニメのことも考慮したら、絶対にCentrale線を選ぶべきだ。

C.so Vittorio Emanuele駅で降りたところ

ネアポリス紹介に関する最後の問題点はこれだ。

『地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険』p.61

「アバ茶」のネタということは分かるが、いくらなんでもあり得ないだろ。本書の「旅のトラブル」では「毒入り紅茶」として「決して口を付けないように」と書いているのに。

『地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険』p.197

たとえネタだとしても、こういうことは書くべきではない。

カプリ島

ここは見るべきポイントが絞られるので、加点も減点も少ない。ここでもまた良い点から挙げるなら、荒木飛呂彦が「青の洞窟」へ行った時の感想が書いてあること。俺は高潮のせいで入れなかったけど。

対して惜しい点としては、「公衆トイレ」の記述である。本書では作中のトイレは実際だとフニコラーレの駅とカフェになっているで終わりである。でも男性のジョジョオタならば、実際にトイレで用を足したいと思うはずだ。安心して欲しい、ちょっと位置は異なるがトイレはちゃんとある。

トイレの案内板

カプリ島のトイレその①

カプリ島のトイレその②

このトイレに限った話ではないが、入場するための小銭をちゃんと用意しておこう。

ポンペイ

本書を読んで初めて知った。ポンペイの「アポロ神殿」にある白い柱、これがマンガでイルーゾォが隠れていた柱とそっくりであるということを。

General Cucombre from New York, USA, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

読み返したら確かにそっくりだし、カラー版ではちゃんと白くなっている。そしてストリートビューで見た感じでは、他に似たような柱は近くにない。つまりアポロ神殿の柱がモデルと言ってもいいだろう。

思わず自分で撮影したポンペイの写真を見返したが、アポロ神殿は1枚も撮っていなかった。悔しい。ちなみにアニメでは別の柱となっている。アニメは実際と同じようなレイアウトにしているため、タイミング的にアポロ神殿はあり得ないからだろう。

例によって本書はアニメ無視のスタイルなので、紹介されているのは上記の「アポロ神殿」「悲劇詩人の家」だけである。一応「フォロ」「秘儀荘」もちょっと触れられている。「フォロ」は背景に登場しているからいいとして、「秘儀荘」は全くジョジョに関係が無いから頂けない。俺なら「マリーナ門」の写真を載せる。ここはマンガにも登場しているし。

マリーナ門

ところで、本書には「犬のゆか絵」について、「保護のためガラスで覆われてしまっているから、たとえ鍵のようなものがあったとしても立ち入ることは許可されていない」と書いてある。では実際に鍵のようなものがあった場合はどうするべきなのか。

何が起きたのかを知りたい人は下記を参照。

ヴェネツィア

ヴェネツィア紹介に対する見解は、良い点と悪い点が表裏一体である。良い点とは、ジョジョ本編だけでなく、『岸辺露伴は動かない』の『懺悔室』からも取ってきており、『サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂』も紹介されていることである。

サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂

悪い点は「なんでこれが紹介されているか書いていない」ことだ。本編しか知らない人には分からない

これは「サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂」に限った話ではなく、イタリアのスポットは作中のどこで登場したのか説明が無いのだ*9。登場したマンガのコマが貼ってあることもあるけれど、それが何部で何巻のものかは書いていない

本書を買うような人間はそれくらい知っておけということなのかもしれないが、それを言い出したら本書で紹介されている大半の場所はネットに書かれている*10。ガイドブックなのだから、ちゃんと情報を載せるべきではないか。

もう一つ、ヴェネツィア紹介について言いたいことがある。本書では実在する場所だけでなく、ジョジョに登場する架空の場所の紹介もある。これをやるのは構わないのだが、「エア・サプレーナ島」で紙面を取りすぎだろ。なんで「サンマルコ広場」と同等の扱いなんだよ。これに力を入れるくらいなら、「サンタ・ルチア駅」から見れる日の出の方向を書いておけ*11

サルディニア島

実を言うと、サルディニア島の記述にはちょっと期待していた。というのも、俺はオルビアまでは行ったのだが、肝心の「カーラ・ディ・ヴォルペ」へ行けていないからである。一番の理由は体調不良だが、仮に体調に問題がなかったとしても行けていたかは怪しい。公共交通機関が全然ないからである。そのため、なんか上手い方法があるかなと、期待していたのだ。

しかし答えは「レンタカーかタクシーを使え」であった。やはりそうなるのか。ちなみに2019年に実際に行った人のレポートによると*12、「空港→ポルト・チェルボ」と「ポルト・チェルボ→オルビアのローマ通り」のタクシー費用は合計で150ユーロだったという。マンガでは片道4,840円だったのに。

本書のサルディニア島紹介感心ポイントは、ポルト・チェルボにある「ステラ・マリス教会」を紹介していることである。

Heinz-Josef Lücking CC BY-SA 3.0 de,Link

作中に登場する教会と雰囲気が似ている。ここ行きたかったな。

ローマ

ローマはジョジョに登場する場所だけでも名所が多いので、選択のセンスが問われる。

まず感心した点を挙げると、「旧アッピア街道」として「ポンペイウスの霊廟」が写っている写真を使っていることだ。

ポンペイウスの霊廟

なぜこれに感心したかというと、この地点がほぼ「ローマまで南東12km」であるからだ。始めの方に貼った通り、作中でヴェネツィアへ向かうジョルノたちが歩いていた場所である。マンガで登場する場所に、ちゃんと寄せてきて偉い。

他に良い点としては、2部の聖地として「フォロ・ロマーノ」を紹介していることである。

フォロ・ロマーノ

「コロッセオ」のチケットは「フォロ・ロマーノ」と「パラティーノの丘」と共通なので、普通なら一緒に見る場所である。ここで単に「ついで」ではなく、ジョジョの聖地として「フォロ・ロマーノ」を紹介するのが良い。

ただこうなると、合わせて「パラティーノの丘の入口」も紹介しておくべきだと思う。

パラティーノの丘の入口

ここはアニメでレクイエムに襲われたりトリッシュ (ミスタ) が街灯に登ったりした場所である*13。また、実用的な観点からもここを紹介する価値がある。コロッセオでの販売所と比べて、列の長さが圧倒的に短いからだ。聖地巡礼とチケット購入を両立できるのだから、紹介しない手はない。

もちろん「パラティーノの丘の入口」を紹介する代わりに、カットすべき項目もちゃんと考えてある。「スペイン広場」「トレヴィの泉」だ。

スペイン広場

トレヴィの泉

どちらも有名な観光スポットではあるけれども、ジョジョには登場していない*14。それなら優先順位は下げるべきだ。他に入れるべき場所はある。

俺なら「パラティーノの丘の入口」の次に入れるべき場所として「ミリツィエの塔」を挙げる。

ミリツィエの塔

アニメでチョコラータのヘリコプターを捕縛した塔のモデルであり、おそらくマンガもこれをモデルにしている。 作中ではヘリコプターを捕縛したのは「ボルゲーゼ公園」となっており、ここは本書でも紹介されている。しかし実際には塔らしきものは見当たらない

ヘリコプターを捕獲した場所

そのためジョジョの聖地巡礼としては、単に名前が出てきた場所でしかなく、行っても得るものは少ない。しかもコロッセオからだいぶ離れているので、行くのがかなり面倒だ。

ボルゲーゼ公園から見たコロッセオ方面

その点「ミリツィエの塔」なら作中と似た外観をしているし、コロッセオからも近い。そして作中では名前が登場しないことから、行っても気が付かない人もいる。少なくとも1回目の俺がそうだった。だから本書のようにジョジョの聖地情報を提供するならば、確実に入れておくべきスポットなのだ。

イタリアのまとめ

イタリアに関しては以上である。有用な情報も多く載っている一方で、「なぜこれが無い」とか「貴重なスペースにこれを載せる必要がある?」と思った箇所もそれなりにあった。聖地巡礼へ行く際は本書だけでなく、自分でしっかりと調べた方がいい。「地図」は既にあるわけだし。

また、仙台と違ってイタリアへ行く場合はガイドブックを別途用意したほうがいい。本書はジョジョに登場する様々な場所を1冊にまとめているため、どうしてもジョジョに直接関係の無い情報はカットされている。また、紹介されているスポットについても、通常の「地球の歩き方」には載っている料金開場時間といった情報が欠けている。本書はあくまでも聖地の存在を知るために使うのがいいだろう。

終わりに

『地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険』に対するレビューは以上である。実を言えば、聖地巡礼観点だけでも言いたいことは良し悪し共にまだまだあるのだが、もう既にだいぶ長いし、俺の体力も限界なので、これで終わりとする。

いろいろと文句を付けたけれども、全体としては悪くないし、今回はあくまでも聖地巡礼観点からしか評価していない。本書にはファンブック的側面もあるのだから、価格に見合う価値があるかどうかは、それも含めるべきだろう。俺は含めた上で買ったことに満足している。

しかしまだコロナが収まらず、海外へ行きにくいのは本当に困った話だ。本書が作られたのはコロナ禍のおかげであるとはいえ*15、やはりさっさと終わって欲しい。

ジョジョの聖地巡礼記事

上でも貼ったが、ジョジョの聖地巡礼記事をペタペタと貼っておこう。聖地巡礼へ行くときの参考にするといい。

*1:一方で旧アッピア街道のように原作でしか登場しない場所もある。

*2:その割には「むかでや」の店主を爆殺しているが。

*3:『岸辺露伴は動かない』はジョジョに含まれる。

*4:あるいは権利的な関係かもしれない。しかし後述するように、本書は明確にどこのシーンで登場とは書いていないので、アニメの権利を取得できなくても場所を載せることは可能である。

*5:俺の記事には書いてあるが。

*6:原作では「ヴィットリア広場」となっている。

*7:原作ではどの路線に乗っていたか不明だが、状況的にこんなネアポリスの端っこに乗るとは考えにくい。

*8:フニクリ・フニクラ・フニクリ・フニクラ~♪<フニコラーレ・チェントラーレ>が約1年ぶりに再開通! イタリア/ナポリ2特派員ブログ | 地球の歩き方

*9:仙台の方は何部に登場した場所・キャラであるのかちゃんと書いてある。

*10:仙台とイタリアに関してはGoogle Mapsまで用意されている。

*11:『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』19話の登りゆく朝日に『スゴ味』を感じる - 本しゃぶり

*12:残念ながら現在は鍵垢になっていて見れない。

*13:マンガでは不明。

*14:『ストライクウィッチーズ2』に出たので俺も訪れたが。ストライクウィッチーズ2 聖地巡礼『俺のロマーニャ』 - 本しゃぶり

*15:コロナ禍で売上9割減!『地球の歩き方』が出した“旅行しにくい時代”への答えとは | @Living アットリビング