本しゃぶり

骨しゃぶりの本と何かを繋げるブログ

ブログ記事を書くための読書について

俺がブログを書くためにどのように本を探し、読んでいるのか。
その過程を赤裸々に晒す。

自分では正攻法だと思っているのだが。

マシュマロへの回答

マシュマロが投げられた。

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Link

読書メモについては既に記事化しているので、そちらを読んでもらえればいい。

対して読み方については記事にしていないが、Twitterでは回答できなかった。マシュマロの余白はそれを書くには狭すぎる。なのでブログで書くことにした。

「恋柱の記事」の場合

方法を書くなら具体例を挙げた方がわかりやすい。ここはマシュマロでも例として出された「恋柱の記事」を書いたときの話をする。

記事によって本の探し方・読み方は異なるが、「恋柱の記事」の場合は複合的で、代表的なパターンを網羅している。なのでこの記事について語ればそれでだいたい分かるだろう。

先に言っておくが、これはあくまでも「ブログ記事を書くための読書」の話である。俺だって普通に面白そうと思って読むことの方が多い。読書を「目的」とするか「手段」とするかで読み方は異なる。それを踏まえた上で読み進めてほしい。

Step0:方針を決める

まず始めにネタがある。記事のネタが決まらないと、記事のために読む本が決まらない。

「恋柱の記事」の場合、このツイートからネタが出た。

ツイートしてからもっと深堀りできるのではないかと考えた。そこで恋柱の全身を舐め回すように見てみると、彼女がミニスカートを履いていることに気がつく。ミニスカートが登場したのは鬼滅より後の時代だったはず。それなのになぜ彼女はミニスカートを履いているのか。そこには合理的な理由があるはずだ。

こうして記事のネタが決まり、同時に読むべき本も見えてくる。必要なのは恋柱の服装を全肯定するための知識である。

Step1:既読の本を読み返す

方針が決まったら既に読んだ本の内容を再確認するところから始める。読んだことがあり、ある程度の知識があるから記事のネタを思いつけるわけだが、その知識は完璧に正確ではなく、あやふやである。自分の認識が正しいか、確かめる必要がある。とはいえ1冊ずつまるごと読み返すのではない。必要なところだけ拾って読む。知識の再確認ならそれで十分だ。

今回は「大正時代における巨乳とミニスカート」が主軸となるので、それに関連する本を読み返す。そうなると「日本における巨乳の扱い」ということで『巨乳の誕生』は必須となる。

続いて露出の多い服装について語るのだから、「裸と羞恥心」の知識も欲しい。『裸はいつから恥ずかしくなったか』はそのための本だ。

上半身についての知識は、上記の2冊で最初の段階としては十分と考えた。おっぱいに関連する本は何冊か持っているが*1、大正時代の日本について書くなら他に使えるのはあまりない。中世の日本なら『乳房はだれのものか』が使え、江戸時代なら『江戸の乳と子ども』から引っ張るのも面白いだろう。

次は下半身に視点を移す。俺が読んだミニスカートについて書いてある本というと、真っ先に『女性の服飾文化史』が挙げられる。

これでミニスカート登場時の服飾文化の概要が分かる。ただ最初の時点ではミニスカート登場前、テニスウェアのページは読んでいなかった。ミニスカートのような形態は1960年からと思い込んでいたからである。この本は全ページを読んだことがあるわけではなく、ブルマとミニスカートのところしか読んでいなかったから仕方ない*2

ミニスカートに直接関係している本は他に読んでいなかったが、隣接した分野なら読んだことがある。パンツの本だ。下着とスカートはセットであるし、下着の変化はテクノロジーの発達と関連がある*3。何か使えそうなネタがあった気がするので『下着の文化史』『下着の誕生』を手に取る。

下着の文化史

下着の文化史

結果から言えばこの2冊は記事に使わなかったが、調べる方向性としては間違っていないと分かった。特に『下着の文化史』は日本における洋装化の歴史にページを割いており、いい線行っている。実際、北澤楽天のマンガ『女百態エログロ漫画集』のイラストは本書で知った。惜しいのはミニスカートについての記述が少なかったことである。とはいえ、外部を語るには内部も知らなくてはいけないということは、服飾に関しても言えることだと確信した。

Step2:購入済みの本を読む

続いて積読中の中から使えそうな本を読む。この場合、使えそうな部分だけ読むこともあれば、最初から最後まで読むこともある。これは完全にケース・バイ・ケースだ。

今回は『パンツが見える。』がそのパターンだ。

「こいつパンツの本やたら持っているな」と思う人もいるだろう。これは『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい』がアニメ化された時に、これをネタに記事を書けないかと考えたためである。

結局記事にはしなかったが、その知識は今回活用された。学ぶ時は「すぐに役立つ」ことを求めないのが望ましい。

記事で参考書籍として紹介したことからも分かるように、『パンツが見える。』を読んだのは正解だった。日本のパンツ史には欠かせない「白木屋ズロース伝説」*4を頭から信じず、その真実を解明していくだけあって*5、取り上げる内容が幅広い。内容の面白さもあって、結局本書は最初から最後まで普通に読んでしまった。そのため時間はかかったが、おかげで「ショートスカート」というキーワードを知ることができた。

キーワードを知れば検索ができる。これで俺に不足している知識が明確になった。鬼滅の時代で短いスカートについて語るなら、ショートスカートについて調べればいいのだ。

Step3:ネットで調べる

ここでネットによる調査が始まる。もちろん手元に都合のいい本が無い場合はこれがStep1となる。

俺がブログを書く場合にネットで調べる目的は、概要を知るためである。ネットにある知識は断片的なことが多いため、それだけで濃い記事を書くのは難しい。それでも自分の認識が合っているかの確認や、何を調べればいいかを知るには有効である。内容では専門書に劣るが、無料ですぐに調査できるというメリットはやはり大きい。

今回のような内容だと、やはりWikipediaから始めることが多い。

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SigurdHosenfeld / CC BY-SA, Link

Wikipediaを使うメリットは3つ。

  • 概要が書かれているので、対象分野のキーワードを入手しやすい
  • 参考文献・サイトを知ることができる
  • クリエイティブ・コモンズの画像を入手できる

Wikipediaと聞くと信頼性の観点で眉をひそめる人もいるだろう。確かにWikipediaの内容をそのまま使うなら危ないが、調べる取っ掛かりとして使うなら有効だ。調べることができるのは無知であることを自覚している場合だけである。自覚していないことは調べられない。Wikipediaは自覚させてくれる。自覚さえすれば真偽を調査することなど容易い。

また、Wikipediaには脚注参考文献に情報元が書かれている (ことがある) 。これで次に読むべき本を知ることができる。今回はこれで読んだ本は無かったが。

最後に画像について。俺は記事に載せる画像としてWikimedia Commonsから引っ張ってくることが多い。その画像を探すスタート地点としても、Wikipediaを活用している。

ちなみにWikipediaを使う時は日本語版だけでなく、英語版も見たほうがいい。情報量がまるで違うことがあるので。英語ができなくても、Google翻訳を使えばだいたい分かる。ただ機械翻訳だと違った意味になることもあるので、裏を取るのは必須である*6

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Kasuga~commonswiki / CC BY-SA, Link

調査内容によっては他の言語版も見たほうがいいだろう。ミニスカートの場合はフランス語版も確認した。

Wikipedia以外だと、論文を読むこともそれなりにある。「宇崎ちゃんの記事」はまさにそのパターンだった。

ただ本記事は読書についての話なので、これについては割愛する。

こうして調査する分野のキーワードや方向性を知ることができたら、新しい本に手を出す。

Step4:本を入手して読む

しっかりした記事を書きたいならやはり本を読んだほうがいい。ネットと比較して体系的な知識が手に入りやすいからである。俺が本を探すのはほとんどAmazonで、最近は図書館も使うようになった。

Amazonで本を探す時は「〇〇 歴史」で検索する。"○○" には調べたいことのキーワードを入れる。俺の記事だと「○○の文化史」「〇〇の世界史」というタイトルの本が使えることが多いのだが、これらは "歴史" でまず引っかかる。

出てきた本の中からタイトル説明評価を参考に良さげなやつを選ぶ。そうするとレコメンド機能で関連する本が出てくるので、そこからまた良さげなやつを選ぶ。そして買う。俺が本を選ぶ指標はおおよそ以下である。

  • 評価が高い
  • その分野の歴史について書かれている
  • Kindle版がある
  • 値段
  • 雰囲気

最近はKindle版かどうかが重要になっている。元々Kindle版の方がブログで使うには便利だった。

  • スキマ時間に読み進めやすい
  • Siriで読み上げもできる*7
  • ハイライトしたところをEvernoteに突っ込める
  • 本文を検索できる

前2つは素早く読み進めるのに有効。後2つは記事執筆時に「あの内容どこに書いてあったっけ」となった時に使われる。だがそれ以上にKindle版が優秀なのは場所を取らないということ。前はKindle版が無いならば諦めて紙の本を買っていた。だが置く場所が無くなった今では、買うことはまず無い*8

そこで最近は図書館を使うようになった。紙の本は不便だが、無料なのは良い。ずっと手元に置けないのはデメリットである一方で、場所を取らないという意味ではメリットである。

図書館で本を探す時は、単純に対象の分野の棚を見て回るだけである。今回だったら服飾・ファッションのコーナーへ行き、関連がありそうな本を片っ端からパラパラと立ち読みした。さすがに使わなかった本のタイトルは覚えていない。他には大正時代のコーナーにも行った。最終的には使わなかったが*9

使えそうな本はとりあえず借りる。そして記事に使われたのが『20世紀ファッションの文化史』『ファッションの20世紀』だ。

時間の都合もあって、今回は必要な部分だけを読んだ。基本的な流れは『女性の服飾文化史』で知っているため、同じ対象をどのように書いているかに注意を払う。例えば「ミニスカートの発明者」や「服飾文化とテニスの関係」など。異なる本で同じ書き方がされているなら正しいはずだ*10

これである程度は記事を書ける程度の知識を得た。正直なところ、これでもまだ重要で知らないことがあるのではないかと不安はあるが、どこかで腹をくくらないと記事を書けない。まあ、俺が書くのはあくまでも個人ブログなのだけど。

Step5:Evernoteにメモする

便宜上 "Step5" としたが、実際はStep1~4を通じて行うことである。本を読んだりネットを見たりして、知識やアイデアをメモしていく。俺はEvernoteにメモっている。様々な形式の情報を一つのサービスでまとめるならEvernoteは便利だ。単に昔から使っているというのが大きいが。

メモの中身は情報元のリンクもあれば、調べる前に書いた疑問点もある。記事で使えそうなネタを書くことも多い。どうしても俺がどんなことをメモしているか知りたい人は300円を用意するといい。noteで売っているので。

俺のメモに金を出すより、俺が紹介する本を買って読んだ方が有意義だと思うが。

終わりに

俺は特別な読み方をしているつもりはない。手の内を明かせば「なんだそんなものか」と思うのは、手品に限った話ではないのだ。おそらく本の読み方よりも、記事にかける時間の方が重要だと思う。恋柱の記事は執筆だけで休日を1日半以上は潰しているし。

ブログのことをブログで書くのは好きではないこともあって、これは記事にするか迷った。noteに書くことも検討したが、Markdownではないので長文を書きたくない。しかしこれを読んだことで面白い本を見つけ、それをシェアする人が増えたなら俺にとっても得である。だからブログで書くことにした次第である。

自分にとって当たり前の知識でも、他人にとってはそうではないということを俺は知っている。

ブログを書く上で参考になる本

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

  • 作者:安宅和人
  • 発売日: 2010/11/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

俺のブログの書き方はこの本で説明される流れが一番近い気がする。ここまで明確にやっていないが。

*1:おっぱいの本16冊 - 本しゃぶり

*2:ブルマはブルマの興亡史を書くため。ミニスカートはこれ以前ミニスカートをネタに記事を書こうと考えたことがあったからだ。

*3:例えばカラフルできれいな下着を一般庶民でも買えるようになったのは、化学繊維が登場したからである。また、下着のデザインは1870年代末のイギリスで急速に変化を始めたが、それは暖房器具が普及したことによる影響が大きい。部屋が暖かいから下着姿でいるようになり、下着が目に晒されるようになったのである。

*4:百貨店の白木屋で火災が発生し、死者も出た。その死因は「当時の女性パンツを履いていなかったため、ロープで降りる際に陰部が下から丸見えで、それを隠そうとしてロープから手を話して落ちた」というもの。

*5:本書では白木屋火災の死者について死因を全員分調べた。目撃証言や当時の警察・消防の調査報告から、下着の有無が原因ではないと結論付けている。

*6:日本語版でも裏を取るべきだと思うが。

*7:SiriというKindle読み聞かせお姉さん - 本しゃぶり

*8:絶対に買わないわけではない。

*9:職業婦人の話などを入れようかと思ったが、ただでさえ記事が長いのにこれ以上長くしたら読まれなくなるのでカットした。

*10:「白木屋ズロース伝説」のようなパターンもあるが。